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ガイナーレ鳥取アンソロジーVolume6( #オールガイナーレ 時代と今後)

さて、このシリーズも遂に最終回。例によって登場する人名は敬称略なのでよろしく。

2019年

ところで皆さん。「 #オールガイナーレ 」と何故言われているかを知っているだろうか?

このシーズンから監督を引き受けた髙木理己が新体制発表会見に於いて、何気なくそれを口にしたことが始まりだった。

彼は会見の最初の段階で「オールガイナーレ」を何度か口にした。たぶん、髙木としては考えての発言と言うより、チームとしての一体感を手っ取り早く表すのに相応しい言い方としてこの言葉を使ったものと思うのだが、その言い回しが、どういうわけかファン・サポーターに響いてしまった。

自分ですらこんなツイートをしている。

挙げ句、noteにこんな記事を書いてしまい

更にエスカレートして、ブログとは違う切り口のnote版試合回顧記事のタイトルにまで使う始末。

乗れるものには乗っちまえ、というカルいだけのきわめていい加減な性格が丸わかりだな、自分は。

まあ、自分ですらこういう有様なので、応援の皆さんも当然この言葉に呼応することになって、できたのがこういうチャント。

これは、試合の入りの時に歌われることになった。正直、この見本音源でなく試合会場でライブで最初にこれを聞いた時、メチャメチャゾクゾクしたのを覚えている。チャントはだいたい見本音源よりも、会場で現物を聴いた方が良いに決まっているのだが、これは特に良かった。
今季(2020年シーズン)も使うのかは知らないが、ぜひ使っていただきたいものだ。

今だから言うが、「#オールガイナーレ」を決してブームとして消費されてしまうような一過性の言葉にしてはいけないと思う。あの会見で髙木が示した思いは本物だろうと思っているし、だからこそ、彼を、ひいてはガイナーレ鳥取を、更にひいては株式会社SC鳥取を信用してついていこうとしているわけだ。

J2に昇格すれば、株式会社SC鳥取が飛躍的に儲かったりするというわけではないだろう。そういうものではないのだけど、その可能性を切り拓く端緒ができるかもしれない。簡単に言うと、商売の可能性が広がりやすくなるということが言える。
このように、商機を拡大するためにも、手段をより充実させるという観点から、所属カテゴリを上げていくことは重要だと思う。J2にいる時は、J2にいる時なりの商売の方法があるはずだ。
それを会社の中の人々は懸命に考えついてほしいし、方法として、今やっている芝生の事業を更に拡大するなど、手法の充実などが考えられよう。

株式会社SC鳥取は、単純にガイナーレ鳥取を通じてスポーツの試合を提供するだけでなく、この芝生事業にも代表されるように、地域貢献にも乗り出している。その認知度をより高めることは最重要課題と言えるだろう。

さて・・・クラブ経営的な話はひとまず置いといて、チームの話をしたい。このチームには2019年、いろんな選手が入った。

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特に正直なところ、福村貴幸(現・東京ヴェルディ)には本当に驚いた。あの選手が来るわけないよ、と思っていた選手だった。
自分の中では、2013年シーズンの永里源気や翌2014年シーズンの倉貫一毅ぐらいの驚きがあった。写真に撮って、これぐらいワクワクする選手もそうそういないと思う。

こちらがそのプレー集。この数々を見てもわかるのだが、福村貴幸は何ともはやワンダーの豊富なプレーヤーではないか。このワンダーの数々が見るこちらの胸を熱く打ち続けた。良い選手だった。本当に良い選手だった。
僅か1シーズンのみの在籍で、東京ヴェルディに移籍してしまったが、彼は現状のガイナーレ鳥取にいつまでも留まるべきではないと思う。それだけのポテンシャルを持った男なのだ。
たぶん、2019年シーズンの彼は、心技体共にピークか、それに類するシーズンだったんじゃないかと思っている。偶然の巡り合わせもあろうが、そんなシーズンに来てくれて、本当に嬉しかったし、いくら感謝してもし足りないぐらいだ。
もしこの先、ガイナーレ鳥取がもっと上のカテゴリに進むようなことがあったなら、その時こそ満を持して、彼を三顧の礼を以て迎えたいと思ってしまう。福村貴幸とはそういう価値のある選手なのだと個人的には思っている。

そんな福村と対照的に、ブラジリアンの二人、ユリとアドリエルは、正直なところ、印象は残念ながら非常に薄いと言わざるを得ない。

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ユリの場合は、馬力のありそうなスタイルでプレーする選手という印象を持っていたが、その馬力をうまく出させてあげられなかったんじゃないか。
アドリエルは逆に屈強というイメージよりは、スマートにプレーをしていくというようなイメージがあった。

あくまでも自分の見方ではこうだ、というだけで、実際にはそういう選手ではないかもしれない。何しろサッカーのテクニカルな面にはからきし疎いにもかかわらず、長年ガイナーレ鳥取についてのブログを書き殴っているような男の、適当な戯言だ。信頼性なんかあるわけがない。戦術論や技術論は、それらが得意な人たちがやれば良い。

ともかく、アドリエルはまだそれでも試合で何度か見る機会もあったが、ユリはというと、なかなか出場機会は多くなかったのではないか。序盤に怪我をしてしまったしね。

ホーム開幕戦のギラヴァンツ北九州戦では、交代での登場直後にこういう有様で・・・

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結局

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こうなってしまった。ユリにはツキがなかった。俗に「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」などと美人を喩えるフレーズが使われるものだけれど、このユリは、その言葉を出すまでもないような気がした。
この二人と前シーズンからいるヴィートルガブリエルも、今一つブレイクしきれないでいた。レオナルドの印象があまりにも強烈すぎたが、何にしろ、若いブラジルの3人はくすぶり続けてしまった印象がある。

ともあれ、これら新戦力に従来の選手たちが加わり、充実しているかに思われたが・・・。

開幕第2節と第4節は、とりスタとチュスタで、上記のギラヴァンツ北九州戦@とりスタとカターレ富山戦@チュスタだったのだが・・・。

両試合とも生憎の天気だった。第2節は後半途中から霰が降り出すなど見てる方もやっている方も大変なコンディションだったし、第4節も試合中何度も雨に降られ、それが強まったり弱まったり。

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北九州戦はそれでもこれぐらいはお客が来たのだから、まだ良かったのかもしれない。これで試合に勝ってれば尚更だろう。
富山戦も2000人に僅かに届かなかったが、これも天候を思えばまだマシだったと言える。

ただ・・・これら2試合では「W開幕」を謳い、2試合で1万人を集めようと集客に力を入れていたのだけれど・・・。

生憎の荒天が重なり、結論から言うと・・・

北九州戦=2686人
富山戦=1943人

という観衆しか集められず、前途多難なことを印象づけることになってしまった。

開幕直後には故障者も非常に多かった。三沢や前述のユリのように試合中に故障する選手もいれば、フェルナンジーニョのように元々故障を抱えていた選手や、小林などのようにトレーニング中に故障する選手もいた。こうした事情もチームを苦しめた。

序盤のある時期までは、故障者も多数いるなどで非常に苦しんだが、戦力的な低落にある程度歯止めがかかると、次第に持ち直し始めた。

特に攻撃面では、この選手が大ブレイクした。

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林誠道(現・FC今治)である。

プレー集をまとめた動画もこのように作られた。ここでの動画が示すように林はリンクマンにもなれればストライカーにもなれ、どんな役割も厭わずこなした。その才能が開花するのは、必然の事象だったのかもしれない。
出場26試合で11ゴールという結果は伊達ではなかった。

特にこのFC東京U-23戦@味フィ西で見せた得点などは、あまりの美しさに度肝を抜かれた。
前に、ティエリ・アンリが似たようなゴールを決めているが、それを思い出してしまった。

そんな林だが、終盤戦は故障があったのか試合には出場しないことが多く、少し物足りない面もあったが、まあ、それでも実績は示したのだから、彼なりには良かったし、チームもこういう選手をブレイクさせることができたのだから、悪いわけではない。

とは言え、結論から言ってしまえば、7位でシーズンを終え、昇格も何もなかった。

だが、このように結果こそ出なかったシーズンだが、見ているこちらはそこまで落胆するようなシーズンでもなかったと感じている。パフォーマンス的にはそこまで言うほど落ちているわけでもなければ、故障者が少なくなり戦力的に安定さえすれば、面白い存在に十分になれていたであろうから。
その意味で、この2020シーズンは期待できるだろう。

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こういう名前のパン店がスポンサーの一角に名を連ねて話題をさらったりもした。

また、先程もチラッと出てきた選手の幟旗を募金等により作ってもいる。

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これが並ぶ様を見た時は、良いものができたなあ、と非常に感心して見ていたような記憶がある。

今季もあるらしいので楽しみだ。

そして2020年は・・・

未だに開幕していない。

世界的に流行しているCOVID-19が猛威を振るっていることが最大の原因だ。おかげで3月中の試合は延期となったが、何とか終息して、予定通りに4月から開幕にこぎつけてほしい。

ガイナーレ鳥取だけではないが、やはりこの種の娯楽が失われると精神的にささくれ立ってしまいがちで、気持ちの健康にも良くない。だから、まずはCOVID-19の流行が終息して、こうした娯楽を心おきなく楽しめるような日常が戻ってきてもらいたいと、心から願わずにはいられない。

立場や好みの違いはあるだろうけれど、多くの人たちが同様のことを願っているだろうと思う。こうした疫病騒ぎの狂騒曲が終息した先に、明るく楽しい未来が待ち受けているだろうことを強く願いたい。日本だけじゃなく、きっと世界的にも。

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