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百回の稽古より一度の本番

「上達」とかけまして、「バンザイ」と解きます。
その心は、腕を上げます。

百回の稽古より一度の本番。

やっぱりこれが一番の上達方法です。

久しぶりにたくさんの人の前で落語を披露させてもらいました。
1月24日以来なので、ちょうど5か月ぶりのことです。

自分と縁のある地区だったので、どうしても出ておきたかった場所でもありました。

今日は平日ですが午後から休みを取って出演しました。
ボランティア活動の一環とも言えます。

見に来てくれたのはその地区のお年寄り達、いわゆる「老人会」です。
さらに他地区の老人会代表の方も見に来てくれました。

ずっと人の集まる行事は自粛を強いられており、老人会も活動自粛を余儀なくされていました。

そんな老人会にとっても久しぶりの行事。
お客さんは全員で20人くらいですが、来る方はみんな楽しそうな顔をしています。

他地区の老人会の方は、この落語を自分たちの老人会に呼んだら喜んでもらえるかの値踏みに来たわけです。

これは期待に応えないと、と変なプレッシャーがかかります。

最近はずっと一人で稽古をしていましたが、お客さんの反応を見ながらの本番は全然違うものです。
しかもあまり落語を見慣れていない方々ばかりです。

いよいよ行事が始まり、まずは老人会の代表の方の挨拶。

この方は自分の小さい頃を知ってる方、そんなことも折り込みながら紹介されます。
これはちょっと恥ずかしい
でも、ある意味自分にだけ与えられた美味しい情報です。
今日の出演メンバーは3人ですが、これは他のメンバーにはありません。

まず一人目は若い噺家による「筍」
この噺は短く、10分くらいで終わります。
まあまあウケています。

続いて60代の方の「道具屋」
この方は元々大阪の出身なので、上方落語のイントネーションがネイティブです。
そして何よりも明るく元気な方で、馬鹿馬鹿しい「あほ」の出てくる落語はとても笑えます。
さすが結構ウケています。
しかもこの方、実は初舞台なのです。
いやはや素晴らしい。

そして最後に自分です。
用意していた「マクラ」をほんの少しだけにして、司会の方からの美味しいバトンを引き継いだほぼアドリブで地元ネタを取り入れてみたところ、これがなかなかウケました。

「牛ほめ」本題に入ると、上方弁で落語特有の言い回しもあるので、落語を聞き慣れていない方のため、できるだけ分かりやすいように変更します。
落ち着いてお客さんの反応を見ながら喋ることができました。

こちらの地方はシャイな方が多いので、そもそもあまり大声で笑いませんが、ありがたいことに結構手応えがありました。
地元贔屓だったのかもしれませんが。

それでもまだまだ笑いが欲しいところで笑ってもらえなかったり、セリフを噛んでしまったりと反省するところはいっぱいありました。

どれだけ一人で稽古をしても、一度の本番の方が得るものは多いです。
場数を踏むことが上達への一番の近道です。

やっぱり人前で落語をするのは癖になります。
もっともっと稽古して、たくさんの人を楽しませたいです。
それが自分にとっても「楽しいこと」です。

全てが終わり、何人もの方が控室まで挨拶に来てくれました。

自分が小さい時を知っている方はもちろん、先程の他地区の老人会の方も次に繋がる話を持ってきてくれました。

さらに社会福祉協議会や地元の公民館の方も来て、出演依頼がありました。

ありがたい話ばかりです。
日程が合えばどんどん出たいです。
本日出演した人以外にもメンバーはいますし、サークルの活性化にも繋がります。
もちろんお代はいただきません。
発表できる場所と、できれば着替えられる場所があればいいのです。

田舎の小さな集落の老人会での落語でしたが、これからに繋がっていきそうないい落語会になりました。

そして何より、やっぱり落語は楽しいです!

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