見出し画像

年収だけで地銀へのUターン就職を考えていませんか?

学生の皆さん、地方銀行へのUターン就職を考えていますか?

地銀の魅力とは何か、そしてその現実はどのようなものなのでしょうか。

本記事では、地方銀行の年収が金融機関にしては高くない理由や、キャリア形成、そしてUターン就職を成功させるポイントを、地方銀行で20年以上働いた経験を持つ筆者が解説します。

あなたの就職活動に少しでも役立てば嬉しいです。

地銀の年収事情

地銀の平均年収が、金融機関の割にはイメージほど高くないと考える理由は多岐にわたります。

まず地銀は、メガバンクや大手保険会社など、他の金融機関と比較すれば小規模であり、収益構造が異なります。

そのため、実際に働いてみると、一般的にイメージする「高収入」とまでは感じないかもしれません。

地銀の年収が抑制される要因として、地方の経済規模や業務範囲の限定が挙げられます。

地方の経済規模が小さければ、銀行が取り扱う資産の総額や取引の範囲が限られるため、それに比例して銀行の収益も制限されます。

例えば、都市部の銀行と比較して、地銀の主な顧客層は地域住民や小規模な地元企業です。

これらの顧客は、大規模な融資や複雑な金融商品の需要が少ないため、銀行の収益機会は限られます。

さらに、業務範囲の限定も影響しています。

地銀はその性質上、地域に根ざしたサービスを提供することが多く、国際金融や大規模な投資業務など、収益性の高い分野に積極的に関与することは多くありません。

そのため、地銀の行員は、基本的な預金や貸出、地元への投資など、比較的収益が高くない業務に従事することが多くなります。

このように、地方の経済規模と業務範囲の限定が相まって、地銀の年収は都市部の銀行や大手保険会社などの金融機関と比較すれば、低くなる傾向にあります。


地銀の平均年収について

地方銀行の平均年収は約600万円程度と言われており、一般的な事業会社の平均年収400万円と比較すると約200万円程度高いことがわかります。

しかし、この数字は地方銀行の中でも大都市圏に位置する銀行に限った話です。

例えば、横浜銀行は日本の地方銀行の中で最大の一つとされています。

他には福岡銀行や北國銀行など、地域に強い存在感を持つ銀行においては、高い年収が望めるかもしれません。

ただ、これらの大手地方銀行への就職は当然競争が激しく、簡単ではありません

いくら地銀の人気が低下しているとはいえ、誰でも簡単に内定をもらえるところではないでしょう。

仮に内定をもらえたとしても、期待通りの高収入を得るのは難しいかもしれません。

実際に、多くの地銀の行員は、地銀の平均年収600万円以下で働いており、地域によってはさらに低くなる傾向にあると言われています。


地銀の年収構造

地銀でキャリアを積むことを前提に考えると、生涯賃金もそれほど高くないかもしれません。

まず、初任給については、近年上昇しています。

地銀の新入行員への給与引き上げは、新卒採用が難しくなっていることが理由です。

地方銀行の就職人気は、一部の銀行を除けば低下傾向にあり、処遇改善が急務となっているため、初任給の見直しを行なっています。

次にキャリア形成についてです。

地銀の多くは基本的に年功序列で、一定の年齢まで同期の給与格差は、ほとんどありません。

地銀は、旧態依然とした人事制度を採用していることが多く、「年功序列」や「同期」という概念が根強く残っている傾向にあります。

そのため、入行してから昇進するまで長い時間を必要とするのが一般的です。

加えて、地銀の場合は不採算の営業店を次々と廃止しているため、ポストが減少しており、昇進の機会は少なくなっています

今後は、昇進がさらに遅れる傾向にあると言われています。

こうして考えると、現在40代を超えた行員ならば、まだ生涯賃金は高いかもしれませんが、今から入ってくる若者にとっては魅力的には思えない職場かもしれません。


地方へのUターン就職を成功させるポイント

地元に帰って働きたいと考える学生ならば、地銀への就職は一度は考える道かもしれません。

なぜなら、地方には雇用が安定している企業は数少ないからです。

そのため、田舎になればなるほど地銀の就職人気は以前として高い傾向です。

地方へのUターン就職を成功させるためには、以下のポイントを考慮するのが重要ではないでしょうか。

  1. 地域を理解する
    地銀は地域社会との密接な関係に依存しています。地元のニーズや特性を深く理解するのが、大きなアドバンテージになると思います。

  2. ネットワークの構築
    地域に根ざした活動を通じて、信頼関係を構築すれば、キャリアの発展につなが流かもしれません。

  3. 長期的なキャリアプラン
    地銀のキャリアは、都市部の金融機関とは異なる可能性があります。長期的な視点でキャリアプランを考えている人を、地方銀行は好みます。


まとめ

地方銀行は魅力がある職場ですが、その給与構造やキャリアの進展にはいくつかの制約があります。

地方銀行は規模が大きくないところが多く、地方経済の影響を大きく受けるため、一般的には大手金融機関よりも年収が低めです。

また、店舗の統廃合や保守的な人事方針により、今後は昇進の機会が限定されるでしょう。

実際、20年以上地銀で働いてきた私の意見としては、年功序列の文化が根強く、ポストが減少しているため、年収アップが期待できる昇格は難しいのが現実だと思います。

地銀の将来性を考慮しつつも、入行を希望する場合は、これらの点をよく理解し、長期的なキャリアプランを慎重に考えた方がいいかもしれません。

地元での安定した職を求める場合、地銀は一つの選択肢となり得ますが、職業としての魅力を総合的に判断する必要があると思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
よろしければフォロー頂けると、大変嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?