サッカー選手は最大スピードで走る機会が少ない
サッカー選手は最大スピードで走る機会が少ないです。
考えてみるとかなり少ない、あるいは練習の中ではほとんどないチームもあるのではないでしょうか。
今回は短く、個人的な考えを書きました。
■サッカー選手は最大スピードで走る機会が少ない
最大スピードに達するには、仮に静止状態からのスプリントであれば30m以上を要します。
動きながらのスプリントであれば、その最大スピードの達するまでの距離はより短くて済みますが、それでも一定の距離が必要です。
これをサッカーのトレーニングの中で行うには、そのような状況が起きる設定のトレーニングでなければなりません。
しかしこれはパス&コントロール、ポゼッション、スモールサイドゲームといったトレーニングで設定することが難しいでしょう。
これらのトレーニングでは、ショートスプリントや方向転換は頻発しますが、最大スピードに達することはほぼないと言ってもいいと思います。
またピッチの使用条件に制限がある場合(反面しか使えない など)より最大スピードでのスプリントの機会は減ります。
スペースがなければ最大スピードに達することは難しいからです。
通常のサッカーの練習の中で最大スピードに達する機会があるとすれば、フルピッチを使用したゲームくらいではないでしょうか。
しかしそのゲームでさえ、戦術・技術的な側面との関係やポジション・個人の特性などの側面から、最大スピードに達するかどうかはっきりしません。
「ゲームですら最大スピードに達することがほとんどないのであれば、そもそもそこを要求する必要ないんじゃないの?」
こう考えることもできます。
しかし、前回記事でも書いたように、サッカーではスプリント、それも最大スピードに達するようなロングスプリントが決定的な局面を作り出すことがあります。
また最大スピードの向上により、通常のランニングスピードで走った時の負担が相対的に低下し、スピードの向上が持久力の向上に繋がると考えられます。
また最大スピードの向上がショートスプリントのスピード向上にも繋がるでしょう。
練習の特性上、最大スピードで走る機会が少なくなってしまうサッカー選手ですが、実際にゲームの中では要求されることの一つであり、決定的な局面を作り出す可能性のあるものの一つです。
その機会を確保して、トレーニング効果を出していくことは非常に重要だと考えています。
■最大スピードで走る機会を作る
サッカーのトレーニングの中で確保できないものを、フィジカルトレーニングで補完しよう、というのはこれまでも述べている考え方です。
まずはサッカーの練習の中でできないか?を考え、そこからフィジカルを切り取ったトレーニングを考えることが健全だと思います。
今回で言えば「最大スピードを発揮する」がサッカーの練習の中で難しいのであれば、それをフィジカルトレーニングで補完していくことができるはずです。
そしてその手段として何度も紹介している、スプリントトレーニングがあります。
ボールを使ってはいますが、スプリントを目的としたこのようなトレーニングを行っているチームはトップカテゴリーでも多いです。
依然として「走る」トレーニングは中長距離の持久走やであったり、高強度インターバルトレーニングであったりと、「持久力向上」のために走るチームもいいいでしょう。
しかしその機会を減らしてでも、僕は「最大スピードで走る」トレーニングを行っていくべきだと考えています。
そもそも最大スピードに達するだけのスプリントを行う機会が少ない、ほとんどなければスプリント能力は向上させることが難しくなります。
スプリントトレーニングを行うべきだ、と言っているわけではありません。
どんな形であれ、最大スピードに達するだけのスプリントをトレーニングの中で積みかさねていくことが必要ではないか?ということです。
もちろん、負荷のコントロールは必要ですね。
指導者の皆さん、日々の練習ではいかがでしょうか?
日々の練習を振り返ってみて、選手たちはどれくらいスプリントをして、自分の最大スピードを体感できているでしょうか。
■まとめ
今回は知見をまとめるというよりは、個人的な考えを述べさせていただきました。
来週にはゲストライターの九鬼さんによるサッカー選手のスプリントに関する記事を掲載予定です。
スプリントをする機会をつくるとともに、スプリントトレーニングによってその質を高めて行くことは、トップカテゴリーはもちろんですが、育成年代でやっておくべきことの一つではないかと考えています。
今回はここまでです。
ありがとうございました!
ライター
Keisuke Matsumoto
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