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#44 僕がカレーシェアハウス【Masala Share House】を作った理由

最近気づいたことがある。人の作ったカレーはおいしい。そして、どうやら人は、集まっていると死ににくくなるようだ。

なぜこんなことを言うかというと、この早春、カレーの下に人が集うことをコンセプトにしたシェアハウス、【Masala Share House】を運営しはじめたからだ。詳しい場所は伏すが、JR中央線沿いに一軒家を借りて今のところなんとか楽しくやっている。


↓メンバーの一人、ジュピター石田の作ってくれたコンセントムービー。

https://www.youtube.com/watch?v=7VH7cQPhny4&feature=youtu.be



「カレーは手段ではなく、常に目的である」というコンセプトで集まったため、住人はカレーにストイックだ。ただ、お互いにカレーを強制するようなことはない。みな、気付いたら自然にカレーを作り出しているような奴らなので、話題の中心は常にカレー。

深夜を回ると「カレーとは何か?」ということで議論が白熱したり、勢いでカレーを試作し始めたりする。そんなこんなで毎日楽しい。

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お店のカレーもそうだが、他人のカレーを食べると毎回何かしらの発見がある。自分では思いつかないような技を使っていたり、何気ない野菜の切り方に特徴があったり。他の人の作ったカレーというのは、それだけで何故だかおいしいのだ。(たまにまずい実験作に出会うこともあるが)。

ハウスの固定メンバーの他にも、友達や知り合いがカレーを作りに来てくれたりすることがあり、だんだんとMasala Share Houseが、カレーな人々との流動的な交流ができる「場」として機能し始めている。


↓ブログはこちら↓

「カレーは読み物」


シェアハウスを作った理由

僕はカレーを作るのが好きだ。そして、作ることで事実としてのカレーを理解したい。能くカレーを作るものが能くカレーを理解する。何かを作り出すという行為に没頭すると、無心になれる瞬間がある。例えば、玉ねぎを刻んでいるとき。油でスパイスを熱し、香りが立ち昇るとき。玉ねぎの色が徐々に変化し、縁が色づいて音を立て始めた時。パウダースパイスを入れたときに一気に変化するアロマを鼻腔に取り入れたときには思わずニンマリとしてしまうものだ。

しかし、没頭して次から次へとカレーを作っていると、気付いたら一人では到底食べきれない量ができてしまったりする。そんなときに食べてくれる人が常にいる環境が欲しかった。東京は今こんな状況なので部屋に篭り切ってカレーを作りまくってしまうのだが、少なくとも食べてくれる口があるということに感謝している。

更には、カレーについての思考を深めていくためには他者との対話が欠かせない。それは閃いた何気ないアイデアを試してみるモチベーションにもなるし、自分では気づかなかったようなことが対話の中で明らかになったりする。

シェアハウスには、こうしたカレーを作りまくれる環境を整えることでカレーの探究を進めるという目的と同時に、生活のセーフティーネットとしての役割もあると思っている。何人かで一緒に住んでいると物々交換で済むような小さな経済圏が出来上がるし、とりあえずの食べ物はなんとかなる。もし職を失っても当面は大丈夫だ。


そもそも、昔は日本でも長屋暮らしや大家族での生活が普通で、こんなに人々が分断された暮らしをしている時代はごく最近のことに過ぎない。アジアを旅して、よくわからない暗闇にひしめき合うようにたくさんの人が暮らしているのを目撃したことがある。人間だって動物なのだから、群れると死ににくくなるのだろう。

最近はシェアリングエコノミーが注目されているが、洗濯機も冷蔵庫も車も家さえも、一人で所有するのは無駄が多い。加えて東京はとにかく物価が高い。

僕たちはひしめき合って、カレーともに生きていく。


Masala Share Houseの暮らし

Masala Share Houseには、8人程度住めるようになっている。ボロボロの一軒家だが間取りは4LDK。リビングの他にドミトリーが2部屋、作業部屋が1つ。今のところ使い道が決まっていない部屋が1つある。

作業部屋は黙々と作業に集中したいときに使うので基本的に私語は禁止。在宅ワークの際はここで作業をするのが半ば通例になっている。作業部屋にはメンバーの一人であるチャイ研究家が作ったチャイをいれるチャイサーバーが置いてあり、毎日ではないがおいしいチャイが飲める。


メンバーからは、家賃の他に毎月「スパイス共同基金」をいただいている。スパイス類は全員の共有財産のため、適切な保管状態で一通り揃えており、いつでも使い放題だ。もちろんスパイスを挽くミルや圧力鍋やスパイスを加熱するための小さい鍋であるタッカパン、ステンレス製のインド食器なども一通りは揃っているが、この基金で更なる設備投資を進めていく所存。

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中古で入手したタンドール窯もキッチンに設置した。かなりの温度が出るため使いこなすのに苦労したが、思い思いのものをとりあえずタンドール窯に放り込んで焼いて食べる、タンドールパーティーは楽しい。

今はまだ実現していないが、自分の実家がある長野の契約農家から季節ごとの減農薬野菜を送ってもらうという話を進めており、これまで以上にいつでもカレーが作れる環境を整えていく。


小さいながらも庭があるので、カレーリーフ、カシミールチリ、コリアンダー、スペアミントは栽培を始めた。インドみたいに庭で鶏とかヤギを飼おうかという話もあったけどそれは流石にやめたw

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毎週土曜日の夜はカレーデーと決まっており、みんなが思い思いのカレーを作る。不揃いだがそれらを一皿に集めて変則ターリーのように食べたりすることもある。

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Masala Houseにあるカレー関連の本棚

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カレー関連の蔵書を一箇所にまとめてリビングに置いてある。

1段目…カレーの作り方
2段目...カレーの食べ歩き本
3段目...カレーの歴史などカレーを「考える」本

という風に並べてみた。


ガレージにはオートリキシャもある。これでuber eatsとかやったら面白そう。


こんな感じで、今のところ仲良く暮らしている。

僕はなんだかよくわからない感じで、フラフラとカレーを作ったりものを書いたり、音楽を楽しんだりしてこれからもQOCL(Quality Of Curry Life)高く生きていきたい。



メンバー募集

Masala Share Houseには現在4人の住人がいます。まだベッドには空きがあるので、カレーにストイックなメンバーを募集!条件は以下です。

・DQN禁止
・ハウスのコンセプト「カレーは常に手段ではなく目的である」に共感できる方。
・オートリキシャを運転できる方。(要普通免許)
・ドミトリー生活経験あり、または問題がない方
・インド的な衛生観念でも大丈夫な方。(週一で掃除の日は決めてあります)
・何かの変態であることが望ましいので、変態エピソードをお願いします(別にカレーじゃなくてもいいのですが、マニアックな人の方が適性高いと思います)


最後に、誰かが旅について語った言葉にこんなものがあるので引用したい。

  

速く行きたいなら一人で行け。喧嘩をしたいなら二人で行け。
遠くまで行きたいなら、みんなで行け。


僕は、カレーでちょっと遠くまで行ってみたい。さあ、ここではないどこカレ〜、一緒に旅に出よう。



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(追記)

今回の記事はTwitterで出会った仲間内4人で考えた、「架空のカレーシェアハウスをでっち上げてみんなで住んでいることにする」という企画でした。

エイプリルフールならぬエイプリルドリームということで、最近の荒んだTL上に、誰も傷つけない自分の夢を語らせていただきました。

「カレーを作ったり語ったりできる場を作る」というのは今年掲げた新年の目標でもあるので、落ち着いたらなんとか形にしたいと思います。

現在物件を探していますが、なかなか見つかりません!一軒家譲ってくれる方、仲間になりたい方、ご連絡ください!

まずはオンラインからカレーコミュニティを始めます。シェアコミュニティの初期費用としてサポートを受け付けていますので、暖かいご支援いただけますと幸いです。

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