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肌の触れ合いの大切さとベビーマッサージ

子どもは人との関わりの中で身体的・精神的発達を遂げています。


この人との関わりで非常に重要な要素が「遊び」になるのです。



お母さんとお父さん。
大人と赤ちゃん。
言葉のキャッチボールができない段階でも、遊びという行為によってコミニケーションが生まれ、結果子どもは発達が進んでいきます。



そして一番原始的な遊びの一つが、肌との触れ合いだと考えています。



肌との触れ合いが、赤ちゃんと大人の最初のコミニケーションだと考えています。


今回の記事では、人の発達にすごく大事である「触る」という行為の大事さを書いて見たいと思います。



肌との触れ合いが安心感を作る

赤ちゃんは生まれてきた時、お母さんのお腹の中にいた温かい、心地いい感覚から、外の冷たい、五感への刺激が非常に強い外界に突然産み落とされます。


今までいた穏やかな環境から、出産時の子宮や産道を通る時に感じる肉体的ストレス、そして産まれたら産まれたらで刺激の多い環境に放り出されるわけです。


このようにお腹の中と外の世界では、ガラッと世界が変わってしまうので、その時の赤ちゃんにかかるストレスは相当なものになると考えられます。



そういった外界にストレスを感じている赤ちゃんはお腹の中にいた時のような安心感を求めており、その時に重要になるのが肌のふれあいなのです。



実際に猿の赤ちゃんを使った研究があるのですが、猿の赤ちゃんをお母さんから離してしまい、針金で作った猿の置物と、温かく柔らかい毛布でつつんだ猿の置物を用いて行なった研究があります。



針金で作った猿の置物には哺乳瓶をつけており、毛布で包んだ猿の置物は哺乳瓶をつけていません。哺乳瓶でミルクを吸うためには針金で作った猿の置物から吸う必要がある環境を作っています。



赤ちゃん猿は、最初針金の置物の方でしかミルクを飲めないため、そこで必死になってミルクを飲もうとします。



しかし、面白いことに赤ちゃん猿が成長していくに従って、針金の置物にくっついている時間が少なくなり、最終的には毛布で包んだ猿の置物にくっつく時間が増えていったという研究結果が報告されているのです。



このように、赤ちゃんはぬくもりと柔らかさを感じると安心感を得ることができるのです。


そして、その温かさを得られるのが、先に書いた肌と肌のふれあいになるのです。


動物も肌のふれあい大好き


肌の触れ合いは哺乳類以降の動物から見られるようになります。


お猿さんなんかはよく毛づくろいをしていますよね。あれは安心感を得ることと群れでの地位の確認のために行われています。


その一方で爬虫類は、ほぼ肌の触れ合いを持たず、単独で生活しています。
爬虫類と哺乳類の大きな違いが社会性で、他者との関わり方が大きく変わるのだなと改めて感じます。

このように身体的な接触で安心感を得られた際に、私たち人間はオキシトシンというホルモンが分泌されます。



オキシトシンの大きな役割としては、カラダも心もリラックスさせる作用があるので、筋緊張を抑えたり、心から安心感を得るために必要なホルモンです。



そのように考えると、子どもの頃からたくさん接触してもらう事は成長するためにすごく重要な事だと考えられるのです。


ベビーマッサージをより良くするためのポイント


赤ちゃんの子育て支援教室において、最近人気な項目の一つにベビーマッサージがあるかと思います。


僕個人としては、お母さんと赤ちゃんのスキンシップの機会が増えるのならいいものだと考えています。

ただ、この時に意識すると、もっとステキな時間になるんじゃないかなという点が2点ほどあります。


それは、
触る時に力強く触らない
自分がリラックスしておく。


です。


まずは力強く触ろうとしない事が大事です。
当たり前の話ですが、赤ちゃんの体はすごくデリケートです。マッサージと考えると強く触ってしまいがちになってしまうかもしれませんが、強い力で触ってしまうと赤ちゃんビックリしてしまい、逆効果になってしまう事があります。


また、上手にやろう!気持ちよくなってもらおう!と意気込みすぎるのも赤ちゃんを緊張させてしまう原因の一つ。コミュニーケーション取ってるんだぐらいの感覚がベストだと思います。


もう一つ重要なこととしては、マッサージする自分自身がリラックスしておくことです。


隣に緊張している人がいると自分もなぜか緊張してしまう経験があるのではないでしょうか?


セラピストをしていると、自分のカラダが緊張していると、相手にも緊張が伝わってしまっているというのを体感します。


それぐらい触る側の緊張が抜けてリラックスしていることは非常に重要になるのです。


なので赤ちゃんにマッサージしてあげる際は事前にお母さんたちの緊張をリラックスするように介入していくことで、より赤ちゃんに安心感を提供できるのではないかと考えています。


簡単にできる大事なポイントは、

・指先をほぐす
・手の真ん中を軽くマッサージする

事かなと思っています。


指先の緊張は触られた相手に不快感を持たせてしまいます。

なので指先を軽くひっぱたり、捻ったり、爪を解してあげるなどして指先をマッサージしてあげるといいと思っています。


また、手の真ん中部分を軽く圧迫してあげると指先の力が抜けやすくなるので、よりリラックスした状態でマッサージを提供する事ができます。



一番大切なのは愛情

ここまで、マッサージの効果をより高めるポイントを記載してきました。


手をリラックスさせる事が非常に大事ですが、一番大事なことは「愛情をかける」です。


当たり前の話ではあるのですが、ベビーマッサージなどを学んだ時に、ベストを目指そうとしっかりとやる人も多いのですが、その頑張りが強すぎると、結果赤ちゃんの緊張を強くしてしまうことに繋がりかねません。


大事なのは愛情をしっかりとかけること。
テクニックにこだわるよりも、そのほうが赤ちゃんは安心感を得られると思います。


以上、根本的で非常に大切な「肌の触れ合い」の重要さを記載しました。
この触れ合いが多いか少ないかでその子の安心感や発達の程度が変わってきます。


是非たくさん自分の子と触れ合う時間を大切にしてくださいね。







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