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筋肥大について(筋サテライト細胞辺りの話)

ボディメイクを行う人にとって、筋肥大という課題は永遠のテーマであると思います。
しかし筋肥大には遺伝的要因やトレーニングを追い込めるかどうかという心理的スキル、トレーニングフォームの正確さ、環境的要因などが深く複雑に絡んでいてどのファクターを重要視すればいいかが分からなくなりますよね。

ただコンテスト出場者や実績のある人を見ていると学生時代にスポーツ経験がある人や元アスリートであることが多いイメージがあります。
瞬発系のトレーニングを過去に積んでいると運動単位が活性化されやすいのか、筋発達が顕著であることが多い気が。余談です。

筋肥大に遺伝的要因が大きいといわれる一つの要因として、筋線維そのものが生まれながらにして本数が決まっているというところでしょうか。
筋肥大は筋線維の数が増えるのではなく、持っている筋線維の1本1本が大きくなることによっていわゆる筋肥大が引き起こされます。
これは過去にネコを用いた実験で立証されています(確か入門運動生理学という本に載っていたと思う)
ネコをゲージに閉じ込めて、右腕でレバーを引いた時だけ餌が出てくるシステムを作るとネコは学習して右腕だけでレバーを引きようになる(こういうのをオペラント条件付けと言います)

この結果、右腕のみ使うことになるので右腕のトレーニングをしたことになりますよね。この実験を続けて、左右の腕の筋線維を比較すると筋線維数そのものに違いはなかったという結果が出ました。

したがって、筋力トレーニングをしても生まれながらにして持っている筋線維の範囲内でしか筋肥大しないということになります。

しかしながら、実際には絶対に増えないとも言い切れないんです。

なぜかというと、筋肉には筋サテライト細胞(衛星細胞)という怪我した時などに筋線維の再生に使われる筋(筋幹細胞)が存在していて、これが繰り返される筋収縮(トレーニング)によって活性化され、既存の筋線維に融合するためです。

遺伝を超えて筋肥大することはないですが、人間の身体の可能性って無限大だなと思います。

トレーニングによって身体に与えられるメカニカルストレスや筋サテライト細胞の活性化、エネルギー消費などによってカスケード反応(連鎖反応)が刺激され、筋たんぱくの合成が促進されます。一貫性のあるトレーニングをして基礎を作ることも大切ですが、身体に色々な刺激を与えることやトレーニングのアプローチを変えることも筋肥大において重要な要素のひとつなのかもしれません。


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