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ニッポン戦後サブカルチャー史

NHKで昔やっていた宮沢章夫の日本戦後サブカルチャー史。

サブカルチャー、オタク、マイノリティ
60.70.80.90年代と戦後日本の復興とその社会の中で生まれたムーブメント。触れた人も多いと思う。

宮沢章夫を知ったのは、ファッション、音楽経由。
そこで知った原宿のピテカントロプスエレクトス、という伝説の、クラブ。
いとうせいこうやYMO、プラスティックスなど著名人が集った場所。
そのピテカントロプスエレクトスについて早稲田で講義をしていること知り、伺ったのは最初で最後の生の宮沢章夫だった。

彼の存在はもう少し前にタイトルにある著作と同名の番組がNHKで放送されていたのを見たことでより関心を持った。
公共の電波でパンクニューウェーブ、ヒップホップ。渋谷系などについて語っている。
カルチャーについて番組になることは、昔はそうないことだと感じている。
自分の好きなものを知ってもらえる、という淡い喜びもある。

90年代の原宿、裏原ファッションに影響を受けた中学生の時分、ストリートのドメスティックブランド、さまざまなジャンルの音楽に触れて、雑誌という紙媒体で多くの情報をこぞって集めた。

ラジカルガジベリンバシステム、竹中直人、いとうせいこうとともに宮沢章夫が手がけたプロジェクト。
ピテカントロプスを生で体感し、その後の90年代にも大きく影響を与えた人達と一緒にいた人物が語るニッポン戦後サブカルチャー史。

音楽、ファッションだけでなく、アニメ、漫画、戦後直後の日本の社会背景から新宿、渋谷、原宿と街毎の戦後史にも触れていく。

GSブーム、60.70年代安保闘争、フォーク全盛、はっぴいえんど、新宿アンダーグラウンド、原宿ホコ天のローラー竹の子族、プラスティックス、YMO、タイニーパンクス、藤原ヒロシ、小沢健二、岡崎京子と出てくるワードはどれも10代から20代にヒップホップに傾倒する中で並行して触れたカルチャーワードだった。

急激な復興、高度経済成長の時代背景に彼らはメッセージを持っていた。
並列的なフォーマットの常識や社会通念の中で炙り出された障害者のような扱われる人間。

無機的なシンプルさにみる清潔感や透明感
有機的なオーガニック志向にみる健全、安心感
家庭的を求める社会にみる安心安全の温度感

クリアなイメージに排除された隠されたなにか
時代を経てわかりやすく軽くなった私というものの希薄化

削られた反対側にある蓋された下水のような喪失や死、汚れ、醜さなど。
誰も完璧ではないのにまるで潔白のような人間のみが並列で生きているよう。仮面は扉や蓋で隠されている

ちょうど知人の勧めで西加奈子の夜が明けるを読んだ。今の時代にもまだ残る。
宮沢章夫がいたならこの本は今の時代の見落としたリバースエッジだと言うだろう。

言葉を直接届ける機会をいつか何処かで作れたら!