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美術、舞台、映画、読書、漫画などの覚書。見てすぐに書くものもあれば、過去に見たものを思い出しているものもあります。
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映画『細い目』ヤスミン・アフマド監督

初めて聞いた監督名だった。ヤスミン・アフマド(1958-2009)はマレーシアの映画監督で、母方の祖母は日本人であり、イギリスで教育を受けて、TVの世界で働いていたそうだ。2003年に『ラプン』で映画デビューし、2009年に脳内出血で亡くなるまで。わずか6年間の間に6本の映画を製作したが、いずれの作品も国内外から注目を集めた。

『細い目』は2004年に撮られた映画だ。
冒頭は言葉から始まる。

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眠りながら生きるためのいくつかのティップス

『cicago vol.01』(2012年 TOKYO ART BOOK FAIRにて販売)より再録

夢の話をしましょう。

「夢を見る」と普通に「見る」という言葉を使うけれども、そもそもどんな意味なのだろうか。「ゆめ」というのは「いめ」が転じたもので、イは寝、メは目のこと。眠っていながら見るもののことを意味するらしい。

「こんな夢を見た。」
ではじまるのは、夏目漱石の『夢十夜』。黒澤明の『夢

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2018/2/18 篠田千明『ZOO』北千住BUoY

2018/2/18 篠田千明『ZOO』北千住BUoY

今年はスケジュールテトリスがうまくゆかず、TPAMの公演に全然行けていなくて、何でもかんでも見たいという気分だったのと、予定も合って北千住が家から比較的近いからという理由だけでチケットをとった。快快も吾妻橋ダンスクロッシングで数回見た程度で熱心な観客ではなかった。篠田千明が演出する作品を見るのは今回が初めてだった。VR空間を用いた演劇だということも、展示空間に行って初めて知った。

タイトルは『Z

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2018/2/16 ハイバイ『ヒッキー・ソトニデテミターノ』東京芸術劇場

ずっしり。
終了後はしばらくため息しか出なかった。その後、楽屋に演出家、劇作家の岩井秀人さんに挨拶に行き、「この芝居は、終わった後に『よかったね〜』って言えないでしょう」と言われて、ですよね、いやあ本当にキツかったと話をしていたらいくぶんか気分が楽になってきた。同行していた友人は8歳の娘がいるので、彼女のことしか考えられないという。別に私はひきこもりの体験者でもないし、近親者にそういう人はいない。

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