見出し画像

カレーガチ勢が集まる家「東京マサラ部室」に出会い、ズブズブの関係になるまでの話

#どこでも住めるとしたら

「もし、場所の制約がなくどこにでも住めるとしたら」
誰しもが妄想したことがあるであろうこのお題に、ほぼ毎日カレーを作っている"カレーガチ勢"の僕が考える、理想の住処と暮らしについて書いていこうと思う。

結論から言うと

実は理想の暮らしは手に入れている。

僕は今東京で暮らしながら、ガチのカレー好きが集まるコミュニティ「東京マサラ部」でカレー活動をしている。

元々はカレーシェアハウスとして始まったのだが、現在は解体し、最近はシェアハウス時代のメンバーの家やお店に集まってカレーの研究活動をしている。ここからは特に思い出が濃かったシェアハウス時代のことを書いていこうと思う。

東京マサラ部とは

「日本にインドをつくる」をビジョンに活動しているインド料理コミュニティ。カレー・スパイス好きが集まり、日々カレーの研究・実験・情報交換など活発に行われている。

部室の中の様子

DIYしたスパイス専用棚。60種類くらいのスパイスが並べられている。
本物のナンを乾かして作られたナン時計。
時間はインド時間(日本より3時間半遅い)に合わせられている。
インド現地で購入したインド食器①
インド現地で購入したインド食器その②
インド現地で購入した調理器具。
上が「ウェットグラインダー」という豆をペーストにするためのマシーン。
下が「アンミッカル」というスパイスをすり潰すための石うす的なやつ。
本棚も充実。インドで買ってきた本もあるし、日本で手に入るカレー・インド料理関連本はほぼ全て揃っている。

一般人に伝わるかわからないが、ガチのカレー好きである僕にとっては夢のような場所。


この家の家主である「カレー哲学たん」曰く、「コロナ禍でインドに行けなくなったから、代わりに日本にインドを作ることにした」というのが東京マサラ部室を作った理由とのこと。変態すぎる。

理想の住居と生活をもとめて移住する人はいるだろうが、理想の住居と生活をここまで自分で作りあげる人はそうそういないと思う。
東京マサラ部室には、ガチのカレー好きが集まるのはもちろんのこと、日本で暮らすインド人もしばしば訪れ、部室のキッチンで故郷のインド料理をふるまってくれたりすることもある。まさに「日本の中にインドがある」状態。

友達のインド人ママに東京マサラ部室で手料理を作っていただいたとき
完成した料理がこちら。めちゃくちゃ美味かった。

ちなみに部室があった頃の普段の食事はこんな感じ。
家主のカレー哲学をはじめ、遊びにきた人たちがどんどんカレーを作るので、冷蔵庫には常に5~10種類カレーがストックされている。味もお店顔負けのクオリティ。
ここに遊びにくるとこのくらい豪華なカレーを毎日のように食べられる。

京大カレー部の人たちと一緒に作ったターリー
ネパールの定食「ダルバート」
スパイス炊き込みご飯「マトンビリヤニ」
週末はカレー好きたちが集まってパーティをすることもある。
この時はインドの東西南北のカレーとパンをそれぞれ作った。
パーティその②。
南インド・ケララ州最大の祭りで提供される特別料理オーナムサッディアを再現。
バナナの葉っぱにたくさんのカレーを盛り付けて食べる。

そもそも自分は何者なのか

僕はアマチュアのカレー作りが好きな人。自宅で作るだけでは飽き足らず、インド料理店でアルバイトしたり、「コバタロカレー」という名前で間借りカレーやビリヤニ教室もやるくらいにはカレー作りガチ勢。カレーを食べるためだけにインドに行ったこともある。

仕事は色々あって休職中。そんなわけで時間があるので、東京マサラ部室に気軽に遊びに行ける状態なのだ。


東京マサラ部に出会いズブズブになるまで

ここからは、東京マサラ部に出会い、今のズブズブの関係になっていくまでの経緯を書いていこうと思う。

きっかけはエイプリルフールネタ

2020年4月、コロナ渦でどこにも行けず、誰とも会えず、自宅で暇を持て余していたとき。Twitterを眺めていると、驚くべき記事が目に飛び込んできた。

・深夜を回ると「カレーとは何か?」ということで議論が白熱したり、勢いでカレーを試作し始めたりする。そんなこんなで毎日楽しい。

・作業部屋にはメンバーの一人であるチャイ研究家が作ったチャイをいれるチャイサーバーが置いてあり、毎日ではないがおいしいチャイが飲める。

・スパイス類は全員の共有財産のため、適切な保管状態で一通り揃えており、いつでも使い放題だ。もちろんスパイスを挽くミルや圧力鍋やスパイスを加熱するための小さい鍋であるタッカパン、ステンレス製のインド食器なども一通りは揃っている

毎週土曜日の夜はカレーデーと決まっており、みんなが思い思いのカレーを作る。不揃いだがそれらを一皿に集めて変則ターリーのように食べたりすることもある。

なんだここは…夢のような場所じゃないか!!!
当時インド料理店で働きながら積極的に間借りカレーをやるくらいカレー熱が高かった僕は、同じくらいカレーに熱をもっている人と直接話してみたかった。そんな中、目に飛び込んできたこの記事はめちゃくちゃ深く刺さった。「メンバー募集」と書いていたので早速連絡しよう!と思ったところで、エイプリルフールのネタであることに気づいた。

そうかあ、ないのかあ。現実化したら絶対にいきたいなあ。と思ったあと、そのまま記憶から薄れ月日が流れていくことになる。


東京マサラ部室、本当に出来ていた

2021年5月、カレーシェアハウスのエイプリルフールから約1年。カレーシェアハウスのことをすっかり忘れていた自分の目にまた驚くべき内容が飛び込んでくる。

カレー界隈では有名なお方「カレーおじさん」による東京マサラ部室潜入動画が公開されたのだ。
東京マサラ部室、あれから本当にできたのか。
実は2020年の8月からやっているらしい。あのエイプリルフール記事からわずか4か月で現実化している。行動力すごい。ていうかエイプリルフールのあの記事に書いていたことがほぼ実現されている。すげえ…!!

この動画をきっかけに、東京マサラ部室の家主「カレー哲学たん」にTwitterのDMで連絡を取り、そして実際に遊びにいけることになった。

※東京マサラ部は現在はシェアハウスとしては解体していて、この動画を含め、この後に出てくるエピソードはシェアハウス時代のおはなし。この頃は一軒家を借りてシェアハウスとして運営されていたのでカレー哲学たん以外にも住人がいた。

※現在の東京マサラ部は拠点が存在せず、シェアハウス時代のメンバーの家やお店を使わせてもらって集まって活動している。

初めて遊びに行った

2021年8月、そんなこんなで、8月の終わりに初めて東京マサラ部室に遊びにいけることになった。
東京マサラ部室では毎月テーマを変え、特定の地域や料理を研究するゼミというものがオンラインで行われている。僕が初めて行ったときはビリヤニ月間(※ビリヤニ=スパイス炊き込みご飯的なインド料理)で、その日はオフラインイベントとして、巨大な鍋で20人前のビリヤニを炊くというイベントが行われる日だった。
本当は部室でカレーヲタクたちとがっつりお話ししたかったのだが、この時期はコロナ感染者が増えているということもあり、"部室でのイートインはなしで、ビリヤニの受け渡しのみ行う"という、接触は最低限しかできないというという状況だった。

部室にお邪魔して、キッチンでビリヤニをもらい、すぐに帰った。
滞在時間は5分くらい。自己紹介を軽くする程度しか会話できなかった。

たった5分だけだったが、それでも十分ヤバさの片鱗が見えた。
家の前についた時点でスパイシーな匂いがあたりに漂い、キッチンには壁一面サイズのスパイスを置くための棚があったり、インド民族音楽BGMが流れてたり。

一番衝撃的だったのは、買い出しから帰ってきた住人が「ただいマサラ~」と挨拶して、それに「おかえりなさインディア~」と返していたこと。ボケとかではなく、ナチュラルにこのやりとりをしていたので、この家に遊びにくる人たちの間では普通のことのようだ。

ここヤバいかも…。
でもすごく面白い…!!

ちなみにこのときにいただいたマトンビリヤニ、マジで美味かった。

東京マサラ部室からお持ち帰りしてきたマトンビリヤニ。

だんだんと会う頻度が増えてきた

2021年10月。衝撃の初訪問から2か月、コロナの波が落ち着いてきたころ、東京マサラ部企画のイベントにお誘いをいただけるようになったので、月に一度程度遊びに行くようになった。

東インドオディシャ州の料理研究家patsuさんのオディシャ料理教室に参加したり、

トマトの種類だけを変えて同じカレーを25種作って食べ比べる実験をしたり

ビリヤニ作りガチ勢が集まり、最強のビリヤニを決める「バキバキ!ビリヤニバトル」に参加したり

エイプリルドリーム「マサランド」

2022年3月、東京マサラ部と出会ってから約半年、この頃にはマサラ部室によく来る人たちと結構打ち解けていて、イベントなどがない日でも週一くらいで遊びに行って部室のキッチンでカレーを作ったりしていた。
そんな中で、今年のエイプリルフールでまた盛大な企画をやりたいということで、3月29日にカレー哲学たんからこんなラインが飛んできた。

秒で返信した

僕は学生時代デザイン系の学科にいたこともあり、素人に毛が生えたレベルのデザインスキルはあったので喜んで協力した。今度は仕掛ける側として参加できることにとてもわくわくした。やるからにはとことんやろうと思い、20時間くらい寝ず食わずでぶっ通しで夢中で作った。
その時作ったポスターがこちら。

素人なりにリアルさにはこだわった。

エイプリルフール当日、マサランドはカレー界隈では結構話題となり、本当に新大久保まで探しに行く人がいたり、テーマソングが生まれたり、結構盛り上がった。嬉しかった。頑張った甲斐があった。


その後、東京マサラ部室のみんなで沖縄にいって、山羊のビリヤニを40人前作ったり

沖縄の公民館をお借りして近所の方にビリヤニをふるまった

マサラ部室メンバーと一緒にインドにカレー食べに行って、現地の料理教室にも参加したり

地元民でにぎわう食堂で飯を食ったり
インドの有名ホテルの料理教室にも参加したり

そしてズブズブへ…

そんなこんなで、東京マサラ部室に集まる人とどんどん仲良くなり、出会って一年足らずなのに、毎日のように会っていたらいつの間にか10年来の親友くらいの親密な関係になっていた。

最初は月1くらいで会っていたのが、気がついたらほぼ毎日東京マサラ部室に通うようになってしまっていた。

その後、東京マサラ部室はシェアハウスは解体してしまったが、現在もシェアハウス時代のメンバーの家やお店に集まって活動している。

当時は「毎日誰かしらが遊びに来てカレーを作り、カレーについて議論したり研究したりしている」という異常な環境で刺激的な日々を過ごしていた。


まとめ

「#どこでも住めるとしたら」
ということで、シェアハウスとしての「東京マサラ部室」は今はなくなってしまったが、いずれはマサランドを本当に作って、そこの居住区に東京マサラ部のメンバーと住むのが夢だ。東京マサラ部室も現実化したし、マサランドも本当に作れるといいな。

ということで、これからも東京マサラ部のみんなと楽しくカレーをやっていこうと思う。

最後まで読んでいただきありがとうございマサラ!


ちなみに、僕はnoteメンバーシップをやっていて、そこでガチのカレーやスパイス料理のレシピを載せているので、こちらもしご興味があればぜひ。初月無料なのでお気軽にどうぞ。


もっと応援していただけるという方へ。
Amazonのほしい物リストあります。なんでもいいので送っていただければそのたびにあなたの徳が上がります。
あるいはこちら経由で買い物していただければそのたびにあなたの格が上がります。

※ご支援いただいたものはカレーの研究に使わせていただきます。
それはやがてカレーのレシピや情報となり、あなたに還元されます。

投げ銭すると喜びます。いただいたお金はカレーの研究に使います。 お問い合わせはTwitter・Instagram【@kbtr_curry】のDMか、メール【kbtr.curry@gmail.com】へお願いします。