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カイジ版「コックリさん」

オレは借金に追われ、追い詰められた果てにコックリさんのゲームに身を投じた。この場所に集まるのは、絶望と希望の狭間をさまようクズばかり。ゲームのルールは単純だ。コインを賭け、コックリさんに質問する。ただし、答えが間違っていれば、借金は倍増する。

最初の質問に息を呑みながら、オレはコインを置いた。指先が震える中、コックリさんはオレの運命を「はい」という方向へと微笑んで導いた。一息つく間もなく、次の質問がもう襲い掛かる。オレは周囲の者たちが次々と脱落するのを横目に、彼らの失敗を肥やしに、狡猾なコックリさんのパターンを読み解く。汗が目に染みる。また一つ、質問。また一つ、答え。この鼓動は、もはやオレのものじゃないみたいだ。

しかし、コックリさんはオレの不安を察知してか、最も恐れていた質問を突きつける。「お前はこのゲームから生還できると思うか?」オレの手が自分でも制御できないほど震えている。指がゆっくりと動き出し、その動きがオレの全てを左右する。

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