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問題解決あるあるコラム#4:「無計画な旅は本当に無計画なのか?」

こんにちは。いちおか@問題解決サポーターKAIOS代表です。

問題解決あるあるコラム第4回のテーマは、「無計画な旅は本当に無計画なのか?」です。旅と問題解決に何の関係があるのでしょうか?実はとっても深い繋がりがあります。では、今回も一緒に考えて行きましょう。


憧れの無計画旅行

その日の行き先も決めず気の向くままに好きな場所を訪れ、その日の宿はたどり着いたところで決める、気に入ればそこにしばらく滞在し、次に進もうと思ったらまたふらりと出発する、旅は一期一会、そんな旅に憧れますよね。計画に縛られない、そんな自由気ままな無計画な旅がしたい…。

でも、その無計画な旅、本当に無計画なのでしょうか?実はそうではありません。寧ろ綿密な計画に基づいて旅が実行されています。実は僕も学生時代、大学を一年休学をしてオーストラリアに渡り、バイクでオーストラリア大陸をぐるりと一周する旅に出かけた事があります。その時予め決まっていなかったのは、その日訪れる場所と宿泊先。そう、旅で一番必要な目的地です。これが決まってないと、殆どの人が「無計画な旅」といいます。でも、その一方で多くの事=ルールが自分の中で決められていました。最終目的は大陸一周、一日のおおよその移動距離、一日の食費、やってみたい事、宿泊はテント、予め決めておいた大きな街に着いたらバイクを整備する、何かあった時の連絡先・連絡手段を確保しておく、等など、自分の目的や行動指針を決めて、それらを判断基準にその日の計画を決めていました。本当に無計画で出発したら絶対にどこかで行き倒れです。

視点が計画を無計画に変える

この様に、人は自分で決めた判断基準から外れた物を「妥当である」と評価しません。計画はどんな視点で立てるかによって、計画的にも無計画にも見えます。どこに自由度を持たせるかはその人次第です。逆にほんの少しの自由度すら嫌う方もおられます。そういう方はパッケージ旅行に参加されるのが快適に感じられるでしょう。特に日本人は全て整えられたパッケージ旅行を好む人が多い様です。パッケージ旅行であればあれこれ心配せず安心して旅行を楽しむ事ができます。つまり、プロに「PDCA」のPを外注して、自分はDを楽しむ訳ですね。一方、自分でPを作り込んで、P通りDすることを好む人もいます。僕の場合は、Pの段階で全体日程(Delivery)や予算枠(Cost)を決め、その中で日々の行動や宿泊先は現地調整の余地を残し、そうすることで得られる旅の醍醐味(Quality)を楽しむ、という計画を立てた訳です。もちろん最重要の身の安全(Safety)にもその時できる最大限の備えをして。

しかし、これは実行するのが一人だから成立した、とも言えます。この方法に参画者が増えると必ず意見の対立が生まれ計画は破綻します。そうすると、本来の旅とは別の問題も発生してしまい、楽しかったはずの旅が台無しです。なので、複数で旅をするなら、ある程度行動が制約されても計画的な旅行の方が旅を楽しめるでしょう。複数の人々が集まり、現地調整の余地を持たせた旅行をしようと考えてみてください。きっと旅はてんやわんやです。トラブルこそ旅の醍醐味、という人も居るかもしれませんが、殆どの人がトラブルが起こると分かっている旅に出ようとは思わないはずです。

プロジェクトは無計画な旅?

ところが、我々が日々過ごす現場ではこの状況に極めて類似した環境にみなさんが晒されています。そう、新製品導入プロセスです。本来、大勢のチームメンバーが、最短で、最小コストで、快適に開発が進められる様にプロセスが設計され、そのプロセスに基づき計画を立て、決まり事を作り、進捗を確認しながら進めていくはずですが、現実は…。みなさん自身の方がよくお分かりだと思います。パッケージ旅行の計画を立てるどころか、現地調整の余地だらけの気ままな旅を大勢で開始し、様々な問題が発生していることでしょう。お互いが「出来てます」報告を繰り返し、隙があれば自責を他責に振り替え、膨大なやり直しコストをかけながら、常に時間との勝負に挑んでいます。

どうやら、製品導入プロセスだけはパッケージ旅行の方が快適な様です。大勢の人達を連れて憧れの気まま旅をリードするなんて、僕には絶対無理です。みなさんはどうですか?それでも気ままな旅を選びますか?

学生と違って社会人になると時間の制約があって、なかなか自由な旅ができないと言われますが、学生時代もいずれ終わりが来る訳で、大きな時間軸でみれば制約があります。大事なのは、時間軸を決めてその中で予め決める事と自由度を持たせる所を分けて、最終ゴールを明確にしておくことです。そうしておけば、例え短期間でも自由気ままな旅ができると思います。プライベートでは自由気ままな旅には出かけられないけれど、仕事では自由気ままな無計画旅を続けているみなさんも結構居られるのではないでしょうか?

まとめ

そんな訳で、今回のテーマ「無計画な旅は本当に無計画なのか?」でした。みなさんが「退屈」と思うパッケージ旅行の詳細、一度よ~く読み込んでみてください。実に良く出来た計画です。なにせ分刻みで行動が計画されていますからね。計画をしっかり読み込んでからツアーに参加してみると、「こんなに用意周到に色々と計算されていたのか!」という発見があって意外と楽しめるかもしれませんよ。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
それでは、また次回もお楽しみに!

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