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『甘夏とオリオン』読了

「甘夏」とかけまして、「うなぎ」と解きます。
その心は、夏っぽいけど冬が旬です。

増山実さんの『甘夏とオリオン』読了しました。

甘夏とオリオン https://www.amazon.co.jp/dp/4041089123/ref=cm_sw_r_cp_api_fabc_21E1Fb63GKKJW

落語サークルのメンバーが貸してくれました。

内容が新人落語家の話ということなので、自分も落語を始めたところでもあったことでとても興味を持って読めました。

大阪の駆け出しの落語家・甘夏とその一門に起こる事件。
師匠の失踪、兄弟弟子との確執。
いろんな人がいろんな想いを持って落語に関わっています。
そしてみんな落語が大好きです。

途中、かなりヘビーなテーマになる部分もあります。
現代の世の中の問題点を指摘しているような部分もあり、悲しい話もあります。

落語は軽い感じに笑えるものがほとんどですが、人情もの、怪談ものなど奥がかなり深いです。
軽い感じのものだって、しっかりとキャラクター設定されています。
こういうところもこの本ではしっかりと描かれています。

落語の勉強にもなるところがいっぱいあります。

最後のシーンは、落語のサゲのように伏線が効いていて、笑いの中にジーンと来るものがあるものでした。
芝浜」を初めて聴いた時のような感動です。

もっと生でたくさんの落語を観たい、と思わせてくれました。
やっぱり落語っていいなぁ。

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