見出し画像

あなたの会社の社員は使命感を感じていますか?

定期的に社員のインタビューをしているお客様があります。仕事を進める上で課題と感じていることをざっくばらんに話してもらいます。みなさん、基本的にまじめです。一方で、まじめすぎるからか、効率の悪いことがそのままになっている印象があります。目の前のことに対処して片づけていく、そうしないと終わらない、そんな状況です。

結果は出ているが覇気がない

業種は、製造業です。部門を連携しながら仕事が進みます。時に互いに突発的な要望が生まれます。その内容が曖昧だったり、矛盾したりすることがあります。これ自体は、致し方ない側面があります。

問題はその後です。

誰かが問い合わせても、曖昧さや矛盾が解消しないのです。誰も経緯が分からない。誰が決めるのかもよく分からない。延々と伝言ゲームが続いていきます。そして、気がつくと納期が迫っている。

それでも、そこそこ結果が出てしまうのが厄介なところです。
真面目なゆえに、最後、誰かがカバーをしている、その繰り返しです。そのためか、なんとなく覇気がない。一体感がない。仕事は嫌いじゃないけど、別に会社が好きなわけでもない。この会社で仕事をすることに特別な意味を見出しているように感じません。

使命感を持てないとエネルギーが出ない

インタビューで「自分の仕事は、何に貢献していると思うか」と問いかけた時のことです。「お客様の利便性につながると思ってはいる。しかし、利益に表れにくい部署なので、貢献しているかどうかは分からない」といった発言がありました。同社では、たしかに利益へのコミットが強く求められる側面があります。それが一番の目的として伝わってしまっているようです。

もちろん、ビジネスであるからには、利益が求められます。ただし、利益とは、自社にとっての損得ではありません。世の中に、お客様に、役に立っているかを表す指標です。そうした、誰かの役に立ちたい思いが一番の原動力になるのだとわたしは信じています。

他の方からは、「仕事を完遂する責任感で動いている。でも、自信を持って役に立つ製品が出せている感覚がない、ワクワクしていない。」という率直なコメントもでてきました。この方の原動力は、自分がやらないと周囲に迷惑をかけることです。これではつらい。「誰かに迷惑をかけないこと」と「誰かの役に立つこと」は、正反対のベクトルです。どちらも「誰か」に対する思いですが、追い立てられる「切迫感」と、実現したいと進んでいく「使命感」とでは、あきらかに「使命感」の方が強いエネルギーを発することができます。

第一におくべきは「大義」

「先義後利」という言葉があります。やはり、第一におくべきは、大義であり、誰かの役に立ちたいという使命感なのだと実感した次第です。

そうした大義がリーダーである経営者から十分に発せられていないのだと思います。これは、ご支援しているわたしとしても大いに反省すべきところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?