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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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2021年1月の記事一覧

お客様から共感的に学び、未来のお客様に還元する

お客様が求めていることをどのように知るか、そんなことを考えています。きっかけは、ある会員制サービスで、お客様が離れていくという事象があったからです。十分にお客様のニーズに応えているだろうか、そもそもニーズを把握できているだろうかという問題提起がなされました。 そこで、アンケートをとる、お客様にヒアリングする、などのアイディアが出てきました。だけど、その手段には、どこか違和感を感じました。今までも、それはしてきているのではないか、と。むしろ、商品・サービスに改善点はないのかと

社長の想いと社員の想い

先日、ある社長から同社様の行動規範についてお聞きする機会がありました。行動規範をどのようにまとめていったのかという、策定経緯についてのお話で、示唆的でした。 同社様では、かつては売上目標だけが存在し、経営理念が存在してなかったそうです。そのこともあってか、社内は不正行為含めて「なんでもありの状態だった」と、同社長は振り返っています。それでは経営とは言えないので、会社が追求する存在意義である経営理念を言語化し、それに沿った中長期の経営方針・目標、年度目標を明確にすることに取り

仕入れコントロールの重要性

先日、ある社長から仕入れコントロールの重要性についてお話を聞く機会がありました。過去に同社様の事業計画で、仕入れに関する見通しが甘かったために苦労した経験がある、というお話でした。 話の概要としては、以下の通りです。 ・お客様に商品を提供するサイクル(回転率)を上げれば、全体の収益性は向上できると思っていた。しかし、その前提となる仕入れのコントロールができなかったため、仕入れにかかる費用を制御できなかった。その結果、仕入れ値が上がり、気がついたら「利益を生まない販売活動をひ

正確にPDCAを回しても、お客様の視点に立てなければ逆効果

お客様から人間ドックに行った話を共有いただきました。 人間ドックと言えば検査と検査の間、だいぶ待たされるという印象があります。ところがその病院は全然待たされないのだとか。また、一つの検査が終わって、次の検査に行くと「〇〇様お待ちしておりました」と言われるそうです。どの検査に行っても必ず言われるそうです。そして前の検査のことも踏まえた説明がなされます。1回、1回の検査も長くて丁寧。にもかかわらず、予定より早く終わったそうです。 こうしたサービスを成立させているのは、何かIT

人にのめり込む社長

先日、ある社長のお話をお聞きする機会がありました。同社長は、「自社で働けてよかったと社員に言ってもらうことを目指す」をモットーにしているそうですが、大変印象的なお話をお聞きしました。 同社様では、社員の入社時に社長が1対1で丸2日間にわたってお話をするそうです。これは、(従業員数1000人などではない、中小に当たる)同社様の規模だからできていることだとも言えますが、なかなか他社ではやっていない取り組みだと思います。その2日間の中では具体的な実務の話はほとんどなく、会社の考え

景気の分断と自社への影響

1月24日の日経新聞で、「コロナが招く「分断景気」 過熱と冷え込み混在」という記事が掲載されました。今後の社会経済環境を想定する上で、押さえておきたい視点の内容だと思います。 同記事の一部を抜粋してみます。 ~~新型コロナウイルスが引き起こす混乱で景気の「デカップリング(分断)」ともいえる状況が起きている。半導体や自動車など製造業が急回復し過熱感すら漂う一方、旅行や外食などサービス業は冷え込みから抜け出せない。 半導体大手ルネサスエレクトロニクスは取引先に通常の倍となる1

雇用形態の制約が消える?

先週の投稿では、今後の就業環境について考えました。時間と場所の制約が減り、個人による裁量、選択、自己管理が求められていくことであろうについて取り上げました。 今日は、雇用形態をテーマに考えてみます。 雇用における、雇う側(企業)と雇われる側(個人)の関係性について、改めて整理を試みてみます。 企業の視点としては、自社の事業に関わる人材を下記のように分類できるでしょう。 ・役員(経営と一体の立場) ・正社員 ・非正社員 ・業務委託契約者 ・協力会社社員 ・・・など 一方

事業のロマンを引き継ぐ対話③ ~「感情軸」で語り、意味づけると「意志」が見えてくる~

3回シリーズの最終回となります。 とある会社の事業承継をお手伝いしています。特に意識しているのは、事業の「ロマン」の承継です。現社長と次期社長の親子の対話を支援しながら、会社の長期構想の立案と承継を進めています。 2人の対話を振返って見えてきたのは、長期構想における3つの軸です。 「時間軸」で語り、意味づけると「ビジョン」が見えてくる 「自他軸」で語り、意味づけると「ミッション」が見えてくる 「感情軸」で語り、意味づけると「意志」が見えてくる …と、わたしなりに整理し

テレワークの生産性

前回の投稿では、仕事をする上での就業場所の制約が減り自由度が高まっていくことについて取り上げました。そして、時間同様就業場所についても、個人による選択と自己管理が求められていくことについて考えました。 https://note.com/fujimotomasao/n/n69ee0a4f651a 今日も、テレワークをテーマに考えてみます。 1月20日の日経新聞で、「テレワークの生産性 出社時の8割強」という記事が掲載されました。以下に、一部抜粋してみます。 ~~パーソル総合

勤務地の制約が消える?

前回の投稿では、労働時間管理という概念が希薄化していくのではないかということをテーマにしました。つまりは、私たちの就業環境において、時間の制約が弱まっていくということです。 https://note.com/fujimotomasao/n/n3c85fe47dfee 今日は、場所の制約について考えてみます。 1月19日の日経新聞で、「テレワークで勤務多様に 富士通は遠隔地に居住解禁」という記事が掲載されました。以下に一部抜粋します。 ~~新型コロナウイルス感染拡大で、テレ

事業のロマンを引き継ぐ対話② ~「自他軸」で語り、意味づけると「ミッション」が見えてくる~

3回シリーズで書いてます。その2回目です。 とある会社の事業承継をお手伝いしています。今回、特に意識しているのは、事業の「ロマン」の承継です。現社長と次期社長の親子の対話を支援しながら、会社の長期構想の立案と承継を進めています。 2人とも仕事に対する意味づけが巧みだと感心しています。その様子を振返っているうちに、「時間軸」「自他軸」「感情軸」の3つの軸での事業の意味づけがあることに気づきました。前回は、「時間軸」の話でした。 自社の「過去」「現在」「未来」を語ることで自

労働時間管理が消える?

1月14日の日経新聞に、「70歳以上の雇用、企業3割が制度」という記事が掲載されました。現在は65歳、少し前までは60歳が定年・仕事から離れる、のが一般的とされていましたが、さらに延びる流れが本格化したように感じます。 同記事の一部を以下に抜粋してみます。 ~~厚生労働省が実施した高齢者の雇用状況に関する調査によると、70歳以上も働ける制度を用意している企業は2020年6月時点で31.5%と前年同月比2.6ポイント増えた。07年の調査開始以来、過去最高を更新した。 人手

対面コミュニケーションの意義

前回までの投稿では、ある企業様での動画を活用したコミュニケーション施策をテーマにしました。動画の効果・利点のひとつとして、「テキストに比べて多くの情報が効率よく伝わること」を挙げました。 前々回の投稿では、メラビアンの法則について取り上げましたが、 https://note.com/fujimotomasao/n/n4b731d71f18e 改めてグロービス経営大学院のサイトを参照してみます(以下引用)。 ~~メラビアンの法則とは、1971年にカリフォルニア大学の心理学者

動画を活用したコミュニケーション(2)

前回の投稿では、ある企業様での動画を活用したコミュニケーション施策をテーマにしました。閲覧のハードルが低く、多くの情報が効率よく伝わり、感情でつながりやすく、記憶に残りやすい、といった動画の効果・利点について考えました。今日もその続きです。 https://note.com/fujimotomasao/n/n4b731d71f18e 同企業様では、趣味や今はまっていることなど、何でもいいので一人につき2-3分程度など時間を決めてプレゼンする。そして、プレゼンした社員は次の社