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中国の地方都市で日本人が働くということ

ぼくは今 中国の「寧波」という田舎街に住んで、仕事をしています。
(上海から新幹線で約2時間の場所にあります。↑写真は寧波の中心部の様子です。)

今日はぼくの経験をもとに「中国の地方都市で日本人が働くこと」について、ぼくなりの考えを書きたいと思います。

「中国の地方都市」という表現をしていますが、中国に限らず、他の外国の地方都市でももちろん当てはまる内容ですので、「『海外』の地方都市で働く」と読み替えてもらってもOKです。

●早速、結論を

「中国の地方都市で日本人が働くこと」はチャンスしかありませんし、ライバルがとにかく少ないので、かなり目立てて活躍できるので全力でおすすめします!!
というのが、本日お伝えしたい最大のポイントです。

本当は、この内容をぼくは書きたくなかったのです。
だって、このことに多くの日本人が気づいてしまうと、今のぼくの希少性が薄れてしまいますから笑
(かなり度量の小さい発言ですが笑)

しかし、日本の若い世代の方に「中国の地方都市で働くこと」に挑戦してほしいなと思い、今日はあえてこの内容に触れていきます。

●中国の地方都市ではオンリーワンを目指しやすい

ぼくはコロナ禍で日本と海外との自由な往来が制限されてしまったので、仕方なく寧波に拠点を移しましたが、それまでは東京を拠点にして仕事をしていました。

東京を離れてあらためて思うことは、「東京ってビジネスをする上では競争が激しかったな」ということです。

東京には多くの企業があるので、便利なことももちろん多いのですが、ライバル企業も多くなるので、その中で勝ち残っていくには、相当の企業の実力が必要になります。

その点、「寧波」はどうかというと、「寧波在住の日本人」の数が少ないので、必然的に東京よりもはるかにオンリーワンのポジションを築きやすいです。

●中国最大都市の「上海」との比較

外務省が発表している最新(2020年10月1日現在)の「海外在留邦人数調査統計」では、「上海」に定住する日本人は「約4万人」。

「寧波」に関する情報は外務省発表統計にはなかったので、寧波政府に確認したところ、現在定住している日本人は「150人」ということ。
つまり、下記のような状況が生まれています。

・上海:総人口2,500万人、内日本人:40,000人
・寧波:総人口940万人、内日本人:150人

この数字を見ただけでも、寧波のほうが目立ちやすいということは明からですよね。

補足すると、
上海は東京以上に全世界から企業が集まっているので、上海にいる日本人の中で目立つこともハードルが高いですが、さらに上海でワールド企業と競争して勝ち抜いていくのは相当難易度が高いです。

わかりやすい例をご紹介します。

中国では「日本料理屋」は全体的に人気があります。
上海には数多くの日本料理屋が存在していて、激戦区になっています。

ぼくが住む「寧波」でも、日本料理屋は人気があり、上海ほどではありませんが日本料理屋を多く見かけます。
しかし、「日本人」大将が料理している日本料理屋は寧波ではなんと「1件」しかありません。

これってオンリーワンのわかりやすい例で、なんとも強いストロングポイントですよね。

ご夫婦でお店を切り盛りされていて、日本の味付けを楽しめるお店で、日本人だけでなく、現地の寧波の中国人も多く来店しています。
↓日本風の甘辛い味付けをした「牛すじどて煮」を食べれるのは寧波ではこの大将のお店だけです。

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●どうやってオンリーワンのポジションを見つけるか

ぼくの経験上の感覚ですが、
「日本の良さ」や「日本人の強み」が活かせる業界・分野で仕事をすることがまずは近道だと思います

中国をはじめ、海外で人気のある「日本のコンテンツ」関連の仕事をする、なんていいですよね。

私がパッと思いつくのは、
『日本食、日本酒、漫画、アニメ、ゲーム、医療機器、薬、化粧品、紙おむつ、文房具、老人ホーム・ホテル等の細やかなサービス』といったところですね。

こういう業界・分野で仕事をすれば、「日本の良さ」や「日本人の強み」が生きるので中国の地方都市ではオンリーワンを目指しやすいと思います。

この業界・分野で働いていないので、じゃあ転職したほうがいいですか?と言われそうですが、そういう方はぜひ次のセンテンスを参考にしてください。

●中国人と同じ土俵で競争しない

せっかく「中国の地方都市」で日本人としてオンリーワンの状態になったのに、中国人の同僚と同じ土俵で競争していてはダメです。それでは実質的なオンリーワンではないので。

中国で仕事して、中国人と競うのは、勝てる確率が非常に低いです。それは「言語の問題」、「文化・商習慣の理解力」、「中国内でのネットワークのあきらかな差」等があるからです。

なので、中国人同僚と「違った土俵に立つ」、「競争しない」ということを意識することが大切です。

すなわち、中国人と日本人の働き方や考え方、仕事の進め方の違いを理解して、ここに日本人の利点を生かすということです。

具体的な話をします。

中国では、仕事のスピードがとにかく速いです。
これはボスの決断スピードが速いこと、細かな資料等を作成せずに現場合わせで仕事を進めていくこと、が要因です。

その反面、細やかな仕事というのは、中国人は苦手にしている傾向にあります。

そこで、日本人の特徴である、「細やかな仕事」、「丁寧な仕事」は中国では重宝される場面があります。

例えば、「緻密な事業計画をExcelで作成すること」や、「販促施策の結果を分析し資料を作成すること」等の業務は日本人に部がある領域です。
なので、これは◯◯さんしかできないよな、と周囲から思ってもらえたら、こっちのもんです。

こうやって、その会社の中で◯◯さんしかできない仕事を勝ち得ていくことも、オンリーワンに繋がる手法ですね。

余談ですが、
「小山ロール」で有名な「エスコヤマ」のオーナーパティシエ小山さんが、
だいぶ昔に「カンブリア宮殿」で、「丁寧なことができることは日本人の特徴。だからそれを最大限に活かせ。」というニュアンスの話されていたことを、ぼくは強烈に覚えています。
それから「丁寧に仕事すること」をぼくは意識しています。

●中国のどこの地方がオススメ!?

中国は「1線都市」「2線都市」・・・といった感じで、経済発展の状況に応じて都市をランク分けしています。
(※政府が正式に発表しているものではなく、各企業が発表しているものなので、各社によってランク訳が異なりますが、概ね同じようなランクになっています。)

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「1線都市」が最も経済発展している都市で、言わずと知れた「北・上・広・深」の4都市ですね。
この4都市はどこも日本人が多く、競争が激しいので、ぼくはオススメしません。

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「新1線都市」や「2線都市」の中で、日本人の少ない都市を狙うことがぼくのオススメですね。
ここに記載の全ての都市に行ったことがあるわけではないので、一部しか把握できていませんが、太原、南昌、合肥、徐州、蘭州等は日本人が少ない都市なので、狙い目かも!?

3線都市以下になると、地下鉄もまだ開通していなかったり、インフラが整っていないことが多いので、生活のことを考えると、あと2-3年は待ったほうがいいかもしれませんね。

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●まとめ

「中国の地方都市で働くこと」はチャンスが多い、ということをお伝えしたくて、今日はぼくの考えを書いてみました。
別に中国じゃなくてもいいので、外国の地方都市で働くことに少し興味を持ってもらえたら嬉しいなと思っています。
次は「地方都市での生活編」をお伝えしようかな。

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