テーマ4.欲望との向き合い方
老子は、無為・無欲といった言葉を多用することから、欲望否定論者と見なされがちだが、私は必ずしもそうとは思わない。
むしろ、「欲望との向き合い方・付き合い方」に目を向けているのではないだろうか。
その難しさをよく知っている人だと思う。老子のわかりにくさは、欲望との付き合い方の難しさを反映している、とも言えそうだ。
ここでは、老子の欲望論がよくわかる章句を七つ選んでみた。
読んでいただくと、その主張が一貫していることがよくわかる。ひと言でいえば「ほどほどに」ということになろうか。
きわめて主観的な表現である。
どこからが行き過ぎになるのか境界線が見えない、人によって違う。それが老子のわかりにくさである。
老子は、一生をかけて自らに問い続け、考え続けろ、と言っているのかもしれない。「欲望との向き合い方」というのは、そこまでするに資するテーマだと思う。
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