マネジメントとは何かについて、ドラッカーが語る7つのこと。
経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォーム「KEIEISHA TERRACE」。「スペシャルコラムドラッカー再論」では、ドラッカーは何を見、何を伝えたのか、私たち、実務経営者にとっての「実践的ドラッカー論」について、再考・熟考・使い熟しをしています。
「マネジメントとは何か。諸々の手法と手品の詰め合わせ袋か。それとも、ビジネススクールで教えるように、分析道具のセットか。」(『チェンジ・リーダーの条件』、2000年)
もちろん、道具としてのマネジメントも重要だとドラッカーは認める。それは例えば、医者にとって聴診器や解剖学が大切であるのと同様に。
「だが、マネジメントの進化とその歴史、すなわちその成功と失敗の数々は、マネジメントとは、何にもまして、ものの考え方であることを教えている。」(『チェンジ・リーダーの条件』)
第一に、マネジメントとは、人間に関わることである。
「その機能は、人が共同して成果をあげることを可能とし、人の強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。これこそ組織の目的である。」(『チェンジ・リーダーの条件』)
したがって組織の成功にとって、マネジメントは決定要因である。
事業収益を上げることはもちろん、社会に貢献するにしても、個人の技能、献身、努力だけで実現できるものではない。彼らが属する組織のマネジメントの如何にかかっている。
第二に、マネジメントは、人と人との関係に関わるものであり、したがってそれぞれの国、それぞれの土地の文化と深い関わりを持つ。
「マネジメントは、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本、ブラジルのいずれの国においても、同じ役割を果たすが、その方法は大きく異なる。」(『チェンジ・リーダーの条件』)
マネジメントが直面する基本的な問題の一つは、自らのマネジメントに組み込みうる独自の伝統、歴史、文化を判別することだとドラッカーは言う。
第三に、あらゆる組織がその成員に対し、仕事についての共通の価値観と目標を持つことを要求する。それなくして、そもそも組織は成立しえない。単に人の群があるだけだ。
「したがってあらゆる組織が、人を結集できる単純明快な目的を持たなければならない。組織の目的は、包括的かつ明確なものでなければならない。そこから従業員一人ひとりが、共通の価値観をもつことができるものでなければならない。」(『チェンジ・リーダーの条件』)
もちろん組織の目的から出てくる目標も、明確でなければならない。周知徹底し、常時確認しなければならない。マネジメントの責務は、これらの目的、価値観、目標について検討し、決定し、組織の成員に示すことである。
第四に、マネジメントは、組織とその成員を成長させなければなら…
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