Art of Communication 田中慶子

英語コミュニケーションの術(art)習得を応援する同時通訳者、Art of Communication 代表… もっとみる

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英語コミュニケーションの術(art)習得を応援する同時通訳者、Art of Communication 代表の田中慶子のブログです。https://artofcommunication.work

最近の記事

「好きなんだけど合わない」って、英語でなんて言う? 

「飲みたいけど、やめておく」 レストランなどで食事をしているときに、 「ワインは好き?」 「好きなんだけど、やめておくわ」 というような会話を耳にすることがあります。 そんな場面で英語では、「I like wine but wine doesn’t like me.」という言い方をしたりします。 I like wine.(私はワインが好き) But wine doesn’t like me.(でも、ワインは私を好きではない) まるで、片思いしている相手のことを話し

    • 知らなくても意味が分かる英語表現6

      今日は、知らなくても意味が分かる(かもしれない)英語表現、英語のメタファーの話です。メタファーというのは隠喩表現のこと。そのものズバリを説明するのではなく、比喩を使うことで相手がイメージしやすい形で伝える隠喩表現3つをご紹介します。 Look over one's shoulder 一つ目は"Look over one's shoulder" 直訳すると、「〇〇の肩越しに見る」。通常、この〇〇は自分自身のことです。「自分自身の肩越しに見る」ということは、「背後を見ている

      • 【ニュースの英語】動詞としても使われる名詞の言葉

        ニュースに出てきた面白い表現 先日、フィナンシャルタイムズのポッドキャストを聴いていたら「Putin breaks his silence on Prigozhin(プーチン大統領がプリゴジン氏について沈黙を破る)」というニュースが出てきました。 "Prigozhin(プリゴジン)"は、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者で、6月に反乱を起こした後に亡命。その後は一時行方不明になったものの生存が確認されていました。8月23日に乗っていたジェット機が墜落して死亡したという

        • 【日常会話の英語】質問したいときの英語表現

          質問するときに何と切り出す? 英語で何か聞きたいときに、失礼な印象を与えたら申し訳ないと躊躇してしまうことってありませんか?実は、私が英語もほとんど話せないまま海外暮らしを始めて困ったのが、まさにこれです。何かを質問したいときに、どう切り出せばいいのか分かりませんでした。 日本語の場合で考えてみると、唐突感を避けるために質問の前に「前置き」をすることに気づきます。例えば、「すみません、ちょっとお尋ねしたいんですけど」とか、「お伺いしてもいいですか」とか。本題に入る前に、

        「好きなんだけど合わない」って、英語でなんて言う? 

          質問力のヒントになる英語表現

          質問してるだけなのに、、、 通訳をしていると、質問が「質問」として受け取られていない場面に遭遇することがあります。 上司と部下など、力関係が不均衡(どちらかが圧倒的に強い立場)な場合に起こりがちな現象です。 外資系企業で、本社から「偉い人」が来日しての会議となると、立場の違いに加え、言葉が通じない状況に恐れの気持ちが起こりやすくなるようで、上司にあたる外国人の質問に対して、受け手が不必要に萎縮してしまうことがあります。 「理解したいから質問してるんだよ」というフレーズ

          質問力のヒントになる英語表現

          【コーチング】相手の思考の整理を促す質問

          コーチングの要は質問力!  私は同時通訳の他に、コーチングという仕事をしています。コーチングというのは、会話をすることでクライアント(コーチングを受ける人)が頭の整理をして自分で答えを見つけるサポートをするものです。  思考の整理の鍵となるのが、質問力です。コーチングの効果は、質問の仕方によって決まるとも言えるほどです。 効果的な質問 では、どんな質問が効果的なのでしょうか。 まず一つ目はOpen Questionと呼ばれる”yes”か”no”では答えられない質問で

          【コーチング】相手の思考の整理を促す質問

          「また仕事したい」と思えない人の特徴〜"attitude problem"

          依頼する側になって分かった意外な事実 フリーランスにとって、「また仕事したい」と思ってもらえるというのは、とても大切なことです。その道のプロとして生きていくためには依頼がないと話にならないわけで、一度仕事をした相手にリピートしてもらえるかどうかは死活問題です。  私が駆け出し通訳としてフリーランスになったばかりの頃は仕事のたびに「クビになるのではないか」「力不足で二度とお声がかからないのではないか」などと、いつもビクビクしていました。 それが最近は、仕事を依頼されると同時

          「また仕事したい」と思えない人の特徴〜"attitude problem"

          訳しにくい言葉〜hindsight

          ピッタリした訳語が見つからない言葉 通訳していて訳しにくい(けれどよく出てくる)言葉の一つに"hindsight"があります。辞書をひくと「後知恵」などの日本語訳が出てくる単語です。 決めたことに対して、後になってから「こうするべきだった」「こうしておいた方が良かった」と思うことは人生において、ときどき(いや頻繁に?!)あるものです。当然ながら、私たちが物事を決めるとき、その判断がもたらす結果までは分かりません。判断したときには想像もできなかった展開となったり、決めた時

          訳しにくい言葉〜hindsight

          「朝型」「夜型」の英語表現

          朝型に戻りたい コロナ禍で唯一「良いこと」があったとしたら、朝型生活を送れていたことかもしれません。ステイホームの生活では、友達と会ってご飯を食べていたら、ついお喋りに興じて夜更かししてしまうようなこともなく、早寝早起きの健康的な生活でした。 今は自由な生活が戻ってきたのは本当にありがたいのですが、だんだんと生活サイクルが夜型になってきてしまっているのが最近の悩みです。 「朝型」「夜型」は鳥で表現する?🐔🦉 ところで、「朝型」「夜型」は英語ではどんな表現になるのでしょう

          「朝型」「夜型」の英語表現

          「そのまんまじゃん!」な英語表現

          英語でもそのままな表現 「世代間ギャップ」は英語では”generation gap.” Generation(世代)+ Gap(ギャップ)と、日本語をそのまま直訳した表現で通じます。そもそも「ギャップ(gap)」はカタカナ英語なので、それほど不思議ではないですね。 ただ、こんな風に日本語と英語で同じ言葉を使って事象を表現するということは、言語や文化が違うにも関わらず、状況の捉え方が同じであるということでもあり、見つけると何となくウキウキしてしまいます。 つい先日も、以前

          「そのまんまじゃん!」な英語表現

          寂しい時に一緒にいる人

          大切なのは距離感 SNSのおかげで、ずっと音信不通になっていた友人と連絡が取れたという経験をお持ちの方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。私も、もう何十年も連絡を取り合っていなかった学生時代の友人からSNSを通して突然連絡がきて繋がることで彼らの近況を知ることができたということが何度もありました。私のようなズボラな人間にとっては本当にありがたいものです。 ただ、SNSは中毒性もあり、不必要に頻繁にチェックしてしまったり、特に目的もなくボーッとSNSを眺めることに時間を

          寂しい時に一緒にいる人

          体調に関する英語表現

          「具合が悪いんです」と言わなくてはならないとき 体調についてコミュニケーションしなくてはならないというのは、殆どの場合は「良くない」ときです。元気でいるのが一番ですが、体調が悪いときには仕事を休んだりスケジュールを変更してもらったりと、自分の体調が良くないことを伝える必要が出てきます。 そんなときによく使う表現が、"I am not feeling well"です。"not feeling well"(気分が良くない)ということで、「体調が優れない」「気分が悪い」というこ

          体調に関する英語表現

          やっぱり訳しにくい言葉〜"work"

          シンプルな言葉なのに・・・ "work"という英単語を習ったのは中学生の頃でしょうか。 英単語のなかでも比較的なじみがある言葉だと思います。 しかし、通訳をしていると、この"work"という単語は「訳しにくい💦」と感じることが多いのです。 「働く」「仕事をする」という意味の他にも、いろいろな使われ方をします。意味そのものはそれほど難しくもないのですが、いざ「訳す」となると、いちいち適切な日本語を考えなくてはならないため通訳にとっては少し厄介です。 "work"のいろい

          やっぱり訳しにくい言葉〜"work"

          ちょっと分かりにくい英語表現

          状況を想像しても分からないメタファー 英語の会話にはメタファー(隠喩)の表現がたくさん出てきます。一瞬「なに??」と思ってしまうこともあるのですが、状況を想像したりしてみると意味が分かるものも多く、以前にそういった英語のメタファーを「知らなくても分かる英語表現」としてご紹介しました。 ただ、メタファーの中には「これは知らないと分からないだろうな」と思うものもあります。今回は、ちょっと分かりにくい英語のメタファーを集めてみました。 空に浮かんだおいしいもの? Pie i

          ちょっと分かりにくい英語表現

          「締め切り」に関する英語表現

          考えてみたら、ちょっと怖い表現 「締め切り」と言えば、英語だと"deadline"と言いますが、改めて考えてみると"dead"(死)の"line"(線)ということで、ちょっと怖いです・・・。 語源を調べてみると、"deadline"という言葉は1920年ごろにアメリカの新聞業界で使われていた"jargon"(業界用語)だそうです。それ以前では、南北戦争時代の1864年に"do-not-cross"line(絶対に超えてはならない線)という意味で、"deadline"という

          「締め切り」に関する英語表現

          “Judge”と”Decision”の違い

          似て非なる二つの言葉 「決める」「判断する」というときに使う言葉に”Judge”と”decision”があります。この二つの言葉は意味こそ似ているけれど、ニュアンスは全く違います。 "Decision"という言葉を分解してみると、「離れる、なくす」という意味の”de-”に、「切る」という意味の”cis”、「こと、もの」を表す”-ion”で成り立っています。何かを切り離すということは、残すものを決める行為でもあることから、”decision”は「決断、判断」などの意味で使わ

          “Judge”と”Decision”の違い