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あなたにとって花は何ですか

花屋の仕事をしている人から、
「(あなたにとって)花って何ですか?」
って聞かれたんでココに書き残します。

花は『美の象徴』だと思う。
僕は花が咲き散るさまに、生への甘美さと死の儚さを感じる。
特に日本人は昔から、うつろうものや、儚いものに美しさを感じていたので、
桜や沙羅双樹など、散るさまが美しい花に特別な美しさを感じているふしがある。
だから花は『生と死の象徴』でもある。

そしてもう一つ、花は『共生の象徴』でもある。
人にとって花は、主な食べ物にもならず、衣服の素材になる事もなく、家や家具を作るのにも使う事ができない。
そういった、いわば無用だと思える花を、人はなぜこんなにも好み、愛するのだろう?
そう考えた時、きっと人も『花とミツバチ』のような生存的な共生ではないけれど、
文化的な共生関係を結んでいるのだろうなと。
人にとって花とは、人が人である理由であり、知識による論理的な判断を超越した判断を生む事によって、人類が自ら絶滅する事を防いだモノとも言える。
そして人類が、花との共生を選んだ生物だからこそ、人は美や芸術をこよなく愛する。
愛する事以外、何の役にも立たない美や芸術を。
美や芸術は、人間が花との共生関係を選んだからこそ生まれた、花の象徴に思う。
そして、花も人間と共生関係を結んだからこそ、街には今日も花が咲いている。

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