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持久性トレーニングと赤血球の数が減る?

前回の記事では、持久性トレーニングによる循環機能について書きました!
そこで、血液量が多くなると酸素供給が増加するという点についてもう少し詳しく書きたいと思います。

血液は大きく、血液細胞と血漿に分けることが出来ます。血液細胞とはいわゆる白血球、赤血球、血小板のことで、血漿とは水分やタンパク質を含む液体成分のことです。
身体の中に取り込んだ酸素は血液細胞の赤血球中に含まれるヘモグロビンと結合し、運搬されていくのですがこの赤血球はトレーニングによってどう変化していくでしょうか。

多くの酸素を骨格筋に運搬するには赤血球の数が多ければ多いほど運搬することが出来ます。運動中は運動強度の応じて赤血球数は増加し骨格筋への酸素供給の効率化がみられますが、これは汗をかいたりして血液が濃縮することや脾臓などから赤血球が放出されていることが考えられます。
しかし、この運動による赤血球数の増加は一時的なものであり、運動終了後即座に安静値に戻りますし、更にトレーニングを長期に積んだとしても赤血球数の変化はほとんど見られず、しかも赤血球数は増えるどころか減少してしまいます。
え?赤血球数減るなら不利じゃん。ってなりますよね。
では、なぜトレーニングを積むと赤血球数が減るのに持久的能力が上がるのか。

それは、MCV(平均赤血球容積)とMCH(平均ヘモグロビン量)の増大が要因といえます。
赤血球の容積が大きくなると、単純にその中に含むことの出来るヘモグロビンの量も多くなるため、トレーニングによって赤血球数が少なくなったとしても赤血球そのものの酸素運搬能力が向上することで持久力向上が引き起こされると考えられます。
また前回記事のように一回拍出量が増えることも要因のひとつです。赤血球数が少なくなったとしても酸素運搬能力が向上した赤血球が沢山送り出されることで骨格筋への酸素供給を効率化させています。
このようにすべてが複合的に関わり合うことで、ヒトはストレスに適応していくんですよね。
後は、赤血球数が減ることで血液粘度(血液のねばりけ)が低下し血液が流れやすくなることも利点の一つですし、血液粘度が低いことで心臓や血管への負担も減るのでやはり色々な要素が組み合わせってパフォーマンスが向上していることが分かりますね!

持久性トレーニングもレジスタンストレーニングと同じくしっかりとプログラムを組んでやれば成長が見られるので、たまにはそういう日を作るといいかもしれませんね。



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