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【詩】耳鳴りのメロディー

ある日 突然 耳の中で ジーと音が鳴り始めた 加齢による 耳鳴りが 始まったと 思っているうちに それは 原始人の 儀式音楽のような 単調で 土俗的な旋律の 反復となり 男声コーラスも 重なり始めた

それから 次々に 曲が 耳の中で 生まれ プリミティブな旋律が 次第に 洗練されていく どの楽器の音にも 似ていない 音色 聴いたことのない メロディー それを 覚えることも 採譜することも できない ハミングで 歌ってみることも できない 地球の音ではないような 時に 荘厳な 時に 陶酔を もたらすような 旋律が 今も きこえる 

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