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怖い話し その1

10
最初期のホラー小説のまとめ。 1話〜10話収録。
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#奇譚

#10 短編空想怪談「窓の外」

#10 短編空想怪談「窓の外」

私が高校生の時の話しだ。
私の実家は地方の田舎で、どこへ行くにも自転車か車移動が普通で、家の周りも田んぼや畑が囲んでた。

その日も学校が終わり、自転車で家に帰る途中だった。
田んぼを挟んで向こうに誰か居る。
時間は夕方の6時頃、夕飯時で買い物なら駅前や商店街の方に行くだろう。
もしくは散歩か、今が買い物の帰りか。

目の端にちらついた時はそれくらいで、気にはしなかったのだが、妙に後から気になって

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#9 短編空想怪談「赤い私」

#9 短編空想怪談「赤い私」

この話しは今でも続いてる現在進行形の話しで、あまり人には信じてもらえないからというのもあるんですが、それ以上に、私自身が不快なのであまり話さないんです…
と、彼女は前置きしてから話してくれた。

私には毎月、決まった時期に現れる人物が居る、それは自分自身だと言う。
しかし、自分自身である事は間違いないのだが、その見た目は明らかに異常で、全身赤いのだ。ただ赤いだけではなく、赤黒い。
例えるなら、鮮血

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#8 短編空想怪談「旧い旅館」

#8 短編空想怪談「旧い旅館」

学校の七不思議と言うものは大抵どの学校にもあるのだろうが、僕の通っていた中学校には、“学校外の1不思議”という変わった話が有った。

概要としては「修学旅行で、ある古い旅館に泊まると、そこの一部屋は呪われていて、女の声が聞こえる」とか、または「子供が遊ぼうとせがんで寝かせない」とか、色々言われてるが共通して、地方の某旅館が舞台だった。

とはいえ、得てして七不思議や、学校の怪談というのは尾鰭が付い

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#7 短編空想怪談「写真の人」

#7 短編空想怪談「写真の人」

私の曽祖父の最後は奇妙でした。
齢100を過ぎて、痴呆も入っていたのでだいぶ苦労はしたが、大抵は穏やかに過ごしていた。
だが時より、思い出した様に何かに謝り続けていた。誰に何を謝っていたかは未だに分からないが、恐らくは曽祖父の若い頃、迷惑を掛けた人物だったのだろう。

その曽祖父の最後、容態を悪くし、このまま逝くのだろうかと家族で見守って居た時、
曽祖父は急に叫びだした。「すまない!申し訳無い!許

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#6 短編空想怪談「観客」

#6 短編空想怪談「観客」

1週間ほど前、ソイツは突如現れた。
ある日の朝、いつも通りの出社で自宅から、会社に向かう途中の踏み切りで、ソイツはずっと立っている。

朝も夜も。
会社から帰ってきて、夜になってもソイツは居た。かく言う自分もソイツの存在に気づいたのは、消える3日前くらいに気づいたのだが。

毎日通る道に、同じ黒いスウェット、同じ黒い帽子を深く被り、人通りも関係なく、踏み切りの横に立っている。
他の人も気づいている

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#5 短編空想怪談「夫の記録」

#5 短編空想怪談「夫の記録」

「これは私の最後の記録だ。

私の家族構成は妻、娘、息子、至って普通のどこにでもある家庭。仕事も大学を卒業後、何事もなく就職し10年以上は働いていた。ところが30歳半ば過ぎにして、身体に異変が起きた。右脚が突如、痛みと共に動かなくなったのだ。

その日は会社を休み病院へ行くも、医者の見立てでは、何も異常が無いという。とりあえず様子を見てくれと言われ、一旦家に帰ったのだが、家に着く頃には、不思議と痛

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#4 短編空想怪談「母の愛」

#4 短編空想怪談「母の愛」

僕の母は過保護だった。
どれくらい過保護かというと、中学生になるまで『包丁は危ないから』と料理の手伝いはさせなかったし、
一人だけの外出も中学生になってから、しかも門限は17時。
それを越えるとケータイに『いまどこにいるの?』『早く帰ってきなさい』『今日はカレーだよ』とにかく僕に連絡をする。
じゃ、近くにいたらどうかというと、これもかなり一緒に居るのは辛い。
なぜなら、母の自慢のネタは常に僕だった

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#3 短編空想怪談「迷惑メール」

#3 短編空想怪談「迷惑メール」

Fさんがまだ大学生だった頃の話しである。

Fさんの元に一通のメールが来た。
そのメールには本文が無く、画像データが一枚のみ、意味が分からなかった。

その画像も不可解で
画面全体が真っ暗で何も写っていない。
送信元も分からず、迷惑メールだろうとFさんは
深く考えずにそのメールを削除した。

その数週間後
また件の迷惑メールが来た。
相変わらず、本文は無く添付された画像は真っ暗。
ただ、今回は少し

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#2 短編空想怪談「同じ夢」

#2 短編空想怪談「同じ夢」

私の母から聞かされた、私が産まれる時の話しだ。
臨月を迎え、いつお産が始まっても良いように、
母は2週間ほど入院していた時、
毎晩嫌な夢を見ていたという。

夢の内容は自分のお産の夢で、
かなりリアルだったらしくその夢の中では、痛みすら生々しく感じた。

病室で陣痛に襲われ、分娩室へ担ぎ込まれ、出産をする。
夢の中だからなのか苦痛に苛まれてるせいかやたらと時間が長く感じられたという。
何時間陣痛に

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#1 短編空想怪談「御経」

#1 短編空想怪談「御経」

私の家は恐らく俗に言う事故物件だ。
と言っても、大した事は起きず
良くある何かが軋む様な音がしたり
コツコツと叩く音がしたり、その程度。
時々金縛りに会うが
大抵ほんの3~4分程度で終る。
その金縛りの時、
お経の様な平坦で淡白な声が聞こえるが、金縛りと同じで、この声が聞こえるのも3~4分程度。
最初の内こそ恐怖したが、人間慣れという機能は便利で、1ヶ月もすれば無視出来てしまう。

2年程過ぎた頃

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