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トレーニングによる暑熱順化が身体に及ぼす影響

(1296文字)
以前、運動時の水分補給をしないことで引き起こされる体温の上昇について書きました。

暑い環境下であったり、トレーニングをしている際中には水分補給が必須であることがご理解いただけたと思います。

今回は、トレーニングによって引き起こされる暑熱順化が身体にどのような影響を及ぼすのかを述べていきたい。

まず、発汗量は汗腺数によって限界が決められると考えています。
運動による発汗は身体の熱を放出することに目的がありますが、トレーニングによって汗腺数が変化することはまずありえません。しかしながら、トレーニング経験を積むと、汗をかきやすくなることを経験する方も多くいらっしゃると思います。
これは、暑熱順化(しょねつじゅんか)によって発汗機能が発達したため、発汗しやすくなった。すなわち、身体が熱くなる環境に置かれることに慣れたということです。

定期的なトレーニングによって暑熱順化が起こり発汗機能が発達すると、まず深部温が低い状態から発汗量を増やすことが出来ます。これは発汗閾値の低下と呼ばれており、急激な体温の上昇を抑えるという利点があります。また、体温上昇に伴って発汗する時にその発汗速度が上昇することで、より早く体熱放散を促すことが可能となり、更に最大発汗量も増加させることが可能です。
これらは自律神経系や内分泌系の変化によって引き起こされます。
他にも、暑熱順化によって汗の成分が変化し、発汗時に損失するナトリウム等のミネラルの損失が少なくなることや、皮膚血管が拡張されることで皮膚の温度が上昇し熱をより放出しやすくなること、循環血液量が増加することで酸素の運搬や老廃物の除去が容易となりより運動パフォーマンスレベルを高めてくれます。

したがって、トレーニングよる暑熱順化は体熱放散の効率化に繋がり、日常生活における熱中症の予防や熱ごもりを防いでくれる要素の一つとなります。
そのため、これから気温が上昇してくる時期ですので、運動などを定期的に行い、暑熱順化をしておくことで気温の変化に負けないことも運動をするメリットのひとつかもしれません。
しかしながら、暑熱順化は運動をしたからといってすぐに起こるわけではなく、1週間~2週間はかかりますし、運動や身体活動を辞めてしまうと元にもどってしまいますので、やはり定期的な運動をしたい所です。


めちゃめちゃ余談ですが、「寒い地域の動物は手足が短くなる」という動物学でいうアレンの法則があります。
やはり、寒い地域だと熱を放散することを防ぎたいので、外を触れる表面積を減らすためにずんぐりむっくりみたいな身体になるらしいです。
また、熱帯地域に住む人たちは手足が長いイメージがありますが体表面積が大きくすることで体熱放散をしやすくしてるのと、汗腺数がそもそも多いみたいで、より熱放散に優れた身体特性をしているようです。

動物って面白いですよね。
後、ベルクマンの法則の体積が大きくなると表面積が相対的に小さくなる考え方がいまいちピンとこないので誰か教えてください。

この辺の記事も面白いので是非!

http://www.dentalpark.net/etc_hana_14.html



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