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これからの近場リゾートの企画を考える3つのポイント

都農町の最大の観光コンテンツといえば、間違いなく都農ワイナリー

人口減少や経済縮小が進む町において、ワイナリーの丘を近場リゾートとして、町外の人にも来ていただける魅力づくりは必須事項。

現状、インバウンドの道が閉ざされてますが、もともとそんなにインバウンド需要のなかった都農町からすると、逆に、アウトバウンドが減った分の需要代替地に名乗りをあげるチャンスかと思います。

働き方が変われば当然、くらし方あそび方泊まり方の選択肢は増えていくはず。

ワイナリーは
「ワインを愉しむ、ワイン好きのための聖地」
から
地域資源を愉しむ非日常体験好きのための近場リゾート
に再編集していくことが大事かなと思います。

近場リゾートを企画していくうえで、ポイントを3つあると思います。

1. 説明不要で、他にない景色

これは、言うまでもないことですが。。
いつの時代も、国内外どこでも、非日常感に浸れる景色はマスト。

都農ワイナリーはワイナリーからブドウ畑や日向灘を望めます。

ぶどう農園

テントやタープも映えます。

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秋には一面のコスモスだったり

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ワイナリーを囲む森には、子どもたちが大喜びするカブトムシの聖地、昆虫の森

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ワイナリーの森をおりていくと、僕が一番気に入っている「不動の滝」に。
気軽に歩いて、こんなに間近に滝の目の前に立てるとは。。

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2. そこにしかない人とストーリー

ここが肝です。

圧倒的な自然を楽しむ海洋リゾートや山間リゾートと違って、気軽に1泊2日でこれる近場リゾートは、そこに住んでる人や働く人の存在が前提。

「非日常体験」を楽しむのはリゾート共通の価値ですが、近場リゾートの非日常は「人」ではないかなと思います。

日常的に絶対会えないような人と会えて、話せて、一緒に飲んだり食べたりできる体験は「行ってみたい」と思える価値につながるのではと思います。

都農ワイナリーでは、醸造家から直接、畑の土づくりからブドウ栽培、ワインの醸造、テイスティングまで、想いやこだわりのつまった話を聞くことができます。

都農ワインをつくってきた醸造家の小畑暁さんと赤尾誠二さんの、ワインづくりへの想いやこだわりはこちらから。

都農ワインのこだわり「ワインは地酒」。

都農産のブドウ100%でつくることから、ワイナリーツアーでは、畑の土の匂いをかいでみたり、触ってみたり、ブドウ畑を五感で楽しめる企画になってます。

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一般的な、ワイナリーツアーに関するデータを見てみると、訪問する魅力としてブドウ栽培の様子やこだわり、つくり手の熱意が上位に。

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「最近1年間で自宅で飲む機会が増えた酒」の質問に対して、ワインが一番多い答えであったという調査があります。

この1年、リモートワークの普及で、家で飲み始める時間が早くなり、ゆったり愉しめるワインが飲まれやすくなったのでしょうか。興味深いですね。

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ワイナリーツアーを海外事例で比較してみると、日本のワイナリーツアーが格段と安いことがわかります。

都農ワインの醸造家によるツアーで1,500円なので、フランスのテイスティングツアーと比べると3倍以上の開きがあります。

このあたりは、今後の検討課題ですね。

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少し似たデータとして、観光農園を見ると、経営は厳しいものと推測。。

収穫時期もありますし、やはりワイナリーや農園単体を観光コンテンツとして事業化するのは難しいのでしょう。

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世界の人気ワインツアーを見てみると、やはりワイナリーツアー単体というよりは、ランチやディナーの食事付きで、参加費10,000円以上、少人数という共通項がわかります。

今後の企画の方向性として、飲食や宿泊とのセットが必要ということです。

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3. 地元の人も楽しめるリゾート

いまの都農ワイナリーの課題は、丘の上にあるので車で行くことがほとんどで、当然ながら運転すると飲めないため滞在時間が短くなることです。

解決のためには、駅や主要地点からの送迎か、宿泊施設をつくるか、が必要になってきます。

宿泊施設については、都農町でもう何年も検討がされてきているようですが、ワイナリー専用のホテルで考えると、国内でも一握りの事例しかなく、ホテル単独で採算をとるのは難しい市場規模です。

採算をとろうとすると、少ない室数で高額に、一握りの富裕層向けの企画にあるかと思います。

本格的なリゾートとなると、「圧倒的な世界観」「日常を封鎖した非日常空間の演出」が不可欠です。

都農ワイナリーとしては、もちろん富裕層大歓迎!さらに、東京の若手経営者や、発信力のある人たちには一人でも多く体験しにきてもらいたいところです。

ただ一方で、これからの近場リゾートとして考えると、もう少し若めの客層や近隣ファミリーまで範囲を広げて、いろんな過ごし方をしてもらいたいところです。

地元の人や、子どもたちやお酒を飲めない人も気軽に遊びに行けたり、旅人と地元の人が交流できる、健康的なカオス感もあっていいと思います。

緊急事態宣言で延期になってしまいましたが、上記の趣旨で、昨年末、地元の人も楽しめるバルーンスクリーンによる映画上映会を企画してました。

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シェフを招いて、都農ワインとフレンチを楽しむとか

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以前、ご紹介したバーベキューや星空観望、キャンプサイトなどは、ぜひ設備的にも充実して、アウトドアファンも呼び込みたいところです。

他にも、これまで、単発のイベントとしては数多くワイナリーの丘で開催されてきました。

ただ、残念ながらイベントだと、1回やって終わりで、次につながったり、ワイナリーや町への消費という観点でいくとあまり期待ができません。やや、労多くして益少なしの感ありです。

働き方やくらし方、あそび方、泊まり方が変わっていく中で、近場リゾートとして、都農ワインを中核に据えて、イベントやフェスなどこれまでの集客実績も生かして、地域資源を再編集していく必要があると思ってます。

そのためには、これからたくさんの人たちの想いやナレッジ、資金やハードが結集していかなければできないと思います。ご関心ある人はぜひ!!

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