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社会人や学生が陥りやすい「五月病」を行動経済学の視点から考察してみた

みなさま、こんにちは。
Keiといいます。

今回、クロサキナオさんの企画に参加させていただきます

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🍀この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です🍀
#クロサキナオの2024MayMuses
https://note.com/kurosakina0/n/ndf3a3c7b1328

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私は元銀行員で、現在は大手企業の経営企画部に所属しております。
MBAホルダーで、コンサルタントや金融系の資格などを持っています。

普段のnote投稿は主にビジネス系の記事を書いております。

私のプロフィールはこちらの記事を、読んで頂ければありがたいです。

今回の参加テーマが「5月」ということで、パッと思い浮かんだのが「五月病」でした。

五月病とは、新しい環境や生活に適応しきれず、疲労や無気力感に襲われる状態のことです。

特に社会人1年目や大学1年生に多く見られる現象です。この時期は環境の変化が大きく、ストレスを感じやすいからだと言われています。

ヘルスケアテクノロジーズの調査では、20代では休職した人が約4割近くもいるようです。

私も社会人1年目に同じような経験があります。学生から社会人へと気持ちを切り替えるのに苦労しました。

一方、タイトルに記載の行動経済学は、人々の非合理的な意思決定を科学的に解析する学問です。

そのため、行動の背後にある心理的な要因を明らかにすることが出来ます。

よって、行動経済学は若年層がなぜ五月病に陥りやすいのか、を理解するのに役立つのではないかと思います。

今回は、この行動経済学の理論を用いて、五月病の原因を掘り下げ、対策を考案してみます。

五月病の原因について

それでは、行動経済学の視点から五月病の原因を3つ抽出し、掘り下げてみます。

1. 選択のパラドックス

新生活が始まるこの時期には、新居の選定、新しい交友関係の構築、クラブ活動やサークルへの参加など、多くの選択肢が存在します。

行動経済学の「選択のパラドックス」は、選択肢が増えることが逆にストレスを引き起こすという現象です。

例えば、大学生がサークルを選ぶ際、多数の選択肢から最適なものを選ぼうとすると、決定すること自体が精神的な負担となり、選択後の満足度が下がる可能性があります。

この意思決定のプロセスを負担に感じることで、「やる気」が削がれる原因につながっているのではないでしょうか。

2.即時報酬の優位性

行動経済学における「即時報酬の優位性」は、特に若者に見られる傾向です。

新社会人や学生は、長期的な目標よりも、目の前の快適さを選んでしまいがちです。

例として、学習や研究、仕事が長期的な利益をもたらす可能性が高いと分かっているにもかかわらず、ゲームやSNS、友人との交遊などに時間を使いすぎてしまうことが挙げられます。

人間は通常、目の前の楽しみが長期的な目標達成の努力よりも魅力的に感じられるため、これは仕方がありません。新社会人や大学生に限らず、多くの人にも当てはまるでしょう。

しかし、目の前の快適さばかりを追求していると、将来の不安が急に襲ってくることがあります。このような現象によって、五月病が起こってしまうのではないかと考えます。

3. 損失回避

「損失回避」は、人は「得るもの」よりも、「失うもの」に敏感であるという理論です。

理論から考察すれば、人は新しい環境や挑戦に対しては、まず失敗を恐れてしまい消極的になりがちであるといえます。

そのため、新社会人などは新しい職場での発言や発表など、失敗のリスクを伴う行動を避ける傾向にあります。

この恐れが、新しいチャレンジを控えさせ、結果として無気力やストレスの増加につながっているのではないでしょうか。

以上のように、行動経済学の理論を用いて五月病の背後にある心理的メカニズムを理解しておけば、効果的な対策を講じることが可能ではないかと考えました。

五月病の解決策について

次に、行動心理学の視点から、五月病を効果的に克服する解決策を3つ考えてみました。

1. 「SMARTの法則」による目標設定

まず、小さくても構わないので目標を設定し、徐々にクリアしていく手法は、五月病を抜け出す解決策の一つです。

目標の設定には「SMARTの法則」を使います。

「SMARTの法則」とは、「具体的、測定可能、達成可能、かつ目標への関連性があり、時間的制約もある」ことを示しています。

法則に従い、具体的な目標と期限を設定し、達成感を得やすくすることで、モチベーションの維持につなげるのが有効だと考えます。

例えば、大学生が「毎日1時間、ファイナンスを学習する」という目標を設定するケースで考えてみます。

ファイナンスにおける具体的な項目や章を明確にし、週単位、月単位での達成基準を設定し、自らが設定したテストなどで習熟度を確認します。

習熟度を測る際、達成基準を低く設定していたとしても、達成感は得られるため「自己肯定感が増す」と考えられています。

SMARTの法則に従って日常を過ごしていくと、目標に対する進捗も分かりやすくなり、モチベーションを維持しやすくなると考えられています。

2. 「遅延割引」の調整

行動経済学の「遅延割引」とは、将来の報酬を現在の価値よりも低く評価してしまう考え方や思考のことです。

例えば、健康的な食事や運動は、将来の健康や体調にも影響するということは、多くの人が理解していると思います。

トレーニングジムに通ったり、野菜を食べることは、将来の健康に対する報酬を享受するための投資といえます。

しかし、実際は将来の健康よりも、即時の快楽(例:ジャンクフードを食べるなど)に対する誘惑に負けてしまうのはよくある話です。

この思考を見直す方法としては、長期的な報酬を意識する行動計画を立てるのが有効な手段と考えます。

たとえば、将来のキャリアアップを目指すなら、短期的に取得可能な検定や資格だけではなく、長期的なスキル習得にも焦点を当ててみるのも一つの考え方です。

将来のリターンを低く見積もるのではなく、大きく捉える思考回路に調整していくのが重要なため、将来の理想の姿や、手に入れたい報酬などを具体的にイメージするのがよいかもしれません。

3.「損失回避」によるモチベーション維持

次に、「損失回避」の心理を利用したチャレンジを設定してみることをお勧めします。

人間は得する行動よりも、損することを避ける傾向があるため、目標はネガティブな表現にしたほうが達成しようと考えがちです。

例えばnoteユーザーであれば「連続投稿を途切れさせない」という目標にすれば、途切れることを回避しようと活動します。

逆に、「連続投稿する」という目標にすると、チャレンジ中に「別に連続投稿する必要がない」と考えてしまう可能性が高まります。

また、日々の小さな目標達成に対して可視化する(例:カレンダーにシールを貼る、リマインダーにチェックを入れるなど)のも効果的な解決策です。

同様に、小さな達成ごとに自分を褒めるイベント(例:好きな料理を食べる、欲しかったものを買うなど)を開催するといった工夫もモチベーション維持の一つの方法として有効でしょう。

私は、現在このような考え方で連続投稿を継続できています。ちなみに、自分へのご褒美は「酒」と「ガジェット類」です。

まとめ

今回、この記事を執筆しながら、行動経済学を利用して五月病を分析するのは、非常に有効ではないかと思いました。

行動経済学に基づくアプローチを取り入れることで、新生活の様々なストレスに効果的な対処ができるのではないでしょうか。

小さな成功を重ねるのは、自信を持って新しい環境に適応するための鍵になると私は考えます。

もちろん、これは五月病にかかりやすい新社会人などに限らず、多くの人に共通する話でもあるでしょう。

この記事が、五月病を乗り越え、充実した新生活を送るための一助となれば幸いです。

ポジティブな自己肯定感を持てば、五月病だけでなく、将来的な挑戦にも前向きに取り組めるでしょう。

行動経済学の知見を生かし、日々の小さな選択が大きな未来を創る第一歩になることを願っています。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
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