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よりみち読書録

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#読書の秋2020

風土、とアフォーダンス

和辻哲郎の風土を読んだ。これはアフォーダンスのことを言っているのだなと思った。

よくある話であるが、人間は道具を使うことで体を拡張しているのだというようなことを聞く。例えば、杖をつくというのは手を延長しているようなもので、杖の先に自分の手の感覚が次第に結合されていく。しかし、そういったことはなぜ可能であるのかと考えると、これがなかなか難しい。

私たちが歩けるのは、足があって、それを随時動かして

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関係性による実在 数学と仏教

遠山啓の無限と連続という本を読んでいる。

この本で途中から出てくる抽象代数学、というものの発展の仕方が、とても面白かった。というのも、なんだか禅宗の文脈で出てくる、空から縁起へ、という流れに似ていたからである。

少し話は飛ぶが、僕が受験生の時に河合塾の直前講習のようなものを受けたことがある。そこの英語の授業で講師の方が言っていたことで唯一覚えているのが、「人間の思考の本質とは、比較である」とい

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