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若手スタッフが自ら考えて実行!スタッフの自信につながるMSBとは?

ようやく明けたコロナ禍 さらに一歩進むために!

ホテルにとって、コロナ禍はホテル創業以来の最も辛い経験でした。ロビーに全くお客様がいない、感染症対策のため、お客様とコミュニケーションをとることも憚られる、そんな日々が続きました。

コロナの猛威が収まると同時に、少しずつホテルは賑わいを取り戻していきました。
しかし、その現状に満足してはいけません。
コロナ禍でお客様に喜んでいただけない寂しさ、辛さを知ったからには、より一層ホテルを活気あるものにしていきたいと考えました。

私たちスタッフが本気で考えたことがお客様に伝われば、
お客様に喜んでいただけるはず。
私たちも嬉しくなるし、ホテルも潤うはず。
ホテルが潤えば、もっと働きやすくなり、さらに新しいことができるはず!

そんな情熱を胸に、新たな取り組みを始めることにしました。



MSB「マーケティング・ストラテジー・ボード」とは


それは、接客や調理に従事する各部署の若手スタッフを中心としたMSB(「マーケティング・ストラテジー・ボード」の頭文字から)という取り組みです。

新たに、それぞれが所属する部署の収入増のために、

  • できることを考え、実施していく場

  • さらに活性化させるための場 をつくることにしました。

1年間の期間を設け、MSBの担当となった若手スタッフが、半年後、一年後に、「前は全然わからなかったけれど、今ではこんなことができるようになった!」「自分が考えたことで、お客様に喜んでもらえた!」 と実感できることを目標に活動を始めました。

2か月に1回開催される全体会議の風景

スタッフが楽しく、前向きに取り組めるよう、次のような枠組みで進めていきました。

(1)主役は若手スタッフ!

各部署から、入社3~7年目程度の若手スタッフがメインメンバーとして参加しました。これは、経験が浅いスタッフへの教育という意味合いではありません。フレッシュなスタッフのほうが、ホテル都合ではなく、お客様に近い感覚や感性で物事を考えていくことができるからです。

※今回参加した部署とスタッフ
宿泊…フロントスタッフ、お客様のご案内等を行っているロビースタッフ
ペント・セプト…ホテル直営のフィットネスジム 指導スタッフ
宴会…セールススタッフ、実際に宴会で接客にあたる宴会サービススタッフ
各レストラン…ホールスタッフ
外販…バレンタインやクリスマスなどの季節商品を企画、販売するスタッフ
調理…各レストラン、宴会場の調理スタッフ

(2)経験豊富なサポートメンバー

とはいえ、フレッシュなメンバーだけでは、企画を実行に移していくことは難しいでしょう。そこで、各部署の入社10年目以上の経験豊富なスタッフが、社内調整の仕方や物事の進め方などのサポートを行える体制としました。

(3)着実に進めるための工夫

ホテルでは、同じ部署(例えば、フロント)で働いていたとしても、スタッフにより出勤時間や出勤日は様々です。また、接客や調理に従事している部署では、ともに出勤日であっても、1日顔を合わせないということもしばしば。

そこで、各部署では、それぞれの部署の特性に合わせて、出勤日が重なる日に少しずつ時間をとったり、引継ぎノートや部署内アンケートなどを活用するなどして、部署内でのコミュニケーションを図りました。

また、1か月に1回は事務局によるヒアリング、さらに2か月に1回メインメンバーが全員集まってお互いの進捗状況や課題を確認する場を設けました。これは「締め切り」を設け、課題を明確にすることで着実に進めていくための工夫です。

(4)座学と実践

とくに、2か月に1回の会議では、マーケティングの基礎やスケジュールの決め方、社内調整の方法などのレクチャーを行い、MSBの活動の中での実践を目指しました。

取り組みのご紹介

取り組みのご紹介①・・・レストラン ろばた・すし・北のめし〈あきず〉

藤森さん(中央)とサポートする先輩スタッフ

メンバーは、入社4年目同期の伊藤さんと藤森さん。はじめは、他の部署よりも若く、経験が少ないことで不安だったといいます。突然選ばれてしまい、何をすればいいのかわからなかったという伊藤さん、藤森さんペアですが、普段仕事をしていて感じている身近な問題から、少しずつ取り組みを始めました。

〈あきず〉では、「お客様満足度の向上」「単価アップ、アルバイトスタッフの指導強化によるサービスレベルの底上げ」を目的に据え、先輩スタッフや調理スタッフを巻き込みながら、以下の施策を実施しました。

  • お客様に、おすすめメニューや「もう一品・もう一杯・もう一本」をおすすめする仕組みづくり

  • 調理担当による毎月のコース料理説明会の開催

  • アルバイトスタッフの指導強化のためのマニュアル作り

作成したマニュアルの一部

伊藤
料理長から今月の料理の説明をしてもらうようになってから、お客様とのコミュニケーションが増え、自信をもって、お料理や食材をおすすめできるようになりました。MSBというきっかけがなかったら出来なかったことだと思います。

藤森
今まではインチャージ(※)の先輩に頼ってばかりでしたが、今回、おすすめメニューお声かけの仕方を考えたり、マニュアルを作成したりして、少しかもしれませんが、売り上げに貢献できたと感じています。
マニュアルを作成してからは、これまで先輩スタッフと一緒に実施していたアルバイト指導も、同期の2人だけで行うことができました。先輩方の仕事を手伝えたのかなと思っています。

インチャージ…その日の責任者、リーダーとなるスタッフのこと。店長が不在の時には、2番手、3番手のスタッフが務めます。

レストラン ろばた・すし・北のめし〈あきず〉
ホテル 地下1階にある創作和食の居酒屋レストラン。料理長が自らの舌で確かめた北海道産の食材を、北海道の地酒とともに気さくな雰囲気で楽しむことができます。


取り組みのご紹介②・・・会員制スポーツ&フィットネス〈ペント・セプト〉

高倉さんがインストラクターとしてお客様と接しているジム・スタジオ

メインメンバーは入社11年目の高倉さん。「お客様満足度の向上、リピーター化」「新規レッスンの受注増」を目的に据え、インストラクターならではの視点で、以下の施策を実施しました。

  • 新規レッスン受注時のお客様へのヒアリング強化

  • レッスンの予約方法、レッスン内容の積極的な発信

完成したレッスン紹介カード

これまで、初めてのお客様のレッスンを準備する際に、もっとお客様の情報を事前に知っておきたいと感じていたそうです。MSBをきっかけに、お客様の身体の状態(けがや病気の有無、希望するレッスンのレベル等)などを聞き出すためのヒアリングシートを作成しました。他のインストラクターとも話し合い、レッスン内容を紹介するラミネートカードを作成し、お客様がレッスンをイメージしやすいようにしました。

ペント・セプトの営業情報やレッスン情報を発信するLINEアカウントも開設

高倉
MSBに参加する以前は、お客様のサポートやレッスンの業務に追われてしまい、今後のペント・セプトのためにどのような取り組みが必要なのかを考える時間がありませんでした。MSBを通じて、ペント・セプト全体の利益を上げる方法を学び、新しい取り組みを実施することができました。
今まで気になっていた「新規レッスン」の受注増に関しては、大きく成果が見えてきています。現在、新しいスタッフも増えたので、今回の取り組みを応用してスタッフ全員でステップアップしていきたいと思います。

会員制スポーツ&フィットネス〈ペント・セプト〉
ホテル地下1階にある、ホテル直営のフィットネスジム。天然地下水を使用した25メートルプールやジムマシン、会員のお客様がゆったりと過ごせるメンバーズルームなどを完備しています。

取り組みのごく一部を紹介いたしました。働いていると「こうしたら、もっと良いのに…」と感じていることがあります。ただ、それを実際に実行に移すというのは、時間と労力、そして、周囲の共感と理解が必要です。
一歩一歩ですが、大好きなホテルのために、少しでもお客様に喜んでいただくために、京王プラザホテル札幌は努力を続けてまいります。


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