小説「風の仕業」kaze no itazura 7
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「あなたは?」そう彼は私に聞いた。
ある日曜日に「遂に」私は「ストーカー犯」である彼と、向き合うことになった。彼の携帯電話が分っていたので、まずそれに電話して会うことになったのだ。
彼は通常の声で名を名乗って応答した。
私のやり口はもちろん暴力団が女性をダシによくやる手口の美人局ではない。しかし私が彼女と付き合っている者であるということをはっきり云ってやった。決して脅している訳ではなかった。もちろん私も自分の名を名乗った。彼がどういう心境なのか私には分らない