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アメリカの大学院の授業はこんな感じ

アメリカのシカゴにある大学院(修士課程)に4年間留学していたのですが、アメリカの大学院の授業は実際にどのような感じだったのかをご紹介します。他の大学院と違うところもあると思いますが、私の実体験を元に、アメリカの大学院と日本の大学院との大きな違いを3つご紹介します。

まず、私が通っていた大学院では、卒業するために90単位の取得が必要でした(入学当初は96でしたが、減りました)。「3年で卒業できる」課程だったのですが、ハードすぎて実際に3年で卒業するのは学年で一人ぐらい。留学生はビザの関係もあり、平均4年~4年半で卒業し、アメリカ人は逆にゆるく頑張って5~7年ほどかける人も多かったです。(※博士課程ではなく、修士課程です。修士なのにこれぐらいかけてしまうのです)

違い①:学生の平均年齢層が高い

これは、私の大学院(専攻)が特にそうだったのかもですが、大学を卒業してそのまま大学院に来た人は全体約二割ぐらいしかいません。ほとんどが社会人で働きながら通っている方か、一度働いて退職してから来た方ばかり。同じクラスメイトは30代~60代(時には70代の方も!)と年齢層が広く、グループワークをすると40代、50代の方と一緒に話し合ったり課題をすることもよくありました。

私の場合、大学を卒業して1年半の準備期間を設けて行ったのですが、それでもよく年上のクラスメイトの方に聞かれたのが、「何で今大学院に来たの?そんな若いのに大学院に来たの?」という質問。大学を卒業してすぐに大学院に進学するのが不思議なようで、一度社会に出てから「もう一度学びたい」「さらにキャリアアップするために学びたい」という方が多いようです。

実際に社会で働きながら学んでいる方、いろいろな人生経験を持った方がクラスメイトとして一緒に学ぶので、その分、20代とは異なる広い視野を持った方たちと触れ合えるのが非常に刺激的であり、学びは「生涯学習」であること、いくつになっても学ぶことができることなど、とても良い刺激をもらいました。

違い②:尋常じゃない量の課題(宿題)

これは、アメリカの大学院あるあるだと思いますが(大学もあてはまる)、日本の大学院と大きく違うのが、課題の量です。

毎週ものすごい量の課題が出ます。課題が少なめのクラス(例えばギリシャ語)では、ワークブック1ページ分と単語の小テスト。課題が多いクラスでは、毎週40~70ページほど読んでA4 1~2ページに自分の意見をまとめた上で、実際のクラスではそれを元にディスカッション。毎週約12単位(4~6クラスぐらい)のクラスがあり、一番きつい週で350ページを読んで、ペーパーを作成、提出。課題として出されたリーディング以外にも、実際に文章を書くために他の参考文献も読まないといけないので、講義の時間とご飯、家事、バイト(私の場合は一週間で数時間。それ以上取ると勉強の時間が足りない)以外の時間はほとんどが勉強に費やすという日々。

毎週の課題に加えて、さらにMid-term(中間テストORペーパー), Final(期末テストORペーパー)もあります。この時には、ペーパー(レポート)の課題のクラスでは、だいたい8~20枚ページほど課題が出されるので、尋常じゃない量の課題をこなすことになるのです。わかりやすく言うと、日本の大学の卒業論文を一つのクラスにつき、一学期の間に2つずつ書き、全部で4~6のクラスがあるので、一学期に少なくとも卒論8つを提出するイメージです。

そのため、毎日勉強漬けの日々になるしかない。特に中間や、期末とその前の週になると図書館はほぼ満席になり、閉館時間ぎりぎりまでみんな課題と勉強に没頭します。私の学校の図書館は夜12時で閉まっていたので、閉まった後は24時間空いている建物に移って夜中の2時ぐらいまで勉強することもよくありました。

違い③:発言しないと出席扱いにならない授業も

日本の大学(院)では、とりあえず出席していたらOK、課題や論文だけ出したらOKのクラスも多いと思いますが、アメリカでは毎回きちんと遅刻せずに出席していても、発言をしないと欠席扱いになるクラスもありました。これが、結構きつかったのです。

毎週課題であるリーディングをした上で、自分の意見を組み立て、ペーパーも提出しますが、それに加えて、クラスメイトとそれぞれの意見をぶつけてディスカッション。教授と反対の意見を出すのももちろんOKで、バチバチにやりあうことも普通にあり。ただ、発言自体しないと、出席しても意味がないという扱いで欠席扱いにされることも。教授が誰がどのようにディスカッションしているかも評価してくるので、必死に発言しないといけない。もちろん相手はアメリカ人のネイティブが多いので、その相手に同等に張り合わないといけないのです。このスタイルのクラスが、留学生であり日本で教育を受けてきた私からしたら一番難しかったクラスでした。

アメリカに留学する前は、大学受験の時にめちゃくちゃ勉強して、「これほど勉強することはもうないだろう」と思っていたのが、アメリカにいる時の方が比べ物にならないぐらい勉強しました。その分、得るものは大きかったのと、受け身で暗記するばかりの日本の教育とは違って、自分で考えて調べて学習することができたので、本当の意味での「学び」を痛感した留学生活でした。

語学留学は一言でいうと「楽しい!異文化交流最高!」というイメージで、正規留学(大学や大学院留学)は「学べ!考えろ!勉強せい!」のイメージです。めちゃくちゃ大変だったのですが、それでも今は生き抜いて戦い抜いてよかったと思います。笑

他にもいろいろと違いがあるので、続編でユニークな課題のあるクラスについてもまたご紹介しようと思います^^

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