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Obdachlose〜オップダッハローゼ・屋根がない人たち〜

私は目が覚めた時、度々、Obdachloseという言葉が頭に浮かぶ。そして、天井や壁を見て「よかった、今日もDachがある」と安堵する。

Obdachlose(オップダッハローゼ)とは、ドイツ語で、ob=上、Dach=屋根、los=無い、e=形容詞の語尾について名詞化、すべて合わせて、"頭上の(に)屋根が無い人たち"。日本語では路上生活者あるいはホームレスと訳される。

これまでに自分がそのような環境になったわけではない。

しかし、いつからか、Dachを確認するようになった。

目覚めてDachがなかったらどんな気持ちだろうか。

Dachは自分をあらゆるものから守ってくれるもの。時にキャンプなどで、真っ赤な日差しが直接顔に当たり目覚めることもある。しかし、突き抜ける青空やキンとした夜空を見上げて解放感を得るのも普段屋根がある場所にいるからである。

おそらく野生動物にとってもそれは同じで、穴ぐらや茂みの中、木の陰、岩の隙間、あるいは互いの体、とにかく何かしらが頭上にあることは安心して、自然界ゆえ安心にも限度があるとは思うが、とにかく安心して眠る上でとても重要に違いない。我が家の愛犬シバも、である。

なので、頭上に何もないという状態は、終わりのない究極の空虚感だと考える。

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