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事業再生とベンチャーの共通点

私はとりあえず幅だけは広く様々なPJを経験してきましたが、中でも事業再生やベンチャー支援が個人的にとても楽しく、本2案件が中核をなす経験となっております。

本日はなぜ一見相反するような事業再生PJとベンチャー支援のプロジェクトが私が楽しいと思えたのか、共通点は何かあるのか?という点をコンサルとして関与する目線で整理してみました。

※最初にお断りしておくこと、事業再生だから・・・、ベンチャーだから・・・というより、当2つの案件は以下のような特徴が多いといった形で必ずしも合致するはわけではないと思います。

1.トップ案件となり会社の実行に直結する点

ベンチャーは大量の意思決定を超高速で行うという点で勝負しており、その創業者は絶大な力を持っています。
※上記の点もありベンチャーの場合一般的には3人の創業で持分均等というケースよりも、トップを決めて持分を集中(トップがなんでも意思決定できるように)させておく方が組織力担保のために良いですし。投資する立場としては希望します)

再生企業はもはや会社が株主から債権者(銀行等)に変わる/変わった局面となり、時間も限られることから、短期的に本質な意思決定を求められます。
また、再生企業として数が多いい中堅企業のケースでは、トップ=オーナーとなっており、危機的な状況の中オーナーさえ説得出来ればとりあえず会社としての改革を推進できる状況になります。

両者に共通するのは、とりあえず考えて終了とか、3年後に向けて準備するかではなく、直帰での会社の生死が関わっており即実行を前提としていることです。
この点、あまり戦略のみに知恵を絞る時間がないので、知的好奇心が満たされないという観点もありますが、基本絵餅で終わず実行に移されるので、その点のやりがいみたいのを感じることができます。

2.スコープがない(≒聖域・制約がない)

ベンチャーは会社全体で日々新しい失敗をしながら前に進んでいるめ、常にゼロベースで考えており(会社の主要プロダクトがピボットすることすらある)、基本的にここはスコープなんかありません。会社全体で最適なことを同じ熱量を持ったメンバーが全力で進めていきます。

再生企業の場合は、ベンチャーよりは歴史があり、この事業は先代オーナーの思入れが・・・とか聖域がありますし、むしろこの聖域が赤字の原因であることも多いいです。
ただ、再生となるともはや待ったなし、かつ、債権者に生殺与奪を握られていることもあり、内部のしがらみ等は無視して徹底的かつ客観的に事業を見渡し、方針を決めて行きます。
組織や人事そのものの合わせて変更するケースも多いです。

上記のように、会社全体を見渡し、制約なくあるべき姿を検討できるので、ここは所要としてみたいな、変なフラストレーションは溜まりません。ただ、意思決定してもそれを実行に移すのは想像以上に大変です。

3.資金が所要となっていない

ベンチャー企業は当たり前ですが、お金がありません。なのでVCからの資金調達をしたり、資金繰り・バーンレート等は経営上の重要課題です。

再生企業も当たり前ですが、与信がなくなっているため、お金がなくむしろ次のリファイナンスに向けて再生計画を策定するケースがほとんどです。

要両者とも事業の営業利益までで話が終わらないということです。
大企業の一事業部案件ですと、すでに既存事業のCFがあったり、グループとしての与信があるため、純粋に事業のみにフォーカスし、営業利益やEBITDA、拡大してもCAPEXまでの検討で済むかもしれませんが、ベンチャーや再生では資金繰りや財務戦略が肝要であり、BS・CFを含めて財務3表での思考や、財務戦略(デット・エクイティの選択、設計(法務も必要))等が求められます。

4.スモールウィンを勝ち取ってなんぼ

ちょっと上記3つと少しレイヤーが違う話ですが、会社を変革するのは想像以上に大変です。もう少し具体的に言うと変革に向けて会社のメンバー、従業員の方のマインド、アクションに結び付けるには、それぞれの個人を理解しなければいけないため、一般解はないと思います。
ただ、コンサルとしてメンバーの方に、「この改革の波に乗っていいんだ」と思ってもらい、はじめの一歩を踏み出してもらうためには、スモールウィンを自ら勝ち取り示すことが大事かと思います。
ベンチャーは諸々未整備の項目が大多く、再生企業は当たり前のことができていなくて赤字になっているケースが多いので、両者とも改善の宝庫です。その中で何か一つでも自ら手を動かし結果を示すということは私自身大切にしておりますし、そこで組織が変わっていく姿を見る度に、自分の力なんで微々たるものだすが、クライアントが変わるきっかけを作ることができたこの仕事をしていてよかったなと思います。

最後に

私は戦略案件等も担当したりしておりますが、やはりそこまで得意ではない(あまり言ってはいけないですが笑)のと、会計士からキャリアをスタートしていることもあり、大企業の戦略案件より、ベンチャー・再生が会計・財務の知識も生きて手触り感があって面白いという個人的感想です。決して案件類型で優劣をつけるつもりはありません。
あと当たり前ですが、ベンチャー・再生でも戦略思考は当然必要ですので、ここは頑張らなければというのは引き続き私の課題です。

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