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文筆家が最も困る「ネタ切れ」...ひらめかない時、していることは?【尾藤克之のオススメ】

『虹の岬の喫茶店』『おいしくて泣くとき』など数々のベストセラーを世に送り出してきた小説家・森沢明夫さんの初の実用書。今回紹介したい本書は、小説投稿サイト「ノベルアップ+」に寄せられた、小説の「書き方」に関する質問に一問一答形式で回答した「小説を書くための本」です。

プロだけが知っている 小説の書き方』(森沢明夫著)飛鳥新社

■「不幸な出来事=取材のチャンス」
「小説のネタはあなたの周りにいくらでもある」と、森沢さんは言います。

「ぼくは小説のネタに困ったことはありません。ネタは周囲にいくらでも転がっているからです。ほとんどの小説は、登場するキャラクターの心の上がり下がりを描くことで表現される成長物語です。ということは、心の上がり下がりを経験したことのある人に話を聞くことができれば、それはもう小説のネタになる可能性があるわけです」(森沢さん)

「人生で一度も心の上がり下がりを経験したことがない人なんて、そうそういませんよね?例えば、自分の近しい人に『ねえ、人生でいちばん苦しかったときのことを教えて』と頼んで、それを詳しく教えてもらい、さらに『その逆境をどうやって乗り越えたの?』と聞けば、一気に物語の結論までもらえちゃうわけです」(同)

主人公が挫折をして苦しみ、それを乗り越えて成長する。その一連の流れがわかれば、もう短編のネタとして使える、ということです。

「ネタは、そのまま使うのではなく、自分なりの脚色を加えましょう。それができたらプロットはほぼ完成と言っていいでしょう。長編にしたければ、まったくつながりのない二人から話を聞いてネタミックスしてみるのもありです。どこにでもありそうなネタを組み合わせれば、オリジナリティのある長編のプロットができ上がるのです」(森沢さん)

「小説家にとっては、『不幸な出来事=取材のチャンス』だということを覚えておいて下さい。ぼくは、自分の身に不幸が降りかかると、取材をスタートさせています。自分は、その不幸な出来事をどう感じ、どう行動しどうやって立ち直っていくのか。また、そのとき周囲の人たちは、何を言いどんな言動をしたか観察しておくのです」(同)

続きはJ-CASTニュースの記事をお読みください。本記事は無料です。


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