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「ウチ」の研修の頼み方 プロ講師の本音よもやま話

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なんだかんだで経験を20年以上積み重ねて来ました独立自営のプロ講師です。自社で研修を開催したいと考えている方々向けにお役に立つ情報発信をしたいと思い、この行動をし出しました。 … もっと読む
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評価の心得④成果達成度「ウチ」の研修の頼み方【20】

さて、研修の成果とは何だったのでしょうか?  この研修を実施することで得たものは、実施を企画した あなた(経営幹部)の願っていたものになっていたのでしょうか?  前回の内容で散々触れたこと。ここでも取り上げます。 しつこいようですが、やっぱりこだわってほしいのは、苦労しながら も実現したこの研修がやった甲斐があったかどうか。もちろん、やった 甲斐があったという結末にしてほしいのです。  成果達成度というものを測る前に、実施を企画する側として、この研修を実施した

評価の心得③行動変容度「ウチ」の研修の頼み方【19】

研修の結果、発想が変わった。思考が変わった。 ここまででもかなりのものなのですが、ここで、もう一声必要です。 研修実施の結果、さて、その人(受講者)の行動は変わったのか? 今までにも断片的に散々出て来た話ですが、ここでもこってりと取り 上げます。 私、何度も言っていますが、受講者に研修で身に付けてほしいのは、 口がうまくなることではありません。自身の行動が変わることです。 変わった行動で結果を変えてもらうことです。たとえ、口がうまく なっても、動いていない奴

評価の心得②学習到達度「ウチ」の研修の頼み方【18】

 学習到達度とは何か。またまた小難しい問いかけです。    学んでほしいことをしっかりと学べたかどうか。  受講した内容を理解することができたかどうか。 「知る」から「分かる」この状態になっていないと、受講者は研修内容を 自分のものにできません。「分かる」になってはじめて実現行動ができる ようになります。これが「できる」。  すなわち、「知る」→「分かる」→「できる」。この流れです。 できるようになれば、あとはやるかやらないか。ここはもちろん、 「やる」と行きたいところ

評価の心得①研修満足度「ウチ」の研修の頼み方【17】

ここからは研修の評価のお話です。  何を持って、研修を実施した価値を測るか。そこを正確に精度を 高くして、把握できていないと、 何となく良かった或いは悪かったというだけの雰囲気だけの評価と なってしまいます。こういうのが、のちのちの判断を狂わせていく ものです。  評価のKeyは、受講者に行動変容を起こせたか。または、起こ せるための種を植えることができたのかどうか。  まずは受講してよかったと受講者の面々に感じてもらえたのか。  ここを押さえてほしいのです。

運営の心得⑤終了1ヵ月後の確認「ウチ」の研修の頼み方【16】

大いに盛り上がり、成功裡に終わった研修。 さて、あっという間に、1か月が経ちました。 この時点で、受講者の面々にとって思い出話になっていたら、 やった意味は霧消しています。思い出どころか、既に忘却の彼方ということもあり得ます。 「鉄は熱いうちに打て!」とはその昔からよく言われていることですが、 「熱くなった鉄は冷えるのが早い!」も添えておきましょう。 不肖、講師カ ドワキ、私の造語です(実感に基づく)。    研修事務局から、実施後の状況を深く、じっくりと確認し

運営の心得④終了直後の確認「ウチ」の研修の頼み方【15】

研修は予定通り進行。もうじき終了の予定時間を迎えます。 運営事務局としてはほっと安堵する瞬間近しです。ところが、 ここで注意。まだ、終わっちゃあいないのです。 学習した内容を実践に移せることができているか。 やりっぱなしになってしまわないか。 研修のクロージングは講師が するものが第一段階。実はそれで終わりではなく、最終は運営事務局 からするものなのです。 泥臭い話ですが、外部講師の都合で言いますと、そのクロージングの話 が長引く時は講師を先に会場から送り出し

運営の心得③研修中の確認「ウチ」の研修の頼み方【14】

研修は無事に、はじまったらあとは心配ないということはありません。 もし、運営事務局さんが後は講師任せでと思っていたらとんでもないことになります。   運営事務局さんに気をつけてほしいのは、受講者の方々が受講をスムーズに進めることができているかどうか。これに気を配っていただきたい。 部屋の空調調整(寒暖)、換気もさることながら、スクリーン、板書の見易さに気を配り、受講に集中できないだとか、理解に苦労している受講者がいれば、さりげなくフォローして、必要あれば講師に耳打ち

運営の心得②会場の直前確認「ウチ」の研修の頼み方【13】

 今回のお話は会場での直前の確認のことです。  これも怠っていると当日、会場において、これもまたとんでもない 修羅場に見舞われることになります。  ここでお伝えしたいことは、直前リハーサルの大切さです。  私がこれまでに体験した最悪のケースをお話しましょうかね。  いつも私がそうしているように1時間ほど前には会場に到着。  部屋に入りました。→ 「えっ!?」  机も椅子もレイアウトされていない。  あれっ、プロジェクターもないぞ。要は、いつも使っている  会議室仕様のま

運営の心得①実施前の確認「ウチ」の研修の頼み方【12】

 研修の実施前には何を確認しておくべきか。この感覚をしっかり持っていない研修実施運営事務局は、研修当日にとんでもない修羅場に見舞われることになります。    ・対受講者については   -もちろん、受講者及びその上司に漏れなくタイムリーに連絡が行き   届いているか   -受講についての事前の動機づけが上司から行われているか   -事前課題の取り組みはちゃんとされているか  こういうことがされていないと、  研修当日の朝、   -来ていない受講者がいる   -来ているけど、

企画の心得④ 事前・事後の仕掛け「ウチ」の研修の頼み方【11】

 忙しい社員達を集めて実施する集合研修。あまり長々と時間もとれません。と来たら、極めて限られた時間での実施を考えることとなります。    私のこれまでの経験では、1日研修のMAXは10時間。MINは2時間。  2日研修の場合は合宿方式で受講者は全員泊まり込みのパターン。そうですねぇ。これで、2日間の合計でMAXは18時間といったところでしたかね。連続3日という研修もありましたが、2020年2月頃にはじまったコロナ禍前の時点で既に激減していました。忙しい社員を3日も拘束できない

企画の心得③講師の選定「ウチ」の研修の頼み方【10】

 今回はいきなり事例話での語りはじめです。  とある企業さんで、昨年実施した評判の良かった研修をまた翌年も実施しようということになりました。昨年、来てもらった講師を再び要望されたのですが、依頼が遅かったのか、その講師はもう先約有りで出講不可。 仕方がないので、別の講師を頼みました。  さて、このあと、どうなったでしょうか?  と、もったいをつけた前置きをさせてもらいました。どうなったと 思いますか?この場合の結末は大別して2つになります (めっちゃシンプル!)。  

企画の心得②プログラム設計「ウチ」の研修の頼み方【9】

私、その昔、研修講師になりたての時の頃、自分では分かっているようで分かっていないことがありました。  研修講師って、好き勝手にしゃべっているようにその時の私には、見えていたのですが、実はそういうわけではなかったのです。自分が講師として登壇してみて、すぐに分かりました。  このことを、もっと正確に言うと、しゃべりはさておき(そりゃうまいにこしたことはないが)成果をきっちりと出せる良い研修講師はどういう人かということが、当時の私は分かっていなかったのです。よくそれで、お前さん

企画の心得①その研修の目的「ウチ」の研修の頼み方【8】

研修というものはやればいいというものではありません。   「なぜ、その研修は必要なのか?」 このことに明確かつ具体的に答えることができないと、やっているだけの研修。いわゆる行事としての研修となってしまいます。主催者側は実施した事実だけが残ればいいという動機です。あっ、こういうのを別名:アリバイ型研修とも言いますね。受講者は開催の意味合いが分からず、出るのは文句だけ。  もちろん、研修がないと知り得なかった知識を知れたとしたら、この部分だけでも実施した意味は皆無とは言え

教育は投資やで「ウチ」の研修の頼み方【7】

 もうねぇ。ハッキリ言いますよ。「良い教育はそれなりにお金が掛かります」掛け過ぎはいけませんが、ケチり過ぎもいけません。  経営幹部として、社員研修を実施しようと、プロ講師を探して声を掛けました。いろいろと発注条件を交渉していく中で、講師側からの提示金額をゴリゴリとネゴシエーション。講師は当方要望を呑み、渋々、受諾となったとしましょう。  「あぁ、良かった!費用を抑えることができた」と喜ぶかもしれません。  この状態、実は要注意なんです。講師側のスタンスにもよりますが、無