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水分補給をしないことで起こる体温の上昇について

(915字)
皆さんは運動時に水分や塩分を補給されていますでしょうか。
冬は乾燥しやすく、暖房がついているので体温が上がってしまうと中々下がらないといったことが考えられます。

運動を行うと身体を多くの熱を産生し、その冷却をするための発汗では水分と塩分はかなり多く失われることになります。
水分はおもに血液由来であるために、継続的な発汗は血中の水分を減少させる要因となり、その結果として血液粘度が増加(血液が濃縮)し、血液量の減少(心拍出量の低下によるもの)がみられます。また、これらのことが引き起こされると、皮膚や血管の拡張の抑制作用が働いてしまい、ますます熱が身体から逃げなくなってしまいます。
※ 皮膚血管拡張とは、例えば辛い物を食べた時は交感神経が刺激されて血流が増加し、顔が赤くなったりすると思いますがあれは毛細血管が拡張されることで血流量を増やしより冷却しようとするからです。皮膚が拡張されることで毛穴が開き、より汗の放出がしやすくなります。このような現象を皮膚、血管の拡張と呼びます。

したがって、運動時に水分補給をしないことは身体の深部温の上昇に繋がり、熱中症等を引き起こしてしまうリスクが高くなってしまいます。

また、体液が減少すると枯渇感を大脳が感じることによって水分を欲するように働きかけたり、運動時には腎臓への血液量が低下(血流再配分)し原尿の生成を抑えるとともに、体外へ排出される水分量を減らす目的で抗利尿作用が働きます。
ホルモン等の話をするときりがないのですが、このように体温調節や体液調節には様々な器官が役割を担っていることが分かります。

更に、体重1%にあたる体液の減少で深部温は0.3%上昇するといわれており、3%以上失われると危険な状態になってしまいます。
そのため、適切な水分補給によって血中の水分量を保持することや、汗をしっかりと拭いて皮膚を乾燥させることで汗腺活動を活発化させることが必要となりますので、このあたりの対策はしっかりとしていきたいです。
後は、水分は内臓温を冷やす役割がありますので、直接冷却することで体温の上昇を抑えたいです。

時期や運動時に限らず、意識的に水分補給をして身体に負担のない生活をしたいですね。


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