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10年経ったリノベ住宅の佇まい【総論】|建築家が設計した住まいの10年目レポート

中古マンションのリノベーションなので、
・構造は不問
・断熱は脆弱かも
・設備などの制約はある

は一般的な見解を持っていました。

それを踏まえて、
・風が通ること
・経年変化が感じられる素材感
・当初夫婦共働きの住まいだったため日中はいない

などを考慮して、物件選びと設計を行いました。

あと、ほんの少し、建築やってる人っぽさを出したかったw
(→結局は、思いとどまりました。そんなヨコシマな内容は追って)

ざっくりとした建物や仕様の概要です。

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【場所】大阪市内
【構造規模】鉄骨鉄筋コンクリート造10階(10階の一部)、
      築30年(※当時)
【面積】約80㎡
【間取り】2LDK(既存の間取り:4DK)※概ねワンルーム
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【床】無垢フローリング(オーク、無塗装)、構造用合板、畳、
   ビニルタイル、磁器質タイル
【壁】ビニルクロス、木毛セメント板、ラワン合板、黒皮鉄
【天井】ビニルクロス
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【造作家具・建具】下足入、洗面化粧台、本棚、食器棚、その他棚、
         各種ドア、障子
【住設機器(既製品)】システムキッチン、ユニットバス、洋便器、洗面器
【照明器具】ダウンライト、間接照明、ペンダントライト
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戸建の新築ではなく、
マンションのリノベーションといえども、
長年住まうことを前提としていましたので、
流行などを感じながらも普遍的な考え方で
それなりにしっかりとした素材や家具のしつらえを行いました。

そのおかげかどうかはわかりませんが、
10年経ったいまもリノベーション当初と
そんなに変わらずの佇まい
です。
劇的なストーリーでなくてすみません、って感じです。

とはいえ、10年経っているので変化はあります。

素材や設備に関しては経年変化経年劣化

住まい方については、年齢を重ねたり、家族が増えたり減ったりによる
ライフスタイルの変化があります。

それぞれの変化については追ってクローズアップしてお伝えしますが、
全般としてこんな変化がありました。

・リノベーションして数年後に子どもが生まれ、床材を変えた
・断熱の脆弱さによる結露およびそれによるダメージ
・部分的なクロスのはがれやサビや傷

概ね想定内でした。

そういう思いで設計していたということもありますし、
自分の家ということもあり、
「これでいい」「そういうもんだ」
という許容する心があったといってもいいかもしれません。

「これでいい」と決断して「そういうもんだ」と納得している
という思い切り(割り切り?)は意外と大切です。
特に住宅では。
この感覚が住まい手の「らしさ」が一番表れているものなんです。

こういう交通整理は案外、
第三者が入った方がうまくいくことが多そうです。
つくりかたから考えるではない設計事務所が
リノベーションに関わるメリットですね。

もとい、そんな空間を舞台として
生活の中では事件はそれなりにありました。

・子どもがまさかの箇所でけがをした
・コロナ禍による家族全員総SOHO化の対応

これらはすべて想定外だったですね。

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これが10年間での空間の変遷【総論編】でした。

次回から各箇所や出来事ごとに各論をお伝えしていきたいと思います。


【追伸】

先日、文具好きが高じて、サクラクレパス「PIGMA」
愛用者インタビューに載りました。

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