「知ってるの深度」の話。



知ってほしいんじゃなくて、想像してほしい。

なんて大風呂敷を広げたものの、それってどうすりゃいいんだと、頭を抱えています。

とりあえず、普段感じているモヤモヤを書いてみようと思います。 



私がトランスジェンダーだと話すと、多くの方からこんな言葉を投げかけられます。

「知ってる!身体が女の子だけど、心は男の子なんでしょ?」

「じゃあ華子は女の子が好きなんだね。」

「性同一性障害ってあれだよね、金八先生の上戸彩。」

「はるな愛の逆的な?」

「身体変えたい人のことでしょ?」

 
どれもまあ、間違っちゃいないから
「ああううん、そんな感じ。」と答えています。
ただ、厳密にその通りかと問われれば、微妙なズレを感じています。
このモヤモヤが伝わったらいいのになと思って、匹敵するものを探して見ました。

こちらです。

 

私「私、芝居やってるんですよ。」
相手「そうなの。何の映画とかテレビに出てるの?」
私「いや、舞台が中心で。」
相手「ああ舞台!劇団四季とか?」
私「いや、歌ったりしない系のやつで・・・。」
相手「ああ、下北沢とかの?」
私「そ・・・の、中間くらいの・・・やつです。」
相手「へえ、どんなの?」
私「えっと・・・・静かな演劇みたいな・・・」
相手「でも、すごい頑張ってるのね。いつかテレビや映画に出られるよう、下積み頑張ってね!」
私「あ・・・・りがとうございます・・・・。」

 
舞台は下積みではないのだけど、この人に悪気は一切なくて、応援してくれているし・・・。
演劇を詳しく知らない人に、演劇のジャンルをラフに説明するの難しいしなあ・・・ああ、歯痒い。


これに近い感覚を、トランスの話をしている時感じています。
トランスという言葉を知ってくれている事は嬉しい、でも厳密には違う。
じゃあここで私のセクシャリティの詳しい説明をし出すと、情報が膨大過ぎて面倒くさいと思われるかも、でも・・・。


これは理解のあるなしというより、知識の深さ・深度の問題かなと思っています。

理解を得るには知識が必要だけれど、そもそもその知識が浸透していないのが現状だと思うので、微力ながら「知っているの深度」を深めてもらう努力をしていこうと思っています。

 
とりあえず、
現状のトランスジェンダーに対する「知っているの深度」に、私が普段どれくらい歯がゆさを感じているかというと、演劇の理解の深度の浅さに直面した時と同じ位です。
 演劇やっている人に、うわああ、それは歯がゆいねえ!って想像してもらえたら嬉しいです。

 

 


華子

 

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