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#045 寡婦ってなあに?_扶養親族ってなあに?の続き

前回は扶養親族についておさらいしてみました。


今回も引き続き年末調整や確定申告に必要となる用語をおさらいする回にしたいと思います。概要をなるべく簡単にお伝えできればと思います。
詳細については前回同様国税庁HPにも掲載されている『年末調整のしかた』や『所得税の確定申告の手引き』に載っていますので、そちらを確認してください。


まず前回タイトルにしておきながら触れられなかった『寡婦』についてです。

『寡婦』については次の何れかの条件に当てはまる妻だった女性のみ該当する制度です。

1. 夫と離婚した後婚姻していない人。その中で下記の条件を満たす事。

 ① 扶養親族がいる事。

 ② 合計所得金額が500万円以下である事(注:収入金額だと約678万円くらい)。

 ③ 事実婚と同様の人がいない事(簡単に表現していますので詳細はHP等で確認してみてください)。

2. 夫と死別した後婚姻していない人か夫の生死が分からない人。その中で下記の条件を満たす事。

 ① 合計所得金額が500万円以下である事(注:収入金額だと約678万円くらい)。

 ② 事実婚と同様の人がいない事(簡単に表現していますので詳細はHP等で確認してみてください)。

1と2の違いとしては、2が夫との離婚ではなく死別(または死別とほぼ同条件)である事、そして扶養親族がいなくても適用になるという事が大きな違いになります。


ちなみに令和2年に寡婦控除を含めた控除等の大きな改正がありました。以前は寡婦控除の他に特別寡婦控除というものがありました。当時は寡婦控除に収入の制限はなく、特別寡婦に収入制限がかかる形でした。特別寡婦は控除額が高く設定されていました。ですので今回の改正は寡婦の人にとっては条件が悪くなっているものとして考えざるを得ないでしょう。特別寡婦がなくなった事により控除額が実質減ってしまいました。


また、寡婦に対し寡夫控除というものがありました。男性の平均収入が多いため、条件としては厳しめの設定となっておりました。それは現在も寡婦控除が残っている事により男女平等というところには達していません。やはり現在も平均収入の男女比として女性が不利である事が原因にあるでしょう。男性はとにかく稼げという事です。これは女性批判ではなく、現在においても世界的に指摘される男性社会が今も根強い事が原因になっている事が挙げられます。本来であればこの点をもっと着手する事が必要なはずですが、申し訳なさ程度に過去にあった女性に優遇された制度を用いて勘弁してというところでしょうか。男女平等の改善点についてはここでは話が逸れるのでまた別の機会にでもしましょう。


次に改正されて新たにできました『ひとり親』について触れていきます。

『ひとり親』は所得者本人が現在婚姻していない人か配偶者の生死が分からない人で次の全てに該当する場合に『ひとり親』として認められます。

1. 所得者本人と生計を一にする子がいる事(詳細はHP等を確認してください)。

2. 合計所得金額が500万円以下である事(注:収入金額にすると約678万円くらい)。

3. 所得者本人に事実婚と認められる人がいない事。

こちらは男性も該当しますので寡夫控除が若干窮屈になった寡夫控除といったものです。女性においては『寡婦控除』か『ひとり親』の何れかが該当します。



次に『勤労学生』について取り上げてみましょう。

まずHP等に断り書きのある学校に在籍している人で合計所得金額が75万円(収入金額が130万円)以下であり、かつ合計所得金額のうち給与所得等(給与所得の他に事業所得・退職所得・雑所得も含める)以外の所得金額が10万円以下を満たす人が該当します。

この場合に、勤労学生本人は130万円の金額まで税金がかかりませんが、勤労学生が親の扶養に入っている場合は103万円の収入金額を超えると親の扶養から外れる事になるのでここには注意が必要です。現在ではマイナンバーが反映されるため確実に指摘されます。

また、勤労学生は学校の証明書が必要になりますので注意してください。ここでは簡単にしか触れていませんので詳細はHP等で確認してください。


最後に『国外居住親族』に触れていきましょう。

国外居住者の場合、この手続き上では「非居住者」と呼ばれます。居住者が国内居住に対して非居住者は国外を意味します。これも詳細はHP等を確認してください。非居住者の親族関係を証明するものと親などの所得者本人が非居住者への送金を明らかにする書類を提示できる事が必要になります。



これら所得税等にかかる見直しはここ数年でかなり変わってきていますので、私も今回はこれを取り上げてみて改めて見直す内容が結構ありました。みなさんもこれを機会に見直してみるとアレっと思う事が結構あるかもしれません。それではまた。

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