#5 地域おこしは自分おこし?!

こんにちは、ゆう也です。前回まで農地の話で、やや小難しいお話が続いたので、今回は少し視点を変えたお話しにしたいと思います。

これまでのストーリーは、、、、
僕は2021年4月に杉並区から秩父郡皆野町に移住し、この町にキャンプ&コミュニティー「僕らのミナノベース」を立ち上げるため現在奮闘中。そしてそれを、総務省の”地域おこし協力隊”制度を利用しながらやっているわけなのです。

”地域おこし”という発想はあくまで東京からの視点

僕、正直この”地域おこし協力隊”という名前、嫌いです(笑
なんか、ちょっとダサいし偉そうな感じしませんか?(笑
町で活動しててよく思うのは、多くの住民はそもそも地域おこしなんて望んじゃいない、という事実。過疎高齢化の進んだ地域で老人のお宅を訪問した時、玄関先で「地域おこし協力隊の〇〇ですが、、」と自己紹介すると、相手のおでこあたりに「?」がじわ〜っと浮かんでくるのがわかります(笑。もっとはっきりした人の場合「そういう難しいことは他で話してくれい」なんて門前払いです。「僕らのミナノベース」の土地交渉や地域住民への説明の時も「現状のままでいいから静かに暮らして死んでゆきたい」と、まあここまではっきりとは言われませんが、そう言った意見が結構出ます。そしてそう言った意見に、僕はもっともだなぁ、と納得するのです。自分が逆の立場で考えてみると、人生の終盤を静かに過ごしている時期にいきなりヨソから若者がやってきて、”地域おこしだ”とか言いながらキャンプ場を作ったもんだから、夜がとんでもなく騒がしくなったし一日中肉を焼く匂いが漂ってきて気分が悪い(笑)、ゴミも増えた、なんてことになったらたまったもんじゃあありませんよね。そんなことを考えていくと、”地域おこしなんておこがましい、傲慢な考えだよなあ”と思ってしまうのです。だから”地域おこし協力隊”の名前がなかなか好きになれない。そもそも地域おこしの考え方の根底には、東京を頂点とするヒエラルキー的なものを感じざるを得ません。

”自分おこし”という考え方

じゃあどうするのか?
僕は”自分おこし”をやってるんだ、と思ってます。国から金をもらっておいて自分おこしなんておかしい、と聞こえてきそうですが、僕、最近、重大なことに気付いたんです。自分が起きてなきゃ地域なんて起こせるわけがないという当たり前の事実に。ころんでいる人は、ころんでいる人を引っ張り起こすことなんて絶対にできません(笑。しっかりと自分の足で立ってるからこそ誰かを引っ張り上げることもできる。当たり前ですね。だから僕は移住先の皆野町で、”しっかりと自分で立つこと”を今も意識して生活しています。そして、地域おこしを”やっている”のではなく、自分がこの地でしっかりと立ち生活しながら(自分おこし)、自分のやりたいことをやっていけばそれが結果的に地域おこしになる、と思っています。この辺りの考え方は「思いがけず利他」(中島岳志)を読んでかなり思考を助けられスッキリと整理できました。地域おこしに関わっている人にはぜひ読んでほしい本です。

さて、次回は「僕らのミナノベース」計画がどうやって地域をおこすの?
と、この辺りについて書いてみたいと思います。
それではまたね。


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