#7 「過半数」

今日の映画は「チョコレートドーナツ」

前々からおすすめされていて、今日やっと観れた。
こんなに可愛い題名ですが、超考えさせられるお話です。

実際にアメリカで起こった「障がいを持ち、母親に育児放棄された子どもと、家族のように過ごすゲイの話」が元になっています。

アラン・カミングのお芝居が最高すぎるので、観てない人は観て欲しい。
決してハッピーな話ではないので、観るタイミングは気をつけて。

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主な登場人物は三人。歌手を夢見ながらも、ゲイバーで口パクのショーダンスをしてその日暮らしのルディ。ゲイであることを隠しながら、正義を信じて弁護士をしているポール。母親の愛情を受けられずに育ったダウン症のマルコ。

この３人の関係は突如始まって、突如終わりを告げます。ゲイバーで出会ったルディとポール。ルディのお隣さんのマルコは母親が捕まってしまったことで施設に送られることになるのですが、そこを抜け出してひたすらに歩いているところをルディが発見し、ポールの家で三人で暮らすことになります。

ずっと居場所がなくて、初めて自分の空間ができたことで嬉しくて泣いてしまったマルコ。マルコによって一緒に暮らすことになったルディとポールの三人で、本当の家族のように幸せに暮らすことになります。

それもつかの間。法的にマルコを引き取ろうと、マルコの母親に了承をもらい、裁判に臨んだことで、三人の暮らしは終了。マルコは施設送りに。

この映画は1970年代のお話。ゲイだからという理由で刑務所に入れられてしまうくらいまだまだ差別の厳しかった時代。

そんな時代だから、裁判は難航。んー、詳しく書きたいけど、映画を観て欲しいからなあ。

みんながこんなに愛情深い人だったら幸せなのに。本当にいい家族だった。

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この映画を観て思ったことは、「普通と違う」というだけで、「生きづらくなってしまう」ということ。

この「普通」というのは、誰が定めたわけでもない、ただの過半数。多数決のようなもの。今この2010年代、特にここ数年はLGBTの映画が増え、理解のある人が増えてきたように思う。

私も特に気にしない派。男の人が男の人を好きだろうが、女の人が女の人を好きだろうが、そんなの関係ないって思っちゃう。けど、まだ色眼鏡で見てしまう人は多いと思うなあ。

少し論点はずれたけど、この「過半数と違う」ことは何故か人間にとっては大問題で、このお話のようにどんなに「子供を放ったらかして薬物と男に依存する母親」の方が「他人なのに無償の愛を注ぎこむゲイ」より優れているらしい。

わざわざ映画の風潮に則って「ゲイ」と書いているけれど、一個人として見れないのかな、って思ってしまう映画だった。正しい人はいっぱい出てくるけど、上が正しくないんだからどうしようもない。

この裁判を見ていると、本質からかけ離れた論が交わされているのに、それが良しとされてしまう現実を突きつけられる。

これもまた、確率論なのだと思う。確率論なんて本当にくだらないなと思うけれど、法律の世界であってもそれがまかり通ってしまうし、何故か納得してしまう人が多いと思う。

LGBT問題以外にも、「犯罪を起こした親の子供なんだから危険だ」とか、「日本人だからこうで、〇〇人だからこう」とか、「学歴がどーのこーの」とか。

確かに環境で形成される部分はあるから確率論はあるけれど、そんなの確率が少し他の人より高いかもねくらいで、絶対じゃない。ってみんな分かってるはずなのに大事な判断だと誤ってしまう。ゴシップネタにしたり。なんでなんだろうね。

なんでなのかは大体わかるけれども。人間は大体自分と違う価値観の人に嫌悪感を抱くし、自分が上でいたい、自分は「普通」でありたいと思うものだから。

この映画を観て思ったのは、「その人自身」より「その人のプロフィール」を重視する人が多いということ。そして「過半数」の人たちは「少数派」を蹴落とそうとすること。現代社会がそうかは知らないけど、この映画の世界観ではそうだった。

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すっごい深い映画すぎて書きすぎてしまったよ。
でも、本当に観て欲しい。いつもこういう映画を見ると考えすぎてしまう。
「グリーンブック」とかもそうだったなあ。

おしまいっ！観たことある人は感想ください！聞きたい！

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＜今日の映画・ドラマ＞　

「チョコレートドーナツ」（Any Day Now）
　＊製作国・年：アメリカ・2014年
　＊監督・脚本：トラヴィス・ファイン
　＊出演：アラン・カミング、ギャレット・ディラハント、アイザック・レイヴァ

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