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企画の心得②プログラム設計「ウチ」の研修の頼み方【9】

 私、その昔、研修講師になりたての時の頃、自分では分かっているようで分かっていないことがありました。
 研修講師って、好き勝手にしゃべっているようにその時の私には、見えていたのですが、実はそういうわけではなかったのです。自分が講師として登壇してみて、すぐに分かりました。

 このことを、もっと正確に言うと、しゃべりはさておき(そりゃうまいにこしたことはないが)成果をきっちりと出せる良い研修講師はどういう人かということが、当時の私は分かっていなかったのです。よくそれで、お前さん、独立開業したものだと、今更ながら冷汗が出て来ますが、それは若気の至りということで(苦笑)・・・。

 たとえ立て板に水のようなトーク上手であっても、受講者をちゃんと学ばせることができていない講師はNGなんです。この点、寄席に出ている芸人さん達と違うことに要注意です。場をドッカン、ドッカン湧かす話ができる講師が良い講師とは限らないのです。
 
 ・講義
 ・個人演習(ワーク)とグループ演習(ワーク)
 ・発表後のコメント
   ・質疑応答
   ・全体の流れ、進め方
   ・教材のつくり方
  -テキスト
  -ワークシート
  -進行スライド
  -映像教材の活用
 等々・・・
研修に必要なコンテンツをざっと挙げるだけでもこれだけあります。
 
  全体の進め方を構成するプログラムの設計は、講師の腕の見せ所です。
講師には、登壇してしゃべる前の勝負どころがこんなにあるのです。
企画している研修の目的を満たすために、どのような仕掛けを施して
いくか。もちろん、受講者社員の方々に合ったものでないと、会場で
「なんやねん、これは?」の反応を引き起こしてしまいます。
 
 演劇に例えますと、いくら名優をそろえたとしても、ホン(脚本)が悪いと、どうにもならないのと同じようなイメージですかね。
 研修の世界も名講師を登壇させたとしても、ホン(=この場合はプログラム)が悪いと、いくら名講師でもその人の現場での奮闘だけではカバーし切れません。
 
 ・講師は一生懸命やっていた
 ・所々、面白い興味ある話も聞けた
 という評価をもらえたとしても、
結局は、
 ・何が学べたのかよく分からなかった
というなんともよろしくない印象で終わってしまいます。
 
 これで終わってしまうと、講師もお代がもらえる仕事にはなりません。
 なんとも後味の悪い結末になってしまいます。
 
 発注主たる経営幹部の方々は、講師側から提示されたプログラムの
詳細は分からないまでも

 「全体の流れを説明してみてください」とか
 「○○のところで、どうやって、何を学ばせてもらえますか?」とか
 聞いてみてください。傍らに一緒に営業担当がいて、スゴ腕なら、その人が的確に答えるでしょう。

もし、そうでなければ、すぐに「センセイ、お願いします」と同席している講師に振るはずです。このあとの講師の説明に注目です。プログラムをしっかりと設計していない奴はすぐに、しどろもどろな部分を露呈してしまいます。そこを遠慮なく突いてみてください。
 
 おっと、こりゃ、自分(=講師の立場)がやられたら、めちゃくちゃ嫌なことを書いていますね。いやいや、このコラムの目的は日本全国で、良い研修を実施してもらうこと。どうぞお役立てくださいね。
 
 今回はここまで。ではまた。
 つづく

自分が培って来たものを勇気を出して発信していこうと思っています。お読みいただいた方々の今後に少しでもお役に立てば嬉しく思います。よろしければサポートをお願い致します。続けていくための糧にさせていただきます。