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人生いろは 『ろ』 露骨

いろはの2番目は『ろ』です。 ろで始まる言葉で一番先に思いつくものはなんでしょう? 私は『老化、老後』『労働』『論理的』です。 どれも、硬いトピックです。 特に『老』は私の年がその域にはいっていて、思うものがたくさんあるんです。 でも、書き始めの題材にしては、重すぎるので次回にします。
今日は『露骨』と言う言葉から入ってみたいと思います。『露骨』とは、「欲望や感情などをかくさずに、むきだしにしていること。包み隠さない様。あからさま。
言葉の印象はあまり良いものではないですよね。 
でも、違う観点から見ると、本当に自分の気持ち、欲望を表さないって、良いことなんでしょうか。 それって、自然なんでしょうか。
赤ちゃんや小さい子供は、お腹がすいた、お尻が汚い、あれが欲しい、眠い、、、、とベーシックな感情を泣いたり、叫んだりして表現します。 それは、露骨とは言わない。でも、大人になってそれをすると、マナー違反、露骨な感情表現になる。不思議です。
武士道を美とした、あからさまな感情を表に出さないというのが日本の社会の美学にです。私たちは、その枠でそれが自然なことと育ってきていて、感情表現には限界を要求され、それが当たり前になっていると思います。でも、露骨かどうかは、その感情を受け取る側の器なんじゃないかなと最近思いはじめているんです。 
話は飛びますが、SNSで使う『絵文字』は世界中で使われています。海外では『EMOJI』と呼ばれています。 日本が発端なのでしょう。 感情表現の社会限界を上手に飛び越える手段。 日本人らしいイノベーションです。
と言うわけで、私たち日本人は、大人になるにつれ、露骨に感情を顔にだしたり、言葉に出したりしないでコミュニケーションをとることが当たり前で、空気を読むとか、相手の心を察することが要求されています。
日本人は外国で、とても評判がいいです。 お行儀がよく、まわりを尊重し、規律正しいから。ただ反面、海外に長く住んでよく言われることは、「日本人は何を考えているかわからない」です。会話には絵文字がないですから。 顔や言葉で表現しなくちゃいけないのに、その習慣がないからでしょう。それで、海外の方たちはどうしていいのかわからない、と言うのが実情でしょう。
ここで提案です。 自分のまわり、それが、パートナー、親友・友達、仕事仲間、子供、それぞれ範囲は異なっていいと思います。 自分の感情、気持ち、欲望を出してみるのはどうでしょう。 
「どれがいいですか」と聞かれたら、「どっちでも」じゃなくて、「これ」。
「なんでも」じゃなくて、「〇〇」。 「まあ」じゃなくて、「とても好きです、または、あまり好きじゃないです」。 言葉で表現する習慣をつけると、コミュニケーションが端的にスムーズになり、憶測で動かなくてもよくなります。
欲望を表現するのはとてもむずかしいですよね。 あれが欲しい、これがしたい。相手の気を害したらどうしよう。 特に、パートナーや新しい友人と出会った時、 相手はどう言う答えを期待しているのだろうか憶測して、自分の気持ちに衣をかぶせて答えてしまう。
好きな人にであって、一緒に住んで生活を共にする。最初は心がドキドキしてなんでも新しくて楽しいですよね。 でも、お互いに違う環境で育ってきた上、全く違うDNAを持っているわけで、「あれっ」て思うことありますよね。 最初は一緒になったうれしさであまり気にならないんですが、生活共にしていくと、それぞれの考え方も変わってきます。 でも、最初から表現する習慣がなくて、察する関係だったので、「私の相手はこうだから」きっとわかってくれないし、言っても無駄と勝手に決めて話さない。そんなことってありませんか。
ジューシーな事になりますが、例えばセックス。 最初はお腹の中の蝶々がムズムズしているので、何をしても興奮するし気持ちいい。 でも、時が過ぎるにつれ、「それって、気持ち良いわけじゃないんだけど、、、、ちょっと違う触り方して欲しいな、もっとここなんだけど、、、、」 でも、言えないし、もういいや。 もし、露骨じゃなくてもちゃんと表現していたら、素敵な時になっているんじゃないかしら。 生物が性を営むのは子孫繁栄のため。 でも、セックスで快楽を得るのは人間だけなんです。(イルカもそうだという説ありですが)。 折角与えられた快楽、楽しまない手はないですよね。 それに、セックスを楽しむことは、二人の繋がりがより深くなるということだと、私は思うんです。 露骨に表現するんじゃなくても、上手に相手に自分の快感を知らせて、自分たちを幸せにしていきたいですよね。
ジューシーな話を書いてしまいましたが、私の言いたいことは、自分の心の中の考えや感じたことって、表現しなければ相手には伝わらない。 相手に察してほしいと期待して、フラストレーションを感じるより、より上手に正直に自分の内側を相手に知らせる方がもっと人生楽しくなるんじゃないかと思うんです。 露骨にじゃなく、自然に。人生を楽しく、エキサイティングに生きていきたいです。

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