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大使館と公使館と領事館

 ふと気になったので、
 大使館
 公使館
 領事館
 について調べてみました。
 せっかく調べたので、それぞれの違いについてまとめておきます。


大事なのは誰が働いているか?

 結論から申しますと、これらの違いは『誰が働いているか』という違いでしかありません。

 どんな役職の外交官が勤務しているのか?
 赴任してきているのが大使なのか、公使なのか、領事なのか?
 違いはたったこれだけです。
 ”大使”が仕事してるオフィスだから”大使館”と呼んでいるだけ。
 これが”領事”の仕事場であれば、そこは”領事館”と呼ばれるわけです。

 施設そのもの、オフィスそのものに意味があるわけではなく、そこで働いている外交官の役職によってこれらは分類されます。

 でもこの役職の違いが大きな意味を持ちます。

 たとえば、外交官における最高ランクは”大使”ですが、
 大使は最高責任者だからこそ、すべてのあらゆる業務を取り扱います。
 ・自国と赴任国との外交の処理
 ・赴任国での自国民の保護、行政サービス
 ・そのほかほとんどなんでも……
 これが”大使”という役職の仕事です。
 外交に関するその国での総元締め。
 だから”大使館”はたいてい赴任国の首都に一か所だけ設定されます。
 総本山だからひとつでいいのです。

 その一方で、”領事館”は違う性質を持ちます。
 ”領事”の仕事は、『自国民の保護と行政サービス』。
 だから”領事館”は『外国にある市役所』と呼ばれることもあるようです。
 そうだとすれば”領事館”が複数の都市に設定されているのも納得です。
 だって”市役所的オフィス”なのだから。(市役所的窓口が首都にしかないとしたら海外の地方に住んでる日本人は不便で仕方ありません)
 そして市役所ではふつう外交は扱いませんから、領事館は外交をその主目的としません。
 あくまでも、外国にいる自国民のための窓口であって、外交処理を積極的に行うことはないのです。

 次に”公使”ですが、公使のランクは「大使に次ぐ」とされています。
 つまり大使よりはちょい格下なのです。
 それで外交も自国民へのサービスもどちらも請け負っていますが、現在は大使のサポートオフィスという色合いが強くなっています。
 ※かつては重要な国には”大使”、そうでもない国には”公使”、という感じに派遣されていたようですが、いまではほとんどの国が”大使を交換している”ので、あくまでもサポート的に赴任しているのだとか。


調べるって楽しい

 以上、『気になって調べてみた』のまとめでした。

 いやほんと調べるって楽しい、知るって楽しい、わかるって面白い。
 ほんとうは”特命全権大使”とか、”総領事”とか、まだまだ書きたいことはたくさんあるのですが、"note"ってあまり長くなってもつまらないので、今回はこのあたりで。

 ふとした瞬間気になったこと、おかしいと思ったこと、不思議に感じたこと。
 こういうものを「まぁいっか」で放置せずにちゃんと調べてちゃんとまとめられる「そんな大人になりたいなぁ」と思います。(自省自戒)





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