よいリーダーは組織の対立から価値の最大化を図る
会社で働いていると、組織同士の対立や衝突に出くわすことがある。
・開発は秘密主義で情報を出してくれない
・営業は勝手に情報を販社に伝えてしまう
・品質管理部は顧客の求めている品質をわかっていない
といった具合だ。
こういった状況にあるとき、リーダーはどう対応することが求められるだろうか。
■なぜ対立が起きるか
そもそも、どこの部署であっても同じ会社なのだから、顧客にとっての商品の価値を最大化する、というミッション・方向性は一致しているはずだ。
それでも対立が起こるのは、どの価値軸を最も重要視しているかの違い、つまり価値観が違っていることに原因がある。
例えば
・品質管理部門は顧客の安全や機能の安定を最も重要視する
⇒開発部門からは、重量が重くなったり燃費が悪くなったりする方向に製品が引っ張られることを好まない
⇒製造部門はコストが高くなったり、製造の難易度が高くなる方向に引っ張られることを好まない
・製造部門はコストを極力低く抑えること、安定して良品を生産できることを重要視する
⇒開発部門からすれば、安定=実績を好む製造部門が新規構造などのチャレンジを妨げているように見える
⇒品質管理部門からすれば、少々コストをかけたとしても強度や性能が安定する工程を選択してほしい
しかしこういったことは突き詰めていけば、それぞれの部署がそれぞれの価値観から製品の顧客価値を高めようとしていることに他ならない。
つまり意見の違いによって発生する議論は、”製品の価値が最も高くなるポイントを探るための作業”と捉えるべきだ。
■各部署の主張の動機が何か を客観的に見極める
こうした状況に直面した時にリーダーがとるべき行動は、
各部署の主張が顧客の価値を高める という動機に根差しているか を客観的に見極めることだろう。
具体的に例を出すならば、
・客先で問題を出したくない、責任を取りたくないから とにかく厳しい強度規格を出す品質管理部
⇒製品の重量やコストがやたらと増大してしまっては、顧客の価値を損なう
・コストダウンの目標を達成するために、現行製品の生産工程をそのまま使うことに固執する製造部門
⇒価値を高めるためのチャレンジを封殺する ⇒同じような製品しか作れず、顧客の価値を高められない。
このようなことが現場で起きているならば、リーダーは会社とは何なのか、そこで働く人の目的とはどうあるべきかを説いていく必要がある。
リーダーは常に客観性を持って目的と手段がマッチしているかを点検するべきだ。
■まとめ
・部署間の意見対立は”製品の価値が最も高くなるポイントを探るための作業”
・リーダーは各部署の主張が顧客の価値を高める という動機に根差しているか を客観的に見極めよう
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