![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/88423180/rectangle_large_type_2_1684204fa3cdaa42ad648b04ac406a0b.png?width=800)
システム思考で、アイデアを「見える化」する
いかに優れたアイデアでも、実現できなければ、その価値は発揮できません。
アイデアを見える化することで、アイデアを共有化して実現性を高めることができます。
システムモデルを使った「アイデアの見える化」の方法を解説します。
頭の中にあるアイデアを共有化する
問題解決やアイデアづくりでは、優れたアイデアが生まれることがあります。
でも、アイデアは頭の中にあるだけでは、その価値を発揮することができません。
いかに優れたアイデアでも、実現できなければ、その価値は発揮できません。
アイデアを実現するためには、やはり協力者が必要です。
「自分たちの目的のために力を合わせて活動する人々」と協力することで、アイデア実現の可能性が高くなります。
どうすれば、うまく協力することができるでしょうか?
考えたアイデアを、協力者と共有する必要があります。
アイデアを共有するうえで「アイデアの見える化」はとても効果的です。
システムモデルで見える化する
システム思考では、考えたアイデアをシステムモデルで見える化します。
![](https://assets.st-note.com/img/1665050130219-m0NcPoFuaC.png?width=800)
システムモデルのつくり方を説明します。
アイデアには目的があります。その目的を機能で表します。
例えば「空気をきれいにする」アイデアを考えたとします。
その場合、機能は「(空気を)きれいにする」と定義できます。
システムモデルは次のようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1665050170425-cRAt4HMepH.png?width=800)
この時点で「システムの内容(中身)」は不明でもかまいません。
機能と対象物が決まっていればOKです。
機能:きれいにする
対象物:空気
これでアイデアが少し見える形になりました。
次は、このアイデアの「効用/ベネフィット」を考えます。
機能の「効用/ベネフィット」は何か?
システムの「空気(対象物)をきれいにする」機能は、どのような「効用/ベネフィット」を提供できるでしょうか?
「システムの顧客」の観点(立場)で考えてみましょう。
システムの顧客とは、システムの購入者、使用者といった人々です。
この時点でも「システムの内容(中身)」は不明でもかまいません。
システムは不明でも、その機能だけに着目して「効用/ベネフィット」を考えます。
【注記】
システム(といったモノ)ではなく、その機能だけに着目する方が、固定観念(思い込み)を外して考えることができます。
(注記おわり)
例えば、つぎのような「効用/ベネフィット」を考えることができます。
「効用/ベネフィット」:快適な空間
![](https://assets.st-note.com/img/1665050314202-xQrXgFCHRQ.png?width=800)
これで、かなり見える形になってきました。
これまでの作業を、プロジェクトの協力者(自分たちの目的のために力を合わせて活動する人々)と一緒におこなうことで、見える化が進みます。
次は、顧客のニーズを考えましょう。
どのようなニーズに応えることができるか?
図3の「効用/ベネフィット」(快適な空間)は、どのようなニーズに応えることができるでしょうか?
例えば、つぎのようなニーズに応えることができるでしょう。
ニーズ:安全・健康に生活したい
![](https://assets.st-note.com/img/1665050386489-pO8yGRa4E7.png?width=800)
「(空気を)きれいにする」機能は「快適な空間」という「効用/ベネフィット」を提供します。
その「効用/ベネフィット」が「安全・健康に生活したい」というニーズを満足させることができれば、システムは必要とされます。
![](https://assets.st-note.com/img/1665050571015-Xrf9x8eYKJ.png?width=800)
上記の作業を、プロジェクトの協力者や関係者と一緒に行います。
システムの機能の「効用/ベネフィット」が、ターゲット顧客のニーズを満足させ、システムが必要とされるという考えが合意できれば、それをコンセプトモデルにします。
コンセプトモデルを共有する
作成したコンセプトモデルを、プロジェクトの協力者や関係者と共有します。
![](https://assets.st-note.com/img/1665050615363-uo5HEgdv6D.png?width=800)
上の図を、システムのコンセプトモデルと呼びます。
システムのコンセプトモデルを作成した後、つまり『システムの機能の「効用/ベネフィット」が、ターゲット顧客のニーズを満足させ、システムが必要とされるという考えが合意された』後に、システムの内容(中身)の検討を開始します。
機能からスタートするシステムづくり
上記の進め方「システムモデル→コンセプトモデル」には、次のようなメリットがあります。
モノ(製品や部品など)ありきではなく、本当に必要な機能を、顧客のニーズから考えることができる
シンプルなモデル図で、協力者や関係者との認識を共有化できる
メンバー全員が同じ認識を持つことで、本当に必要な機能を実現できる仕組み(システム)の開発を効率的に進めることができます。
シリーズ記事
次の記事
関連書籍
※Kindle Unlimited 会員の方は、追加料金なし(¥0)で読み放題です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?