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CFOに必要な財務スキルの獲得状況

CFOに必要な財務スキルの類型

会計士の端くれでもあるので、どこかでCFOになれたらいいなと思いながら、そのために必要なスキルセットを定めてその獲得に励むということはせず、本日にいたります。。。(反省)

CFOの役割は会社のステージや経営状況、その他メンバーによって変わると思いますが「コーポレートファイナンス戦略と実践」という本で、企業のライフサイクルごとの財務戦略(下記引用参照)がまとめられていて、せっかくなので自分が持っている経験・スキル経験と比べてみました。(事業戦略部分は対象外です。)

経営陣が経験する財務戦略(時系列) =CFOの必要スキル(rdr3の理解)
①株式公開までの資本政策
②ベンチャーキャピタル投資時の株価算出
③株式公開時の株価算出
④債券発行のための格付取得
⑤他社買収金額、M&A後の収益貢献度算定
⑥配当政策、自社株買い金額の決定
⑦子会社上場、事業売却、売却金額の最大化&算出
⑧コーポレートガバナンス、IR
出所:コーポレートファイナンス戦略と実践より

自身の保有経験・スキルとの比較

①株式公開までの資本政策
・経験:ベンチャー投資や、ベンチャー支援において検討したことあり。ただ、正直ここで肝を冷やした経験はなく、あまり実務論点がわかっていないと思います
・スキル:ラウンド等を見据えた資本政策検討
・評価:2.5点(5点満点、自己評価ですので以後ご了承ください。。。)

②ベンチャーキャピタル投資時の株価算出
・経験:ベンチャーに投資する側、資金調達する側(ベンチャーの支援)両方で経験あり
・スキル:事業計画策定(含むエクイティストーリー・分析)、財務モデリング、ピッチ資料作成・プレゼン、マルチプルバリュエーション
・評価:4点

③株式公開時の株価算出
・経験:なし。書籍で読んだ+IPO事例調査をしたくらい。自分が想像するバリュエーションとマーケットがつけるバリュエーションが乖離する!!等の事例にあたって、その要因を分析したいなとは思います。
・スキル:IPOにおけるバリュエーションスキル
・評価:2点

④債券発行のための格付取得
・経験:デットファイナンスという意味では、事業再生においてかなりディープな経験あり
・スキル:デット調達用の事業計画、金融機関交渉、資本政策(DES・DDS)
・レベル:4.5点

⑤他社買収金額、M&A後の収益貢献度算定
・経験:プリンシパル投資や、M&AのDDやFAの経験あり。ただPMIはあまり経験なし(事業再生計画の実行支援はあるが、少し違うと思われます)
・スキル:財務DD・事業DD、DCFバリュエーション、LBOの財務モモデリング、主要タームの検討
・レベル:4点


⑥配当政策、自社株買い金額の決定

・経験:学問として勉強はしているが、実践経験ゼロ。以前PJ以外の雑談で配当政策について聞かれたときは、競合のを調査して答えただけ。(本書にダメなコンサルはとりあえず競合の数値を…と書いてあり、ドキッとしました。)
・スキル:配当政策・自社株買いの論点理解
・評価:1点(というかゼロ?)

⑦子会社上場、事業売却、売却金額の最大化&算出
・経験:事業再生の文脈で会社・事業売却はあるが、すべて未上場企業であるし、時間的制約からもオークションというよりは相対に近い感じのものが多かったです
・スキル:コア・ノンコア事業の識別、売却資料作成・交渉
・評価:3.5点

⑧コーポレートガバナンス、IR
・経験:皆無です。IRは自分の理解とマーケットの理解のずれを知るためにすごい興味がありますが。。。
・スキル:なし
・評価:0点

事業再生とベンチャーと一見正反対に見える形でも、デットとエクイティの調達という意味では、結果CFO的に良い経験ができていたのかと思いました。
ただ、再生・ベンチャーともに未上場企業が多く、証券市場と対峙する経験がないのと、規模がかなり大きいパブリックカンパニーの際も本当に現在のスキルが通じるのかは少し不安になりました。

最初に申し上げたとおり、ジョインする会社の状況によって求められるスキルは変わってきますが、興味がある方は一度経験・スキルの棚卸しをしてみてはいかがでしょうか。



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