リップスラーが嫌いなひとへ。
こんにちは♬
今日は大雨予報。こんな日は家で楽譜を書くに限ります(いつもです)
さて。
今日のお題はずっと書こう書こうと思っていた事です。
私はずーーーーっとリップスラーが大っ嫌いでした笑
その苦手っぷりは大学1年のレッスンのとき、あまりにひどくて先生に「うーん、リップスラーはまたあとにしよう」と言われ、その後もずっと意図的にレッスンには持っていかず、大学4年の時にやっと持っていって「先生、今まで黙ってたんですがリップスラーがあまりに嫌いだったのでレッスンに持ってきませんでした」と言ったら「うん、知ってる笑」と言われたという歴史があるぐらいです。
大学生の時に「朝練」という本に出会い、「リップスラーはシラブルではない」という言葉に出会い、そこからやっと「リップスラーは力を抜くための練習なんだ!」というのがわかって、今までの苦しみから解き放たれました。
そんな「筋金入りのリップスラー大嫌い」の私が、同じような境遇の自分の生徒ちゃんたちに少しでも苦手意識をなくしてもらうために色んな方法を考えました。
今からやる練習は、本来ならレッスンで「アンブシュアの変化を最小限にするための息の使い方」というのをやって、それを念頭に置きながらやらなくてはいけないのですが、とりあえずこの練習だけでも少し効果はあります。
名付けて、
「自分をだませ!替え指リップスラー」
です笑
そもそも、リップスラーがうまくいかない原因は、
「同じ指使いで音を変えなくてはならないから、音の移動の時に頑張らないといけない、と思ってしまう」
ことなんです。
つまり、音を変える(高い音を出す)ためには気合いが必要という「思い込み」のせいなのです。
一度思い込んでしまうと、人間ってものすごい苦手意識ができるんです。
一度失敗したことは体が覚えていて、どうしても思ったとおりに体が動かせなくなるのです。
ということは、逆説的に考えると「成功体験を積むと自信につながる」ということなんです。
では、リップスラーの成功体験を積むためにはどうしたらいいか。
それがこの練習の本題なんです。
まずは、以下の譜面のように練習します。
リップスラーでも何でもなく、ただのスラーの練習です。
まずはこれを「息をスムーズに、アンブシュアの変化を極力少なく」することを意識して練習してみましょう。
次に、以下の譜面を練習します。
普通のリップスラーと大きく違うのは、上のドを23の指使いで取ることです。
はい、こちらも指を使うのでリップスラーじゃないですよね笑
でも、これをやってみてうまくできたらちょっと考えてみてください。
あなたには、ソ→ドをスラーで吹く能力があるのです!
何を言ってるんだと思いますよね笑
「当たり前だろ、指を使ってるから吹けるに決まってるじゃん!」
と思われると思います。
そうなんです、そこがポイントなんです。
先程「音を移動するためには気合いが必要と思い込んでいるのがリップスラーがうまくいかない原因」とお話しましたよね。
でも、指を使えばソ→ドのスラーが気合いや力やたくさんの息を使わなくてもひょいっと飛び越えられますよね。
そう、簡単に言うと、「指を使った状態の息の使い方、力の使い方」でリップスラーができれば良いわけです。
なので、まずはこの指を使ったスラーをひたすら練習して、自分の力加減をしっかり記憶しておいてください。
さて、これができれば次のステップです。
次のステップでは以下の動画のように練習してみてください。
1回目は23のバルブを押さえて吹きます。
2回目は、23の指をバルブではないところをトンっと押さえてみてください。
(ちょっと小さい音で吹いてるんでつまづいててごめんなさい)
息の流れは1回目も2回目も同じように意識します。
どうでしょうか?
できましたか?
できなかった場合はバルブを押す練習をたくさんしてみてくださいね。
スラーがうまくできた方・・・おめでとうございます笑
もうあなたはリップスラーを力を入れずにできるようになりました♬
指をトンっと他の場所を押さえるのを、私は「心のスイッチ」と呼んでいます笑
だんだん、指を動かさなくても心の中でこのスイッチを入れられるようにしてあげると、リップスラーがすんなりできるようになります。
ついでに、以下の練習もしてみてください。
全て違う指でリップスラーの練習をします。
指を使うことで安心感を得ることができます。
安心感のある状態で、まずはアンブシュアの変化を少なく、スラーの練習をしてみてください。
同じように、指をはずしていきます。
どうでしょうか?
もちろん、出る音域でないとできませんから、できる範囲の音でいいと思います。
ただ、問題なのは他の運指になるとちょっと面倒なのでドからスタートするものだけになっちゃうのですが笑
色々工夫してみると良いと思います。
そして、もちろん高い音を出すためには息のスピードも必要ですが、これをやることで過剰なスピードや、息の量をともなったスピードを出さなくても良くなると思います。
そう、結局この練習は何が目的かというと、
「自分の思い込み(メンタルブロック)から解放してあげる」
ということなんです。
そして、この練習を効果的にするためには、
「自分の口、息、体の使い方を観察する」
ということが大切になります。
一応noteで書けるのはこういった練習法だけです。
もっと詳しく知りたい!という方は是非レッスンへどうぞ〜笑
これ以上は文章や動画でお伝えするのは難しいので。。。
是非やってみてくださいね♬
ではまた、ばいば〜い!
トランペット奏者、作編曲家の岩田恵子と申します。 お仕事の話やトランペットの奏法などについて色々と発信していきます♬