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「書くことの不純」角幡唯介【読書感想】めちゃくちゃ読みごたえありました!

冒険家であり作家でもある著者が、ある若い記者に

「ところであえて意地悪な訊き方をしますが、角幡さんの探検って社会の役に立ってないんじゃないかっていわれませんか?」

と質問されたことがきっかけで、純粋な行為(内在)とその表現(関係)をもとに「書くこと」について述べられています。

こんなに読みごたえのある本は久しぶりでした。読むのにエネルギーを要しましたが、怒涛の分析と思考をもって、深掘りも深掘り、そこまで行き着きますか!と圧巻でした。

生きることとはなんなのか。

著者による三島由紀夫の「金閣寺」の分析と三島の人生の噛み砕き方は、「生」の端っこにある「死」が視野に入った経験がある冒険家ならではの解釈があり、普段そんな環境からほど遠いところに生息する私でさえ読み入らせるものでした。 

そんな怒涛の思考と分析というルートを経て、最後に「なぜ書くのか」が書かれています。

読後は感想を簡単に言えないぐらい、筆力に圧倒されました。

何を書いてるかわからなくなりましたが、読後の興奮が冷めない内に感じたまま書いてみました。

行為(内在)は純粋で、表現(関係)は不純。そのような立ち位置をベースに、書くこととは何か、生きることとは?と思考を巡らせる角幡ワールドにどっぷり浸かってみてください。答えは案外普遍的にそこにあるものにたどり着くものなのだなと思いました。


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