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小説「風の仕業(いたずら)」

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Amazonの本の紹介文から「街角を吹き抜ける風のいたずらだったのか、偶然出会った若き女性と中年男の交流の経緯を淡彩風に描いた恋愛小説。ストーカー事件を絡ませながら、作品の舞台は… もっと読む
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小説「風の仕業」 kaze no itazura 1

風の仕業                 村木野 惠 この書を、今では病院のベッドで殆ど…

小説「風の仕業」kaze no itazura 2

「風の仕業」について、誰が書いたかものか知らないですが、当時Amazon.comにいわゆる帯文が出…

小説「風の仕業」kaze no itazura 3

3 私の現在の生活環境は、奈良の郊外の「借景」のある、割と閑静な場所にあり、子供が通…

小説「風の仕業」kaze no itazura 4

         4  確かに父と妻は折り合いが悪かった。どこの家庭でもある嫁と舅の軋轢…

小説「風の仕業」kaze no itazura 5

5  「先生、実はあの…….。」ある日、原稿を受け取りに来ていた樋口女子、とは云っても、私…

小説「風の仕業」kaze no itazura 6

6  「私?」 私がサラリーマン生活に終止符を打つ少し前のある日、私が家に帰るといきなり妻…

小説「風の仕業」kaze no itazura 7

 7  「あなたは?」そう彼は私に聞いた。  ある日曜日に「遂に」私は「ストーカー犯」である彼と、向き合うことになった。彼の携帯電話が分っていたので、まずそれに電話して会うことになったのだ。  彼は通常の声で名を名乗って応答した。  私のやり口はもちろん暴力団が女性をダシによくやる手口の美人局ではない。しかし私が彼女と付き合っている者であるということをはっきり云ってやった。決して脅している訳ではなかった。もちろん私も自分の名を名乗った。彼がどういう心境なのか私には分らない

小説「風の仕業」kaze no itazura 8

8  私はついに彼女に再会した。それを私は強く長く待ち続けていたのだろうか。 彼女からの…

小説「風の仕業」kaze no itazura 9

9  その後私は雑誌の取材で半月ばかりを海外で暮らした。ひとつはニューヨークのロァ・マン…

小説「風の仕業」kaze no itazura 10

 10(最終章)  十二月に入って私は彼女を電話で呼び寄せ、梅田の紀伊国屋書店横のビッグマ…