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【イベントレポ】営業担当がオンライントークイベントに出演しました

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さて、早稲田大学生協戸山店によるオンライントークイベント「慶應義塾大学出版会さん、彩流社さん、出版社の営業って何をしているのですか?そして、おすすめ本を教えてください。」が8月6日に開催されました。

大学生協を利用する大学生の中にも、出版業界に関心のある方もきっといらっしゃることでしょう。しかしながら、出版社の営業といってもあまりイメージがわかないかもしれません。そこでこのお仕事を紐解くべく、慶應義塾大学出版会からはジム通いが趣味のナカイさんが、彩流社さんからはフェルナンド・ぺソアが好きなマキさんがイベントに出演しました。今回はその内容を少しだけご紹介していきます。

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どうして営業を?

最初は会社とお仕事の紹介からスタートしました。中でもご自身の仕事のルーツを紹介する場面では、本との素敵な出会いが語られます。

マキさんは元書店員で根からの本好きとのこと。
「この仕事ほど本に出会える仕事はほかにないと思う」
様々な人と出会う仕事であることから、おすすめの本を紹介してもらう機会も多いと話します。

一方のナカイさんは金欠だった学生時代の図書館通いがきっかけだったそうです。
「知らない世界を広げてくれるのが本だった」
またバルセロナの都市が文化産業の育成に注力し発展しているという研究を学生時代にしていたことも、この業界を意識し始めた契機であったようです。

営業は大変なこともある

営業のお仕事には、書店を回って、本を大きく展開したり時にはフェアを組んだりといったものがあります。書籍を販促する上で、書店との繋がりはとても深いのですが、それと同時に、本を作る編集者とも関わることが多い仕事です。新しい本の企画が立つとどれだけ売れるのか、どうやって販促するのか、といったマーケティングを行うことも仕事の一つなのです。

そのため、「相手とのギャップをどう埋めるか」はやはり悩みの一つ。内容が良くても売れ行きは今一つ……な本がないわけではありません。だからこそ、書店のどの棚に置くか、どんなところを本のウリとするのか、重要なポイントといえます。

ナカイさん「著者に会うこともあります。編集者はこう言っているけど、著者はそういうことを伝えたいんだ、とわかることもあるんです」

また、担当書籍の分野は多岐にわたるため、勉強することが多いのも特徴です。マキさんは、自分がそれほど興味のないけれど、一般的に流行っているものは意識的に見るようにしているそうです。

出版不況というけれど

最後のほうでは「質問コーナー」が設けられました。ずばり「出版不況どうですか?」という質問も。二人とも「確かに不況だけど…」としつつも、

マキさん「前向きにどうやって乗り越えるか考えている人が多いと思います」

ナカイさん「(専門書の出版社は、)他社の本って、『競合書』とはあまり言わないんです。『類書』って言いますよね。それって特殊だと思います。出版社同士、一緒に棚を作り業界を盛り上げる仲間でもある」

会社の垣根を越えてつながっているのが、出版業界の特色の一つかもしれません。


お二人が選ぶおすすめの本

このイベントでは、それぞれ一押しの書籍をご紹介しました。

慶應義塾大学出版会・ナカイさんのおすすめ本は世界と僕のあいだに(タナハシ・コーツ著 池田年穂訳)と漂泊のアーレント 戦場のヨナス(戸谷洋志・百木漠著)です。

ナカイさん「「世界と僕のあいだに」は黒人としてアメリカで生きることの難しさを表現し、BLM運動を紐解く上で参考になります」

こちらの二冊についてはこちらでもご紹介しておりますのでぜひご覧ください。


彩流社・マキさんのおすすめは絵はすぐに上手くならない デッサントレーニングの思考法(成冨ミヲリ著)と不安の書【増補版】(フェルナンド・ペソア 著 高橋 都彦 訳)です。

ポルトガルの詩人・ぺソアについては、こちらのnoteもぜひご覧ください。



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今回の講演は「営業の仕事内容」「出版社の営業についた理由」「大変なこと」など、出版業界に関心を持っている方にとっては興味深い内容だったのではないかと思います。また、新しい書籍、版元の中の人との出会いの場でもあったと感じました。彩流社さんや慶應義塾大学出版会の本を次に書店で見つけた時には、もう顔なじみです!

早稲田大学生協戸山店さん、楽しいイベントをありがとうございました。

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