INEVITABLE ja night #8に行ってきたメモ
眼福耳福の夜でした。
1.トークセッション(小島英揮さん×深津さん)
「読む< 聞く< 見る< 話す< 行動する」読んだことは10%覚えている、行動したことは90%覚えている。ただし、強度の高い体験だけが優れているというわけではない。揚げ物一辺倒でなく、毎日食べたくなるレシピをいい感じに整えることがUX設計。
テクノロジーが体験を向上させるわけでなく、テクノロジーの飽和が体験の質を引き上げる(or 市場 or スペックの飽和)。テクノロジの黎明期から成長期は、むしろ体験を低下させがち。テクノロジー普及期はそれがある/ないで勝負が決まっちゃう。UX云々でなくスペック勝負。素性が悪くても”それがある”だけで売れる。馬vs車、火打石vsライター。それらが普及してモノ自体に差がなくなってくると、今度は体験の良し悪しが勝負のレイヤーになってくる。
たとえばGoogleは生産性レイヤーで圧倒的なポジションをつくってきたが、最近は「うれしい・楽しい・美しい、人生の意義・意味」レイヤーに勝負の場をシフトしてきた感。これもテック/市場の飽和を背景に、機能⇒体験に勝ち筋をシフトさせてると推察。
Q.今後体験向上に効いてくるテクノロジーは?
小島さん
1.臨場感(xR×5G)
2.VUI
3.インテリジェント
(深津さん)これらはどちらかというと”新しい調味料が増えた”という感じ。味の濃さには効くが体験全体から見ると限定的。
深津さん
1.データ分析、データ解釈
2.SaaSの普及
3.サブスクリプションの普及
これらは料理する機会を増やす、料理のやり方を変えるという感じで、世の中の体験全体の質の向上を促す。
例えばサブスクがなぜ体験向上を促すか?
・売り切り商品 =売ったら勝ち。初期マーケに全ブッコミのモデル
・サブスク =売り逃げができない。体験向上に投資せざるを得ないモデル
対談セッションのスライド(小島さんがアップされていた。特に20ページ目で会場みんな写真とってた)
2.デザインシステム再考(佐藤伸哉さん)
デザインシステムとは?
目的を達成するために首尾一貫したユーザーエクスペリエンスを提供し、顧客をハッピーにするためのI/Fデザインのルール+運用+組織
デザインシステムの火付け役
Google Matelial design
Airbnb Design language System
デザインシステムの今後の課題・運用のための専門組織体制が必要・経営資産としての投資が必要・マルチプラットフォームからクロスプラットフォーム(IoTなど)への対応に高度な技術と計画的な戦略、そのための体制が必要
デザインシステムはなぜ必要か?
開発者のスキルや開発状況、運用継続年数によって簡単に・勝手に”進化”してしまう。(ex.もともとDrop shadowでつくったサイトに、途中から流行りのFlat designでページを追加。結果混在)
まずは「デザイン原則」が大事。(参考になるデザイン原則=AMP)
デザインシステムは、単にデザインガイドラインをつくることでなく、運用論や組織論。
佐藤伸哉さんのnoteにスライド掲載されてたので備忘兼ねて拝借します。
3.Google テクノロジーUpdate(Google鈴木さん)
GmailのUIもかつてはバラバラだった。そこからKennedy Designプロジェクト ⇒ Holo design (Android独自)の混在期を経て、「Materiel Design」へ
Material designの課題:全部似たようなアプリになってしまう。デザインシステムが行き過ぎたバリアにならないよう、最低限のガイドラインに見直し中。
たったひとつのラベルデザイン(ボタン)を決めるために、相当のテストを重ねている!
4.データでカスタマーエクスペリエンスをどう捉えるか(PLAID CTO 牧野さん)
「CXは、ビジネスの本質。データから自動生成、ではなく、必ずヒトが介在し、創造すべきもの」
顧客体験は細かいイベントに左右され、複雑で、非連続的。複雑なので、ユーザー視点で考える。タイミングが大事なので、変化を知る、変化を知ってアクションする、リアルタイムにする、が重要。
データをどう扱うのが大事か?
顧客接点データを「きめ細かく」「大量に」集める
・重要なイベントデータ(購入など)
・NPS的な意識上のデータ
・行動データ(知った、動いた)
・アクションのデータ(接点で何したか)
・ナレッジ(どういうアクションが効いたか?)
大量のデータをユーザー軸でまとめ上げ、使える状態にする全てのデータを計算対象に、様々な視点の統計処理を行い変化を見る
データは無限にあるが”常に局所的”であることを意識。ユーザー視点でデータの行間を補完/想像する。(人間にしかできない技を使う)
俯瞰と掘り下げ。生データまで下りて事象を理解する。
データに振り回されるのでなく、Backcatingな視点で「どういう体験をつくりたいか?」からみる。局所的なデータに飛びつかず、人間的な想像/創造を駆使、データの行間を補完する。数秒のタイムラグもユーザーの行動に影響する。”リアルリアルタイム”(=1秒以内)に処理し、アクションに活用する
巨人の肩に立つ。データの上に乗って考える。
以上。たぶんに筆者の意訳が入ってますが記録メモとして。
【合わせて深める】
深津さんご本人による補足note
画ヂカラモリモリでわかりやすいレポ。
Togetterまとめ
【事務連絡】
佐藤伸哉さんのプレゼンで紹介あった本、会社のデスクに持ってますからお気軽に~。
そして今日の浮ついたテンションでまた買ってしまった。。
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